「サイン,コサイン,タンジェント:ニュートンムック」
内容:
三角関数とはいったい何なのでしょうか? 三角関数とは簡単にいえば、三角形の角の大きさと、辺の長さとの関係を明らかにする数学であるといえます。
しかし、三角関数は三角形だけに使われるわけではありません。三角関数は、波の性質を調べるのにも役立ちます。そのため、電磁波や音波といった「波」をあつかう物理学や工学においても、三角関数は必要不可欠な存在なのです。
本書では、三角関数がどのように生まれ、どのように発展し、そして現在どのように活用されているのかを、わかりやすくまとめました。「三角関数なんて言葉、はじめて聞く」という方も、「多くの公式や定理を丸暗記したけど、結局よくわからなかった」という苦い思い出をもつ方も、ぜひお手にとってご覧ください。
贅沢な三角関数の本が発売された。月刊誌のほうで三角関数の特集が続いていたので、そろそろニュートンムックが出るのかなと思っていたところだ。
三角関数をこれほど豊富なイラスト付きで解説した本はこれまで見たことがない。高校時代に苦手意識を持っていた人でも再挑戦してみようかと思えるような本である。
高校数学の範囲を超えて三角関数の直交性やフーリエ変換、ジョセフ・フーリエの業績まで解説されているのが特に良いと思った。見開き2ページで紹介されているフーリエの業績の中で紹介されている著書「Theorie de la Chaleur(熱の解析的理論)- 1822年」は2005年に邦訳されていて、その内容は以下の記事で読むことができる。「サイン,コサイン,タンジェント:ニュートンムック」をお読みになった後で、ぜひこの記事もお読みいただきたい。三角関数やフーリエ変換が熱伝導方程式を解くために役立っていることが実際の例で理解できると思う。
熱の解析的理論:ジョゼフ・フーリエ著、ガストン・ダルブー編纂
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/5bcc7bc3efc16463743cd01d3c989622
低い音から高い音まで周波数の成分ごとに表示させるイコライザーやさまざまな音色を出すことのできるシンセサイザー、写真や動画などの圧縮・伸長、ZIP形式によるデータ・ファイルの圧縮が可能になるのも三角関数やフーリエ変換があるおかげだ。本書を読んでフーリエ変換に興味を持った方は次の本をお読みになるとよい。
高校数学でわかるフーリエ変換:竹内淳
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/aa1e79d97684f88319d9d4e96e6a89a3
ニュートンムックのシリーズで高校数学を扱ったものとしては次の2冊がお勧めだ。
「虚数がよくわかる:ニュートンムック」(詳細)
「ニュートンの大発明、微分と積分:ニュートンムック」(詳細)
同じタイミングで発売されたこの本も面白そうだ。
「絵解きパラドックス―思考の迷宮ー奥深き逆説の世界:ニュートンムック」(詳細)
応援クリックをお願いします!
「サイン,コサイン,タンジェント:ニュートンムック」
1 三角関数の誕生前夜
測量と幾何学
三角形の相似
相似とピラミッド
相似と地球の大きさ
2 三角関数の基礎
三角関数の誕生
サイン
サインの値の変化
コサイン
コサインの値の変化
タンジェント
タンジェントの値の変化
もっと知りたい! コラム
「数直線」をすべて埋めつくすのに必要な数 ~無理数とは?~
条件によって変化する変数「x」,一つの値に決まっている定数「a」
ある数に対して,一つの数を返す。その対応関係が「関数」
3 三角関数の重要公式
サインとコサインの関係性
サイン,コサインとタンジェント
ピタゴラスの定理
余弦定理
正弦定理
加法定理 1~3
三角関数とアルマゲスト
プトレマイオス
演習問題
もっと知りたい! コラム
「三平方の定理」を発見したピタゴラスとはどのような人物だったのか?
余弦定理を使って,「トレミーの定理」を証明してみよう
三角関数は何の役に立つ?ー量子力学の現場 執筆 和田純夫
4 「三角形」から「波」へ
三角関数と単位円
さまざまな角度の三角関数
弧度法
サインがつくる曲線
コサインがつくる曲線
タンジェントがつくる曲線
波の基本要素
振幅と周期
波の重ね合わせ
地震波
音波
電磁波1~2
電子の波1~2
もっと知りたい! コラム
「座標」が数式と図形をむすびつけた
三角関数は何の役に立つ?ー音声合成の現場 協力 山岸順一
5 三角関数とフーリエ変換
波で囲まれた世界
サインの微分1~3
コサインの微分
三角関数の積分1~2
三角関数の直交性
フーリエ変換
フーリエ変換の応用
ジョゼフ・フーリエ
もっと知りたい! コラム
関数の「直交性」はベクトルの「直交性」から理解できる
三角関数は何の役に立つ?ー地震動分析の現場 執筆 梶原浩一
6 三角関数 発展編
水谷編集長の三角関数講義 監修・執筆 水谷 仁
レオンハルト・オイラー
資料編
三角関数 定義集
三角関数 重要公式集
三角比の表
内容:
三角関数とはいったい何なのでしょうか? 三角関数とは簡単にいえば、三角形の角の大きさと、辺の長さとの関係を明らかにする数学であるといえます。
しかし、三角関数は三角形だけに使われるわけではありません。三角関数は、波の性質を調べるのにも役立ちます。そのため、電磁波や音波といった「波」をあつかう物理学や工学においても、三角関数は必要不可欠な存在なのです。
本書では、三角関数がどのように生まれ、どのように発展し、そして現在どのように活用されているのかを、わかりやすくまとめました。「三角関数なんて言葉、はじめて聞く」という方も、「多くの公式や定理を丸暗記したけど、結局よくわからなかった」という苦い思い出をもつ方も、ぜひお手にとってご覧ください。
