Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

カブスの福留選手、スポーツ・イラストレイティッド誌の表紙を飾る~「絶対やれる」日本語見出しつき

2008-05-04 | 福留孝介選手
5月5日付、今週木曜日発売の「スポーツ・イラストレイティッド」誌は、シカゴ・カブスの日本人メジャーリーガー福留孝介選手の写真を表紙に使い、「絶対やれる」(It's Gonna Happen)と日本語の見出しを大きく掲げた。開幕戦で、It's Gonna Happenを「偶然だろ!」と誤訳したボードを何人かのファンが掲げたのを、アメリカ人として福留選手に代わりにあやまりたいのかもしれないし、カブスファンの「福留選手がいれば、絶対やれる(ワールド・チャンピオンになれる)」という強い思いを掲げているのかもしれない。

最初の2ページにわたって福留選手がベースにスライディングする大きな迫力ある写真を掲載し、Kosuke Fukudome Tastes Good (福留孝介は、いい感じというニュアンスか)というタイトルで、6ページにわたって、福留選手の選球眼の良さが、今シーズンのカブスの選手たちの驚くべき出塁率の良さを引っ張っていると分析した。(リー・ジェンキンス氏執筆記事)

記事の始めの方で、福留選手が、「100年も(カブスが、ワールド・チャンピオンに)なっていないなんて、知らなかった。」と12月19日の入団発表から4ヵ月後、ダウンタウンのホテルで、通訳を通して語ったという。

福留選手がアメリカで活躍しだして、たった1ヶ月しかたっていないのに、福留選手の熱狂的なファンが多いのは、日本よりシカゴだと書かれている。中日時代、星野監督からのパンチから逃げたとか、星野監督とルー・ピネラ監督の両方の気性の激しさを比べているとか書かれている。この点に関しては、息子のチームのアメリカ人の監督も前に新聞で読んで、福留選手は星野監督の気性の激しさに慣れているから、ピネラ監督はまったく大丈夫だと書かれていたと教えてくれた。

福留選手が有力スポーツ専門誌、スポーツ・イラストレイティッド誌の表紙を飾ったというニュースは、シカゴアンにとって、とても名誉なことなので、今週初めのシカゴの地元テレビ局、WGNの朝のニュースのスポーツで、まず紹介された。今日のカブス対カーディナルス戦でも、福留選手が最初の目の覚めるようなタイムリーヒットで打点を稼いだとき、この表紙を試合中に映し出して、紹介してくれた。

福留選手のバッティング理論もかなり詳しく紹介されている。福留選手は、自分が打てる球しか打たないと。福留選手のスタンスは松井(秀喜)選手に似ているが、スウィングはイチローに似ていると。

カブスの超ベテランスカウトが、2004年のアテネオリンピックから福留選手をずっとマークしていたことも説明している。

そして、私が一番気に入った部分は、福留選手のバットへのこだわりをリポートしてくれたこと。日本のメディアが、開幕戦で福留選手がホームランが打てたことを920グラムのバットへのこだわりと指摘していた。その通りのことが書かれてあり、カブスのクラブハウスのロッカーですべてのバットが920グラムであることをチェックしていると書かれている。さすがはスポーツ専門誌、かなりのリサーチである。日本語の通訳でも雇って、詳しく日本のメディアも熟読したのかもしれない。

今やカブスのメンバーは日本通。テリオは、日英の辞書を持ち、エース、ゾンブラーノは、スパイクの後ろに日本語で名前を書いているとリポートされている。ソリアーノやデレク・リーのお父さんレオン・リーが日本でプレーしていたとも。

最近、上の息子のチームメートは、日本語で「こんにちは」などと言い出している。チームの監督は、「ありがとう」と手を合わせ、おじぎをしながら、日本語で言う。今やシカゴの野球人は、日本語を覚えるのが、一番クールだとわかっている。福留選手、本当にありがとう!!

でも、福留選手の活躍がこのまま続いて、カブスがワールド・チャンピオンになったら、彼はいったいどんなすごいヒーローの扱いを受けるのだろうか。シカゴの英雄?神様?考えただけでも、スリリングだ。まさに、Thrilled to death!





シカゴ郊外でもフクドメニア増殖中~福留をよんで!~Kuniのメジャーリーグ観察記その2

2008-04-30 | 福留孝介選手
今日、息子2人のバッティング練習のため、家族会員になっているバッファロー・グローブのジョイ・オブ・ザ・ゲームというベースボール・アカデミーに行くと、オーナーのクレイグに「フクドメをなんとかして、よんでくれないか!」と真剣に懇願(?)された。

今日気がついたのだが、ジョイの待合場所に飾ってあった写真は、カブスの私の大好きな若いハンサムなショートのテリオーで、(最近活躍中で、私の一押しです)なんとサインがしてあるのだ。いつの間にこんな写真を置いたのか!主人の話では、テリオーは、去年カブスに入ったので、私たちがジョイに会員になっていた時期だ。なぜ、彼が来ることを知らせてくれなかったのか!ショック!テリオーは、2001年にパドレスがドラフト指名。守備に定評があり、足が速い。ついでに言うと、そのルックスは、リトルリーグのチームで、キュートで美形のアメリカ人の男の子がいるが、その子がそのまま大きくなったような雰囲気。

