退廃的日々2009/11/07
向うの山を背負って手前に歩き出せば闇夜に向う。
向うの山の落日をどこまでも追いかければ、朝陽においつくのだろうか。
巨大な鳥居のようば鉄の支柱並ぶその下にはどこまでも交わることの無い四本のレールが海の底まで続き走る。
列車は海中トンネルが次ぎの輪廻転生までの闇の中によく似ているのではと哲学している。
やがて転生したように地上に出た列車は潮の香りに十分な新鮮さを感じ満足する。列車はどこまでも行ける。海の中さえ行けるのだと列車は笑う。
それが自由、空を見上げると重い車体が憂鬱なるのか前だけ見つめ疾走する列車は叫ぶ。
その叫びを汽笛に変えて私の目の前のカーブを車体を傾けながら列車は通り過ぎていった。
残されたのは私ひとり、
硬く閉めていた唇を軽く開き息を吸って命を確かめてみる。