贅沢な三角関数の本が発売された。月刊誌のほうで三角関数の特集が続いていたので、そろそろニュートンムックが出るのかなと思っていたところだ。
三角関数をこれほど豊富なイラスト付きで解説した本はこれまで見たことがない。高校時代に苦手意識を持っていた人でも再挑戦してみようかと思えるような本である。
高校数学の範囲を超えて三角関数の直交性やフーリエ変換、ジョセフ・フーリエの業績まで解説されているのが特に良いと思った。見開き2ページで紹介されているフーリエの業績の中で紹介されている著書「Theorie de la Chaleur(熱の解析的理論)- 1822年」は2005年に邦訳されていて、その内容は以下の記事で読むことができる。「サイン,コサイン,タンジェント:ニュートンムック」をお読みになった後で、ぜひこの記事もお読みいただきたい。三角関数やフーリエ変換が熱伝導方程式を解くために役立っていることが実際の例で理解できると思う。
熱の解析的理論:ジョゼフ・フーリエ著、ガストン・ダルブー編纂
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/5bcc7bc3efc16463743cd01d3c989622
低い音から高い音まで周波数の成分ごとに表示させるイコライザーやさまざまな音色を出すことのできるシンセサイザー、写真や動画などの圧縮・伸長、ZIP形式によるデータ・ファイルの圧縮が可能になるのも三角関数やフーリエ変換があるおかげだ。本書を読んでフーリエ変換に興味を持った方は次の本をお読みになるとよい。
高校数学でわかるフーリエ変換:竹内淳
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/aa1e79d97684f88319d9d4e96e6a89a3
ニュートンムックのシリーズで高校数学を扱ったものとしては次の2冊がお勧めだ。
「虚数がよくわかる:ニュートンムック」(詳細)
「ニュートンの大発明、微分と積分:ニュートンムック」(詳細)
同じタイミングで発売されたこの本も面白そうだ。
「絵解きパラドックス―思考の迷宮ー奥深き逆説の世界:ニュートンムック」(詳細)
応援クリックをお願いします!
「サイン,コサイン,タンジェント:ニュートンムック」
1 三角関数の誕生前夜
測量と幾何学
三角形の相似
相似とピラミッド
相似と地球の大きさ
2 三角関数の基礎
三角関数の誕生
サイン
サインの値の変化
コサイン
コサインの値の変化
タンジェント
タンジェントの値の変化
もっと知りたい! コラム
「数直線」をすべて埋めつくすのに必要な数 ~無理数とは?~
条件によって変化する変数「x」,一つの値に決まっている定数「a」
ある数に対して,一つの数を返す。その対応関係が「関数」
3 三角関数の重要公式
サインとコサインの関係性
サイン,コサインとタンジェント
ピタゴラスの定理
余弦定理
正弦定理
加法定理 1~3
三角関数とアルマゲスト
プトレマイオス
演習問題
もっと知りたい! コラム
「三平方の定理」を発見したピタゴラスとはどのような人物だったのか?
余弦定理を使って,「トレミーの定理」を証明してみよう
三角関数は何の役に立つ?ー量子力学の現場 執筆 和田純夫
4 「三角形」から「波」へ
三角関数と単位円
さまざまな角度の三角関数
弧度法
サインがつくる曲線
コサインがつくる曲線
タンジェントがつくる曲線
波の基本要素
振幅と周期
波の重ね合わせ
地震波
音波
電磁波1~2
電子の波1~2
もっと知りたい! コラム
「座標」が数式と図形をむすびつけた
三角関数は何の役に立つ?ー音声合成の現場 協力 山岸順一
5 三角関数とフーリエ変換
波で囲まれた世界
サインの微分1~3
コサインの微分
三角関数の積分1~2
三角関数の直交性
フーリエ変換
フーリエ変換の応用
ジョゼフ・フーリエ
もっと知りたい! コラム
関数の「直交性」はベクトルの「直交性」から理解できる
三角関数は何の役に立つ?ー地震動分析の現場 執筆 梶原浩一
6 三角関数 発展編
水谷編集長の三角関数講義 監修・執筆 水谷 仁
レオンハルト・オイラー
資料編
三角関数 定義集
三角関数 重要公式集
三角比の表
ありがとうございます。昔の定義は「正」に「弦」だったわけですね。当時の用途としても今の2倍の弦のほうが有用だったことが理解できます。
http://kurobe3463.blogspot.jp/2004/10/trigonometric-sin-cos-tan.html
にありますが、sin の昔の定義は今の倍だったことを合わせますと、まさしく正弦は弦の長さですね。
隙を突かれてしまいました!(笑)
調べてみましたが、次のようになりますかね?
sinはラテン語のsinus:曲がった表面 曲線 褶曲
cosは接頭辞co- は ラテン語のcom-
英語のcomplement の意味で使われる complement 補足して完全にするものなので「余」
sin にたいして co-sin なので
もとを正として sinは「正弦」
tangentはラテン語の tangere tango 触る 接する 堺をなすということで「正接」
余接(cotθ=1/tanθ)、正割(secθ=1/cosθ)、余割(cosecθ=1/sinθ)
余接だけ「割」という字が使われていないが、余弦、余割、余接は余角(角を90°から引いた角)のそれぞれ正弦、正割、正接に等しい。ということで命名規則の整合性がとれる。