そのテリオーの写真の横に今月初めの週刊の方のUSA Today、たしかスポ-ツ版が置いてあり、福留選手の表紙で、カブス特集になっている。読んでいる時間がなかったので、クレイグにこの新聞を捨てないように言うと、「フクドメを君ならよんでくれるだろう。ここにある写真とサインをみてごらん。うちは、テリオットもよんだし、(ホワイトソックスのピッチングコーチ)クーパーもよんだし・・・なんとかならないか!」「今(カブスの)XXXと(ホワイトソックスの)XXXにくるよう、交渉してるし・・・」目が真剣に訴えている。ウーン、すごいコネだ。じゃあ、自分でよべばと言いたくなる。日本人だからって、福留選手はよべないよ。きても、井口選手のように、まず日本人学校訪問が先でしょ。と言いたくなった。(おそらく、今年はそんなこともできないほど、オフはひっぱりだこで、忙しいだろう)

そして、クレイグが、ビック情報を言った。明日あたり発売のスポーツ・イラストレイティッドというスポーツ専門の雑誌のカバーに福留選手が使われるという。去年、松坂選手も表紙を飾ったあの有名な雑誌だ。えー!それじゃあ、こんな短期間に福留選手全国区になったってこと。ひっくりかえりそうになる。買わなくては!
(次の日、ウェッブで見ると、5月5日付の「スポーツ・イラストレイティッド」で、「絶対やれる」という大きな日本語見出しまで表紙にでている。朝、WGNのニュースでもそのことをとりあげていて、福留選手のことをBOYとよんでいた。)

4月20日付けのシカゴ・サン・タイムズは、「フクドメニア」という大きなタイトルで、福留選手の熱狂的なファンが増殖しているのを特集していた。福留孝介とはいったハチマキ姿のアメリカ人や福留選手の顔が入った巨大な旗がリグレー界隈のスポーツバーにお目見えした写真を紹介していた。テレビのアナウンサーも言っていたが、とにかく、今は福留Tシャツが圧倒的に一番売れているらしい。あのレフトへきれいに力強く流して打ち、守備では確実にライトへの打球を捕り、流れるような素早い送球を見せる、ファンダメンタルに裏打ちされたプレーに、アメリカ人はたまらなくしびれるのだろう。今までカブスにいなかったタイプの選手なのだろう。

また、日曜日、息子の試合に行くと、フィールドの間の窪地で、草野球をやっている小学生が、あの値段が高い本当のカブスの青い縦じまのフクドメ・ジャージー#1を着て、えらそうにプレーしていた。目立ってたなあ。

最近野球通の人たちは、手を合わせて、挨拶する。熱烈なカブスファンのクレイグもおじぎをしながら、手を合わせていた。息子のアシスタント・コーチのフィルは、阪神タイガースの大ファンなので、チームはパイレーツなのに、なぜか阪神タイガースの帽子をかぶり、大きな声で、「フクドメのファンだ。」とその帽子を指差して言う。福留選手がタイガース出身だったと思い込んでいる。中日だと教えたいのだが、あまりにうれしそうに言うので、そっとしている。福留選手がいた日本のチームの帽子をかぶっているとみんなに自慢しているのだろう。中日ドラゴンズの帽子はこちらでは高く売れるかもしれない。

現在、シカゴは、子供も大人もみーんなフクドメニアが増えてます。5月末のドジャーズ戦をリグレーに見に行く予定だが、今から楽しみだ。


写真は、才能あふれるアーティストで大学のダチ、ヒロミさん撮影の若くて美しいフクドメニア2人@リグレー・フィールド

福留選手逆転決勝打!リグレーでカブス戦を観る!「フクドメ」コール鳴り止まず

2008-04-06 | 福留孝介選手
今日は、待ちに待ったリグレー・フィールドでのカブス戦(対アストロズ)を今季初めて家族で観に行った。急に暖かくなった穏やかな気候の中、福留選手、またまたやってくれました。5対5の同点で迎えた7回裏、走者1、2塁の場面、なんと2塁打をかっとばし、2打点。この逆転の決勝打で、カブスファンは、もう大興奮!

福留選手が打席に立つと、スタンディング・オベーションで迎え、「フクドーメ!フクドーメ!」コールが球場中にこだました。まちがいなく、今のカブスのメンバーで一番の人気者になっている。あの独特のカブスのチャンティング、手をたたきながら「レッツゴー、カービー!」という節が代わりに「フクドーメ」とその節にのせて、みんなで大合唱。信じられないのりだ。

その後、試合は、アストロズが追いつきそうになり、8対7になったが、もう1点追加し、守護神ケリー・ウッドが9回を守り、9対7でカブスが勝った。最後の方、ちょっとハラハラしたが、カブスファンは、大喜び。試合直後のおなじみの「ゴー、カブス、ゴー、ゴーカブス、ゴー」の歌が流れ、みんな気持ちよく歌いながら、笑顔で球場を後にした。中には、「Fukudome #1」と書いたプラカードを大きく掲げ、「フクドーメ!」と何回も叫びながら、いろんな人にハイファイをしまくっているアメリカ人のおじさんもいた。

