KU Outdoor Life

アウトドアおやじの日常冒険生活

「単独行者」読了

2017年07月29日 | 

  谷甲州・著 ヤマケイ文庫 上下巻、本編だけで739ページ!

 「単独行者(アラインゲンガー)-新・加藤文太郎伝」を読み終わる。
 
 これは日本の単独登山の先駆けともいえる加藤文太郎氏の生涯を綴った物語で、かつて雑誌「山と溪谷」に長期連載されていた作品である。
 Amazonのレビューでも「読み応えあり!」と高評価を得ていることから、大いに期待して読み始めたのだが・・・。

 まぁ、はっきり言って長い!
 そしてたいへん申し訳ないが、それほど面白くなかった!・・・というのが率直な感想である。
 (このへん個人差があるので悪しからず。)m(_ _)m
 
 強いて言うと全編を通して面白かったのは後半1/4程度。いよいよ冬の北鎌へ向かう辺りからである。
 もちろんストーリーとしてはそこへ至るまでの経緯、加藤文太郎という人間像を細かく描かないとならないのはわかるが、はっきり言って上巻などは「山での天気の変化」とか「微妙な感情の移り変わり」とかそういう場面がダラダラと続く。
 そして肝心の山行内容や結末は案外サラッと、時には一気に時間が飛んだりして「はぁ?」と思う箇所がいくつかあって、よほど途中で読むのを挫折しようかと思った。(まぁ、せっかく新品で買ったのでもったいなくて最後まで読みましたけどね。)
 
 加藤文太郎の最期は既に多くの本で知られているし、自分がせっかちなのかもしれないが、内容を端的に言うと「冗長」。
 クライマックスに向け、前半ちょっと引っ張り過ぎなんじゃないの?と感じた次第である。
 自分も低レベルながら単独登山はするので、「山への恐怖や葛藤」「人間関係の面倒くささ」「単独ならではの達成感」など共感できる部分はあったが、それにしてもである。
 
 新田次郎の「孤高の人」はたしかに読み物として面白く、同じ上下巻のボリュームでもグイグイと読み進んでいける。
 内容がまったく異なるが、漫画「孤高の人」も同様である。
 三作とも共通しているのは加藤文太郎を「ぶっきらぼうで、人間関係が苦手な不器用な男」として描いていることだが、この「単独行者」で描かれる加藤像が自分には一番わけがわからなかった。

 谷甲州の作品はこれまでにも「白き嶺の男」など読み、なかなか面白いと思ったのだが・・・。
 逆に久々に新田次郎の「孤高の人」を読み直したくなってしまった。(あくまで個人的感想なので、この本のファンの方は許してね。)


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