太田 浩一著
電磁気学の基礎 I
電磁気学の基礎 II
昨年この「電磁気学の基礎I、II」が発売されているのを書店で見つけたとき胸に熱いものがこみ上げてくるのを感じた。物理学コーナーの本棚でおよそ大学の教科書とは似つかない新鮮さとフランスの香りを発散していたからだ。
大学時代に少しの間だけパリに滞在していた僕としては本の細かい内容はともかく、昔なじんだ空気を発するものが物理学書の棚に並んでいるだけで興味深々というところ。ページをめくってみると、電磁気学の数式がまるでダンスをしているようだ。この分野に貢献した物理学者の肖像写真や説明のための図も豊富だ。文章も読者に語りかけているのが一見しただけでわかる。「この本は絶対に読まなきゃ!」と思った。
電磁気学は「ファインマン物理学(3) 電磁気学」や「ファインマン物理学(4) 電磁波と物性」でひととおり学んでいたのと、その頃はすでに朝永先生の「量子力学I」と「量子力学II」に取り組み中だったので、あえて電磁気学に戻ろうという気はおきず、後ろ髪を引かれながらもそのときは買わずに書店を後にした。
ちょうど僕の物理学の記事もアインシュタインの重力場と電磁場を統一する統一場理論に差し掛かっているので、電磁気学のすべてを詳細に解説した教科書が欲しくなっていることと、アマゾンでたまたま格安の中古本を見つけたことが重なり、この機を逃すまいとクリックしたのが昨日僕の手元に届いたので喜々としているところだ。
読まないうちから記事にするのも心苦しいが、良書であるには違いないのでとりあえず紹介することにした。アインシュタイン選集と併読する予定。
本の紹介(アマゾンより)
晴れた空が青いのはなぜだろう? 誰もが抱くこの疑問の答えの中に電磁気学のエッセンスのすべてがひそんでいる。
本書は、できるだけ多くの人に、電磁気学のおもしろさにふれてもらうための入門書であり、電磁気学の基礎がきちんと学べるように構成されている。
第I巻では、クーロン力に基づいて電場を、アンペール力に基づいて磁場を導入し、ファラデイの法則とアンペール・マクスウェルの法則によって電場と磁場を統一し、マクスウェル方程式を完成させるまでを解説する。
第II巻では、マクスウェル方程式を基礎として、電磁波の性質と輻射について学ぶとともに、電磁気学の全体像がより深く理解できるように「相対論」「解析力学」「量子論」を電磁気学の立場から解説する。
中身はこのような雰囲気だ。見た目がやさしい。
本の冒頭に書かれている「晴れた空が青いのはなぜだろう?」に答えているのが第II巻のこのページ。
本の帯に書かれている「読者の声」は次のとおり。
第I巻
- いつも机上に置き、時間があれば開いています。
- 全巻にわたり、考察は厳密で見事である。
- 著者の深い理解と広い教養のおすそわけにあずかれそうな期待がもてて気分が高揚してきました。
- 一読しただけでその徹底さ、ユニークさ、面白さが湧き上がってきて、これならじぶんできちんと勉強すれば空が何故青いかわかろうというもの。
- 文学青年らしい初々しいロマンチックな表現が随所に見られ、非常にユニークな教科書だと思います。
第II巻
- その徹底度に驚嘆させられました。大変な良書だと思います。
- 電磁気の表も裏も書き込まれている。
- 最も感動したのが電磁場の共変形式です。電磁気学はこれほど美しいものなのかと思いました。物理を勉強していて、数式を見て感動したのは初めてです。
- 詳細な索引がついているので、特定の事項について知るための辞典としても本書は役立つ。
- 日本の電磁気学の教科書には見られないユニークな内容にびっくりし、また嬉しくなりました。
第I巻の目次
第1章 空の青,海の青
第2章 電場
第3章 ポテンシャル関数
第4章 導体
第5章 分極
第6章 電流
第7章 磁場
第8章 磁気モーメント
第9章 電流に働く力
第10章 磁化
第11章 変動電磁場
付録A 電磁気学と数学
第II巻の目次
第12章 マクスウェル-ローレンツ理論
第13章 電磁波
第14章 輻射
第15章 電磁気学と相対論
第16章 電磁気学と解析力学
第17章 電磁気学と量子論
第18章 物質中の変動電磁場
付録B 波動
付録C さらに勉強するために
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関連リンク:電磁気学をWebで勉強したい方はこちらでどうぞ。
電磁気学:
http://www.moge.org/okabe/temp/elemag/
EMANの電磁気学:
http://eman-physics.net/electromag/contents.html
電磁気学の基礎 I
電磁気学の基礎 II
昨年この「電磁気学の基礎I、II」が発売されているのを書店で見つけたとき胸に熱いものがこみ上げてくるのを感じた。物理学コーナーの本棚でおよそ大学の教科書とは似つかない新鮮さとフランスの香りを発散していたからだ。
大学時代に少しの間だけパリに滞在していた僕としては本の細かい内容はともかく、昔なじんだ空気を発するものが物理学書の棚に並んでいるだけで興味深々というところ。ページをめくってみると、電磁気学の数式がまるでダンスをしているようだ。この分野に貢献した物理学者の肖像写真や説明のための図も豊富だ。文章も読者に語りかけているのが一見しただけでわかる。「この本は絶対に読まなきゃ!」と思った。