今日の試合は、前半カブスは打線がイマイチ続かず、アストロズが先行し、流れがアストロズに行っていたが、福留選手が魅せた超ファインプレーで、相手の完全なヒット性のあたりをアウトにし、追加点を許さず、その流れを断ち切ったような気がする。ライトからつっこんで左手で、すごい勢いの打球をつかんだ美技で、カブスファンを魅了した。

そして、その後、走者がいたとき、相手の不意をついたような絶妙なセーフティ・バントをする。サードが後に下がっていたのを見ていたのだろう。みんなあっと驚いていた。こんなプレーって今までカブスにあっただろうか?!これもまた得点に結びつく。福留選手の加入で、カブスも変わるか!日本人選手の器用さ、巧妙さも見せつけてくれる。きっとカブスファンにとって、福留選手のガッツ溢れるプレーがたまらないのだろう。

まだ、開幕してから、5試合なのに、カブスファンはみんな、福留選手に首ったけ。今日は、福留選手の名前入りのTシャツを着ているファンもよく見かけたし、多くのファンが「福留孝介」や「必勝!」「闘魂!」などと書かれたハチマキを巻いて、気を引き締めていた。リグレーの周りのお店では、カタカナで書かれた「フクドメ#1」というTシャツも売られ、すでにそのTシャツを着ている人も見かけた。

私たち家族も「いい日にリグレーに来れたね!」と大満足で、福留選手に感謝しながら、球場を後にした。

写真は、7回裏、逆転決勝2塁打を打つ福留選手

福留選手のグレイテスト・デビュー!カブスファンの心をわしづかみ!

2008-04-01 | 福留孝介選手
今日はカブスファンが待ちに待った地元リグレーフィールドでのブリュワーズとの開幕戦。あいにくの雨の中、福留選手がメジャー初打席、初球いきなり2塁打を放ち、カブスファンを喜ばせた。

今日は、シカゴの地元テレビ局WGNの朝のニュースもリグレーのスカイボックスという球場が見れるユニークなバーから放送。ミスターカブスと呼ばれ、活躍したアーニー・バンクスの銅像のお披露目のセレモニーもリグレーの前であり、試合前からかなり盛り上がっていた。(このとき、我らが篠田総領事もちらっとテレビに映っていた)

テレビに映し出された試合直前の福留選手の表情はかなり険しかった。「これからやってやるぞ!」という気迫のようなものがみなぎっていた。1回表、カブスの選手が守りにつくときもまず福留選手が走っていく姿をテレビは映し出し、シカゴの人々の期待を一身に背負っているのが感じられた。

試合はカブスのゾンブラーノとブリュワーズのベン・シーツの投げ合いとなり、0対0の緊迫したいい展開だった。シーツの好投を阻止した唯一の選手、福留。次の打席は4球、そして、目の覚めるようなシングル・ヒット。

一部のカブスファンは、「福留」「必勝」と日本語で書かれた鉢巻を頭に巻いている。中には、「福留」の字が逆になっている人もいる。「偶然だろ」というわけのわからない日本語のカードを掲げている人たちもいた。

そして、9回表、クローザーのケリー・ウッドが打たれ3点も許してしまう。これじゃ9分9厘負けだなとがっくりしていたら、一緒に見ていた息子が、「このあとデレック・リーとラミレスがでてつないで、福留がホームラン打っても同点か・・・」とつまらなそうにつぶやく。しかし、それが本当になるとは。

9回裏、去年あの松坂の足を引っ張って私が大嫌いになったガニエがクローザーとしてでてきた。なんだかカブスが打てるような気もする。案の定、デレック・リーが打ち、ラミレスが4球で1、2塁。そして、福留選手。「フクドメ!フクドメ!」という大きな大きなコールが自然に球場中に沸き起こる。メジャーのデビュー戦でこんなにもカブスファンをひきつけるとは!

ガニエは3つボールを先行し、逃げ腰だった。打ち気満々の福留選手の気迫が完全にガニエを飲み込んでいると思った。1つストライクを福留選手が見送った後だ。思いっきり打った球は、高々と観客席に運ばれた。この衝撃的な福留選手の3ランホームランで、カブスは3対3の同点に追いつく。その時のカブスファンの様子ったら。熱狂している。抱き合っている。今にも試合に勝ったかのようだ。アナウンサーは「アンビリーバブル!」と叫び、「カブスの歴史の中で最も偉大なデビューだ!」と言い放った。みんなが日本からきた助っ人を大歓迎している。

結局、その後10回で残念なことに、カブスは4対3で負けてしまったけど、福留選手は一振りで、カブスファンの心をわしづかみにした。もう1回打席が回って3塁打を打ったら、あわやサイクルヒットかと思わせるような、まさにフクドメ・ディーだった。これからの彼の活躍を予感させるような素晴らしい開幕戦だった。