KU Outdoor Life

アウトドアおやじの日常冒険生活

上越・ナルミズ沢

2019年08月25日 | 沢登り
日程:2019年8月24日(土)~25日(日) 前夜発一泊二日
同行:キタムラ、ヒロイ(我が社の山岳部)
 
一日目 天候:
 行程:宝川林道広場7:20-広河原10:10-大石沢出合12:20-魚止めの滝13::20-二俣-テン場15:00
 
 今回は部の女子たっての希望で、お馴染みナルミズ沢へ。
 この二週間は剱、甲斐駒と体力的にハード系が続いたので、ホッと一息といったところ。
 ナルミズは2001年に土合から東黒沢からの継続で行ったきりなので、実に18年振り!かつての思い出通り美しいままであればいいけど・・・と期待十分、不安半分といった気持ちで出かける。
 
 前日の金曜、車で神奈川を出発。
 圏央道、関越道を走り、谷川岳方面と分かれ宝川温泉の林道へ。夏草を掻き分けノーマルのフリードで入れるだけ入ったところの大きな広場に深夜着。
 女子二人はシートをフルフラットにして車内で、自分はそばにテント張って仮眠。

 翌朝はまずまずの天気。
 やはりナルミズに来たからには晴れてもらわなくては困る。濃い青空があってこそ、あのグリーンの流れが映えるのだ。
 四駆ならもう少し奥まで入れるが、我々が駐車した大広場から奥の車止めまで歩いてもせいぜい20分ほど。
 車止めにも既に先客の車が2台ほどあった。

 
 
 この先、入渓点の広河原まで約2時間。
 しばらくは左手に宝川を見ながら平坦な林道を行くが、樹間越しに見る本流はこの時点で美しく、途中にはあの葛根田川を思わせる長いナメがあったりする。
 秩父の西沢渓谷同様、脇道があるからほとんどの人は先を急いで下流は割愛するだろうが、実際下流から水線通しで行ってみたらけっこう面白いかもしれない。
 
 ほぼ平坦な林道をちょうど一時間歩き終わったところから傾斜がキツい山道に入る。登りと山腹を巻くトラバース道がまた一時間ほど続く。
 途中ではマムート(マムシ)が現れるという一幕も。途中で小沢が流れ込み、ぬかるみからアプローチシューズを避けながら進んで行く。
 数か所悪い部分にはトラロープが設置されており、ありがたく使わせてもらいながら沢床へ降りていくと徒渉点。
 ここで沢装備に整える。
 
 小休止後、右岸に徒渉し、なおも30分ほど山道を進むと、左手からウツボギ沢が入ってきて、そこが「広河原」。
 さすがに18年前となると、ちょっと違うイメージがした。
 本流右岸には朝日岳へ延びる山道が続いているが、ここから入渓する。

 
 
 この先は文章では説明不要。
 緑の眩い美しい釜とナメ、数々のウォータースライダーとミニ・ナイアガラと、まさに沢のテーマパークである。
 ネコまっしぐら、弟子、大はしゃぎ!


 途中、釣り?に来ていた若者軍団と擦れ違うが、やはりこれだけ人気の沢では釣果は厳しいよう。
 しかし、少し行った先の浅めのプールでは20cmほどの岩魚がスス-ッと走るのが確認できた。
 
 陽射しはまずまずだが、本日は少々風があり、調子に乗って水に浸かり続けているとさすがに身体が芯から冷えてくる。
 途中のウォータースライダーでは自分は着地に失敗し、フワフワと足の届かない位置に流され、一瞬溺れるかとアセった。
 その他は特に危険な箇所もなく、それぞれのライン取りで進む。

 前方にはジャンクションピークのスラブ帯が聳え、これで回りが熱帯雨林の植物ならまさにジュラシックパークである。
 中間の大石沢出合を過ぎる。が、ナルミズ沢はまったく飽きさせない。

 

