システム担当ライブラリアンの日記

図書館システムやサービス系の話題を中心に。最近、歩き旅の話題も。

(2012.5.26-27) 大学教育学会 第34回大会_1

2012-06-09 23:46:28 | イベント参加
北海道大学にて

(要約)
・学習支援とかやってる図書館スタッフは、図書館系の集まりより、大学教育系の集まりに行く方に数倍意味がある。僕は不勉強なので、1-2年で消化・実践できないくらいのヒントをもらえました。環境の変化に関係なく自店の味を守り続けるのはあれだ。

・教育実践の方法や、人に何かを教える時のヒント、ライティング指導の実践、図書館での学生スタッフの活用方法など、示唆に富みました。

・進行はスムーズ。僕がたまに出る図書館系の集まりより、質疑も数倍活発。

・北大中央図書館の見学の時間も取れた。家具の大きさや色、その他の什器など、非常に参考になりました。

以下、例によって、自分なりの理解と、自分なりのメモです。

■大学生の学習へのアプローチと授業・学習経験の認識との関係(斎藤・京大教育学研究科)

○学生の学習姿勢が能動的だとしても、認知面ではそうではない可能性。
○京都と大阪の大学で調査
○学生の態度は「深いアプローチ」「浅いアプローチ」と分ける

○「生産的な課題とフィードバック」「体系的な理解の促進」◆
 →深いアプローチに有意な効果
○「スタッフの熱意とサポート」
 →浅いアプローチに影響
(質疑)
・アンケートの記入態度がいい加減だと、データは取れて、いくらちゃんと分析しても意味が小さい。
 →確かに、ダルそうに記入していたり(会場笑い)、全部4という回答もある。全部4などは排除する。アンケートはあくまで一般的な傾向を把握という理解で。

■グループ内個人学習を軸としたアクティブラーニング事例(長崎大・山地)

○ある授業、受講生14名で実施。
○学生からの評価も割と分かれたところもある。
・一人で勉強するのを好む学生もいる
・フィードバックとコメント中心だったが、教員の中心は役だったとの回答多い。

(質疑)
・トップの3割は満足度も高い。後ろの学生は学んでくれない。教材も準備してるのに。
 学習方法を身に付けていないから。先生の黒板を移すのが学習と思っている学生も。
 →やり取り、関わりの中で身に付けてもらう。

・他の学生の学習観を知ること
 →それを知ることで、自分の考えが相対化、知ることできる。
  高校と大学では学習方法は違うと言っているが、あまりに差が大きい。徐々にやっていかないと、しまいに元に戻りかねない。◆
 
・(獣医学の人から)国家試験のようなものがディープアプローチを阻害するというのに引っかかる。知識を習得して、それを統合していくことも求められる。#この先の質問は難しかった
 →医学部でもPBLの授業もあるのはよく知っている。「阻害」というのは言い過ぎでした。
 →国家試験の合格率は、一緒に勉強した人はよく受かる、一人で勉強している人は良く落ちるという数字がある。
 
■学生の主体的な授業外学習を増加させる授業設計(吉田、金西 徳島大)

○単位の実質化
○授業外学習を増加するには(従来からある考え)◆
 授業環境
 授業内でのコミュニケーション
 学生同士の相互作用
 主体的に取り組む必要のある授業設計
○授業実践
 「橋本メソッド」
○発表の概要と目的
○対象授業の概要
○授業外学習を行った理由◆
 a レジュメの作成
 b 自分で知識習得、調査を行うため
 c 発表できるようにするため
  bとcの回答は、aの記述もあった。
○まとめ
・レジュメ作成や発表の準備を授業外で行う
・学習量、内容は学生の自主性に
・チームで課題に取り組む
  協同学習の効果、連帯責任の効果
・成績評価、評価基準を明確にする
  相対評価

○今後の課題
・継続
・他のタイプの授業では

(質疑)
・まとめで「半強制的に」課題を与えたという印象もあるが?(会場笑い)
 →確かに。しかし、量は任せた。
 →(他の人)十分な授業準備というのは当然。(半強制的な)宿題や予習が邪道という考えはおかしい。

■総合討論
・宿題も、必要時間も勘案して、「やった方が得する」という設計も必要だろう。時間だけを延ばすというのではなく。◆
・(吉田)授業外学習が「楽しい」「やってよかった」と思えるような実践をしていきたい。

・(橋本メソッドの張本人)吉田先生が集中砲火を浴びているようだが、メソッド自体に対する批判のような(笑)。◆
 「するな、するな」。手抜きを容認。「予習しなくても大丈夫」と学生に言う。
 短時間できるような授業設計。

 #義務的ではありませんが、簡単な課題を出す予定です とか?◆
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