11月8日 (水曜日)
世の中には、実に奇妙で味わい深い単位がある。
たとえば、エストニアの船乗りが使っていた単位「パイプ」は、
たばこのパイプから煙が出る間に船が進む距離だという。
▼チベットで「お茶一杯の距離」は、
「熱いお茶を入れて、それがさめて飲み頃になるまで
走り続ける距離」で、およそ三キロ。
フィンランドで「ポロンクセマ」といえば、
トナカイが休憩なしで移動できる距離だというから、
それぞれのお国柄がうかがえる。
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▼『はかりきれない世界の単位』
(米澤敬著、創元社)を開けば、
そんな人間味あふれる単位と並んで、
人間を数としてしか見ぬような単位も出てくる。
中味の一部は
「メガデス」だ
~~~~~~~~~~~~
▼これは米国の軍事戦略研究家ハーマン・カーン博士が冷戦時代に考えたもので、
『オックスフォード英語辞典』によれば、核戦争による犠牲をはかる単位。
一メガデスは「百万人の死」を意味するそうだ。
▼「北の危機」に、どう対処するか。トランプ大統領は
「すべての選択肢はテーブルの上にある」と武力行使もにおわせ、
安倍首相はその態度を支持し続けているが、
かつて米政権内で北朝鮮攻撃が検討された時は、
本格的戦争になれば死者は百万人台との試算があったという。
▼「百万人の死」の重みを、大統領はどう感じているのか。
やたら勇ましい言葉だけを並べる声を聞いていれば、
「メガデス」という単位がやけに重く響く。
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世の中には、実に奇妙で味わい深い単位がある。
たとえば、エストニアの船乗りが使っていた単位「パイプ」は、
たばこのパイプから煙が出る間に船が進む距離だという。
▼チベットで「お茶一杯の距離」は、
「熱いお茶を入れて、それがさめて飲み頃になるまで
走り続ける距離」で、およそ三キロ。
フィンランドで「ポロンクセマ」といえば、
トナカイが休憩なしで移動できる距離だというから、
それぞれのお国柄がうかがえる。
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▼『はかりきれない世界の単位』
(米澤敬著、創元社)を開けば、
そんな人間味あふれる単位と並んで、
人間を数としてしか見ぬような単位も出てくる。
中味の一部は
「メガデス」だ
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▼これは米国の軍事戦略研究家ハーマン・カーン博士が冷戦時代に考えたもので、
『オックスフォード英語辞典』によれば、核戦争による犠牲をはかる単位。
一メガデスは「百万人の死」を意味するそうだ。
▼「北の危機」に、どう対処するか。トランプ大統領は
「すべての選択肢はテーブルの上にある」と武力行使もにおわせ、
安倍首相はその態度を支持し続けているが、
かつて米政権内で北朝鮮攻撃が検討された時は、
本格的戦争になれば死者は百万人台との試算があったという。
▼「百万人の死」の重みを、大統領はどう感じているのか。
やたら勇ましい言葉だけを並べる声を聞いていれば、
「メガデス」という単位がやけに重く響く。
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