 
 途中で後続の中年女性二人組に先を譲り、この沢唯一の滝らしい「魚止めの滝」(8m)に到着。
 今回、念のため40mロープに各自ハーネスまで身に着けてきたが、ややヌメるものの慎重に登れば問題無し。
 滝の右側凹角を各自順番にフリーで越える。(Ⅲ級-)

 
 
 やがて二俣。ここは右俣へ。
 そろそろ沢形も狭くなり、時間的にはテン場を探さなければならない。
 最高の一等地があったのだが、残念ながら先行の女性二人組に一足先に取られてしまった。

 
 弟子のヒロイが空身で先まで偵察に行くが、スペースはあっても下が池塘ぽかったりしてイマイチ。しかたなく通過した二俣まで引き返す。
 一等地はかなり余裕があるので引き返し際、それとなく先ほどの女性に「上はいい場所、無いですね~。」と告げると「下の二俣にもありましたよ。」という返事。
 ちょっとぐらい分譲してくれてもいいのに!・・・と内心思いながら、まぁ自分らも、もしすぐ隣にうるさい連中がドヤドヤと押しかけてきたらヤダしなと思い、ここは我慢。
 二俣左岸高台に位置を決めた。

 
 
 流木の数は限られているが三人で何とか搔き集め、最初は火付きが悪かったものの女子二人が頑張ってくれてどうにか着火。
 水遊びし過ぎたおかげで、せっかく持ってきた冷えたビールは飲む気にならなかったが、それでもこのところ不発続きだった焚火の夕餉ができて本当に良かった。
 夜はシェルターの下、三人で川の字になって寝るが、一番沢側にいた自分は傾斜で夜中何回か外にはみ出していた。(もしかしたら二人に蹴飛ばされたのかもしれない。)

二日目 天候:のち
 行程:テン場7:30-修行の滝(仮称)8:30-天国の詰め10:15-朝日岳-分岐点-宝川林道広場15:00
 
 明るくなってから起き出し、まずは火起こし。
 昨日の熾きが残っていたので、朝のコーヒー、にゅう麺で簡単に朝食を済ませる。

 

 ごみを残さないよう、テン場を撤収。
 今回感心したのは、とにかくこのナルミズ沢は本当に周辺にごみや人工物が無く、美しいままであることだ。
 
 流れは次第に細くなってくるが、トイ状になってもなおも深い釜を持った小滝が続き、最後まで楽しませてくれる。
 どこで泊ったのか後続の男女三人組が追い付いてきたので、ここでも先を譲り、我々はチンタラと名残惜しむように詰めていく。

 

 
 
 そして最後は「天国の詰め」。
 前回来た時もたしかに綺麗だったが、近くで見ると草原というより笹っぽい印象が残っていた。
 が、今回改めて来てみると写真で見るイメージどおりで、天然芝とまではいかないが誰かが整備したんじやないかと思えるほど綺麗な草原だった。(自分はここに来るとなぜか頭にスピッツの「ロビンソン」がイメージ曲として流れる。)

 

 
 
 ひとしきり緑の草原をユルユルと登っていくと、ようやく笹原に代わり、先行三人組の後を追うように稜線へ詰めていく。
 本日は朝からガスが湧き、あまり遠くの展望は利かない。が、陽射しがキツイと却ってキツいので、曇天くらいの方がちょうどイイ。
 
 ジャンクションピークで小休止。木道を進み、途中で白毛門方面と分かれ、分岐を左に。
 スラブ帯のトラバース道から樹林帯の急な下り、そして沢沿いに合流し、最後は往路と同じ単調な林道でスタート地点に戻ってきた。
 
 宝川温泉は高いので、〆は湯の小屋温泉へ。
 当てにしていたクチコミの良い湯宿は残念ながら14時で終了のため、「湯元温泉」の内湯(800円)へ。
 源泉かけ流しといっても有笠のような覚悟の要るような熱湯でなく、ほど良い温度の素朴ないいお湯でした。
 
 ナルミズ沢は赤木沢(富山)や葛根田(岩手)より全然近いし、天気が良ければ毎年行ってもいいかも。(ただし、相手によりますが・・・。)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。