Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

「激闘!池田屋騒動!」~シカゴ日本人学校全日校運動会騎馬戦

2009-05-30 | シカゴ日本人学校全日校
なつかしのシカゴ日本人学校全日校の運動会の季節だ。HPに日程がでていないが、6月の始めであろう。あのあつ~い全日校の運動会を遠い日のことのように思い出していたら、中学部のU先生から内容を伝えるメールが届いた。今年の運動会の目玉である騎馬戦のテーマは、「激闘 池田屋騒動 2009」とある。私にはイマイチピンとこなかったのだが、社会科担当である熱血漢のU先生が、今年もみんなを引っ張り上げているようだ。

去年は、「川中島の戦い」がテーマで、赤白応援団長が、上杉謙信と武田信玄となり、赤組白組両方戦い方を練り上げて挑んだ熱い戦いが繰り広げられたのを鮮明に思い出す。NHKの大河ドラマのテーマソングなども使い、2つののぼりをこのU先生が徹夜で作り上げ、赤白大将を騎馬戦で担ぎ上げ、うちの息子は白組の大将騎馬ののぼりを持って、サムライ魂を見せてくれた。先生のメール内容を一読して、そのあまりの真剣さと去年の熱血ぶりを思い出し、私は思わずふきだしてしまった。以下U先生のメール内容である。

プログラム名は「激闘 池田屋騒動 2009」です。赤組団長が長州奇兵隊創設者 高杉晋作、白組団長が新撰組副隊長 土方歳三の2名が大将となり激突します。なぜこのような過激なプログラム名になったかというと、新しく派遣されてきた中学部数学の先生の出身が福島県会津若松市。なんと、松平容保公お膝元から派遣されてきたわけです。長州藩出身の私としては「長州藩と会津藩の120年におよぶ因縁」を調べ上げ、初めて福島県出身の方と同じ職場で仕事をするということは和解への第一歩と思い騎馬戦担当として名前を決定しました。(意味不明???)





授業でもその話(白虎隊や新撰組)を取り上げるとみんな興味津々に聞いていました。今年はのぼりの数も増やし、登場曲もこだわって、ど派手な演出を計画しています。国内では問題になりそうですが、ここでしかできないものをつくりあげていきたいと思います。





Yくんのもと同志たちががんばっていますよ。私たちシカゴ日本人学校中学校も29名という少人数になりましたが、卒業や転出した生徒の意志を引き継ぎ、益々盛り上がっていきたいと思います。Yくんのこれからの活躍を期待していますよ。  シカゴ松下村塾 Uより

いかがでしょう。この文章を読んだら、シカゴにいたら、運動会を見に行きたくなりませんか?前回の投稿で小学校の英会話でイチローと松井と通して、英語をたたきこむということをやってみたが、それと同じで、運動会という場をかりて、自分たちが歴史上の人物になりきり、戦うということで、生徒たちはさぞや徹底的に歴史の流れが頭に入ったことだろう。それにしても恐るべし、U先生の熱血力。息子は、このメールを読んで、「ちくしょう!土方は俺がやりたかった!」と地団駄ふんでいる。息子の話によると、この先生の授業は何時間聞いていても飽きないほど面白いらしい。私も一度聞きたかった、そのユニークな講義。そして、その先生の歴史への熱い思いは、今も日本に帰国した息子たちの心と体に脈打っているのである。だからこそ、修学旅行で息子は新撰組グッズを買いまくったのであろう。

そして、U先生から息子への熱き激励メールも届いた。これは、シカゴ日本人学校全日校中学部出身の者たちへのU先生からのメッセージともとれよう。

さてYくん、国内で孤軍奮闘とのこと。Y君は一本気な性格でしたからね。
私からYくんへのアドバイス「兵には正奇があり、戦いには虚実がある。奇をもって敵の虚を制すべし。」(誰の言葉か知っていますよね!)かたくなに正攻法を押し通せば、大きな衝突となり我が身も傷つく。時には柔軟に対応することで物事がうまくいくこともあるよ。歴史好き、本好きのYくんだから、歴史の事象から学ぶことも多いのでは!「機が熟し」た時、来るべき旗揚げのため、今のうちにしっかり気をため、自己研鑽に励むべし!

このメールを読んで、あまりの鋭さに、そして歴史の教訓が現代の中学生活に生きることに感動してしまった母である。U先生の素晴らしきアドバイス、息子の心に深く刻まれることでしょう。

のぼりの写真はU先生撮影、中学部のAポッドの様子 生徒会室が白組作戦会議室 社会科教室が赤組作戦会議室になっているとのこと

しかし、社会科教室が赤組とは、U先生は今年は赤組につくのであろうか?去年、U先生は赤組につき、白組が勝利して、U先生はなぜか坊主頭になったのを思い出す。今年はいったい・・・・

ウーン、自分の熱き思いをこのような形でみんなの大きな思い出として残せるとは、教師という職業は、究極なクリエーティビティに富んだ献身的なものと言えよう。シカゴ日本人学校全日校永遠あれ!