つれづれに脱原発のことを
ドイツで脱原発というか、2022年までに国内にある原子力はつん伝書を完全廃止という。メルケル政権下で大きな決断だった。
イタリアではベルルスコーニ首相の思惑とともにか知らぬが、原発廃止が反対票94・05%という支持率の国民投票となり法案が成立した。ちなみに投票率は54.79%だ。
降りかえって、我が国は福島第一原子力発電所の大人災は今も続いているというのに、それほど原子力発電の廃止の声が広がらない。
これにはヨーロッパと言う地政学上の有利と、アジアの片隅という地政学上の不利が関係しているように思う。
どういうことか、少し考えてみよう。
知っている人も多いと思うが、ドイツはフランスから原子力発電の電力を買っている。その上で風力発電などの自然エネルギー開発に積極である。
つまり今すぐ原子力発電を止めような無かろうが輪番停電など起こりようがないのだ。停電が起こるどころか、ドイツはスイスなどに電力を輸出さえしているほど電力余裕があり、電力を買ってもそれ以上輸出しているので電気料金もあげなくて済むわけなんだろう。
ドイツはそうかと思うがイタリアはどうかというと電力不足のようだった2003年には大停電があったというニュースが検索でヒットした。しかし記憶に間違えがなければここもフランスから電力を買えている。それにもまして、イタリアへの電力供給を目的としたスロバキアなどの諸外国の原子力発電所への投資もしていた。陸続きに各国相互の電気のやり取りができる地政学上の有利が、脱原発の決断を早くしている。それにもまして、それらは欧州連合でもある。
さて我が国は陸の孤島で、携帯電話ではガラパゴス諸島たとえられる(ガラパゴス諸島の人が例えられて怒っていた報道もあった)ほどオリエンタルエキゾチックである。各国間とは孤立無援の電気事情である。すぐに原子力発電を止めると、どうなるのかよくわからない。節電でうまく回るのかもしれない。
技術の進歩は危機のときに大きく発展する。ゼロ戦しかり、排ガス規制しかり、オイルショックやいろんな危機を我が国は技術立国として乗り越えてきた。今回もそうなるとは思えないが、そうする意思は必要なのかも知れない。
もちろん、北海道から60万キロワットほど海底ケーブルで本州には送っているように韓国や中国やロシアから輸入するという手もあるが、それには地政学上の安定が必要でるし、安全保障という意味でもそう簡単ではないだろう。つまり、何かの拍子に相手国が気分を害しだけで送電を止めるなんて思いはごめんである。
何をどう決めるか、それぞれが真剣に考える時期はある。