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恥ずかしながら僕はこの本や著者のことを知らなかった。「ラムの流体力学」はこの分野におけるバイブル的位置づけなのだそうだが、日本語版がとても希少になっているから見かける機会がなかったからだ。原書版(英語版)はアマゾンで簡単に手に入るのにこれだけの名著の日本語版が絶版になり高値で取引されている状況は「プリンキピア」と同じである。
ラムとは Sir Horace Lamb (1849-1934) のことで、彼が若干30歳の1879年この本の初版は出版された。その後53年間にわたって改訂増補を重ね、その最終決定版である第6版は彼が無くなるわずか2年前の1932年であった。まさしく彼のライフワークである。初版から第6版を日本史に重ねてみると明治12年から昭和7年の53年間ということになる。
邦訳版はこの第6版をベースとし昨日の記事で紹介した今井先生が翻訳された。1978年と1988年に出版され、掲載写真は1988年版のものだ。
特に1988年版のほうは入手が困難で、今日現在アマゾンのマーケットプレイス価格は第1巻(19800円)、第2巻(入手不可)、第3巻(50000円)である。1978年版のほうは各巻7500円~9000円で取引されているようだ。これではいくら僕が物理学書マニアだからといってうかつに手を出せるものではない。こういうときはやっぱり図書館だのみだということで図書館で借りてきたのを文房具屋さんにコピーしてもらった。(コピー代は3巻全部で9000円ほどかかった。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/d4/f628aecbc7514058f0dc028d5059833c.jpg)
いきなりこのような大著を自分が読めるか心配でもあったので、実を言うと昨日紹介した「流体力学(物理テキストシリーズ):今井功著」はそのための予備知識を得るために読んだわけなのだ。大筋さえしっかり学んでおけば、道を見失うことなく読み進むことができるだろう。あと必要なのは関心を持続させることができるかどうかだ。
1930年代以後、流体力学は目覚しい進歩を遂げている。航空、船舶、機械、土木などの工学の各分野をはじめ、気象、海洋を含む地球物理学、宇宙物理学、さらに生物物理学へと応用分野はますます広がっていく。けれども、これらは長い流体力学の歴史に負っているものであり、これを総括するのがラムのこの著書であったのだ。つまり、流体力学の成果を知るには、1930年以前のものに限れば、ラムのこのテキストだけで十分足りるのであり、それがこの著書がバイブルと呼ばれるゆえんなのだ。
参考までに各巻の章立てを紹介しておく。
第1巻(275ページ)
第1章:運動方程式
第2章:特別な場合の方程式の積分
第3章:渦なしの運動
第4章:2次元の液体の運動
第5章:液体の渦なし運動:3次元の問題
第6章:液体中の固体の運動:力学的理論
第7章:渦運動
第2巻(265ページ)
第8章:潮汐波(長い波)
第9章:表面波
第3巻(313ページ)
第10章:膨張波(音波)
第11章:粘性
第12章:回転する流体
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報告かなり遅れましたが、大学合格しました!!
4月からは大学生です~、がんばります♪
コメントもありがとうございました☆
物理・・・流体力学・・・文型の私にはついていけない単語です(笑)。
でもこういう難しそうな本って、読破したときものすごい達成感がありそうですね!(*^-^*)
合格おめでとうございます!
さぞ嬉しかったことでしょう。りんごさんの姿が目に浮かびますよ。(笑)
それにしても合格発表の日程は早いですね。
高校卒業まで友達と目いっぱい楽しんでください。
キャビティ流れ(流力の典型的な問題)を
渦度・流れ関数法で解いたりしました。
流れ場の形が直行してるとExcelで解けたりします。
流体力学については☆さんのほうがお詳しいようですね。
このラムの流体力学は本当に綿密に書かれていて、読んでいて疲れてしまう箇所もあります。
最近数学系の本も読むようになって、流体力学のほうは1巻の半分くらいで止まっています。
なんとか頑張りたいですが、まとまった時間を作るのは本当に大変です。