電磁気学は「ファインマン物理学(3) 電磁気学」や「ファインマン物理学(4) 電磁波と物性」でひととおり学んでいたのと、その頃はすでに朝永先生の「量子力学I」と「量子力学II」に取り組み中だったので、あえて電磁気学に戻ろうという気はおきず、後ろ髪を引かれながらもそのときは買わずに書店を後にした。
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本書は、できるだけ多くの人に、電磁気学のおもしろさにふれてもらうための入門書であり、電磁気学の基礎がきちんと学べるように構成されている。
第I巻では、クーロン力に基づいて電場を、アンペール力に基づいて磁場を導入し、ファラデイの法則とアンペール・マクスウェルの法則によって電場と磁場を統一し、マクスウェル方程式を完成させるまでを解説する。
第II巻では、マクスウェル方程式を基礎として、電磁波の性質と輻射について学ぶとともに、電磁気学の全体像がより深く理解できるように「相対論」「解析力学」「量子論」を電磁気学の立場から解説する。
中身はこのような雰囲気だ。見た目がやさしい。
本の冒頭に書かれている「晴れた空が青いのはなぜだろう?」に答えているのが第II巻のこのページ。
本の帯に書かれている「読者の声」は次のとおり。
第I巻
- いつも机上に置き、時間があれば開いています。
- 全巻にわたり、考察は厳密で見事である。
- 著者の深い理解と広い教養のおすそわけにあずかれそうな期待がもてて気分が高揚してきました。
- 一読しただけでその徹底さ、ユニークさ、面白さが湧き上がってきて、これならじぶんできちんと勉強すれば空が何故青いかわかろうというもの。
- 文学青年らしい初々しいロマンチックな表現が随所に見られ、非常にユニークな教科書だと思います。
第II巻
- その徹底度に驚嘆させられました。大変な良書だと思います。
- 電磁気の表も裏も書き込まれている。
- 最も感動したのが電磁場の共変形式です。電磁気学はこれほど美しいものなのかと思いました。物理を勉強していて、数式を見て感動したのは初めてです。
- 詳細な索引がついているので、特定の事項について知るための辞典としても本書は役立つ。
- 日本の電磁気学の教科書には見られないユニークな内容にびっくりし、また嬉しくなりました。
第I巻の目次
第1章 空の青,海の青
第2章 電場
第3章 ポテンシャル関数
第4章 導体
第5章 分極
第6章 電流
第7章 磁場
第8章 磁気モーメント
第9章 電流に働く力
第10章 磁化
第11章 変動電磁場
付録A 電磁気学と数学
第II巻の目次
第12章 マクスウェル-ローレンツ理論
第13章 電磁波
第14章 輻射
第15章 電磁気学と相対論
第16章 電磁気学と解析力学
第17章 電磁気学と量子論
第18章 物質中の変動電磁場
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EMANの電磁気学:
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「日常の疑問」から「宇宙のミステリー」まで解き明かしてくれる物理学にハマっている高校生です・・。
この夏休み中に相対性理論を数式で理解したい、という野望を密かに抱いて勉強中です。
物理専門書を紹介してくれるサイトはなかなか無いので、このブログはとてもありがたいです!(どれも面白そう!)この「電磁気学の基礎ⅠⅡ」も楽しそうですね、出来たらトライしてみたいと思います!
はじめまして!コメントありがとうございます!ミネルヴァさんのブログも読ませていただきました。文章も明晰で、物理学だけではなくいろいろな分野の本を読まれているのに感心しました。すごくいい感じです。
僕がミネルヴァさんの年齢の頃、もちろん科学は好きでしたが物理の素晴らしさはまだ理解できていず、関数電卓を使った天文計算と高校数学に熱中していました。30年前のことです。相対性理論もブルーバックスの本を2冊くらい読んだきりで理解したつもりになっていましたっけ。(笑)
今は当時とくらべものにならないくらい、学びたいと思う者にとっての環境は恵まれています。物理でも何でもそうですが、理解できるようになるかどうかは自分に合った良書に恵まれるかどうかで半分くらい決まってしまいます。インターネットでこのようにお知り合いになって意見交換できるのも、僕の高校時代には考えられないことでした。物理学の良書も少なかったと思いますし。
僕が「相対性理論を数式で理解したい。」という夢を叶えられたのは昨年の暮れでした。「時空の幾何学」という本でしたが。
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ffc643a688ce45dec7460d107fe1392e
けれども、その後EMANさんが「趣味で相対論」という本を出されていますので、こちらのほうがよいかと思います。「趣味で物理学」のほうの「力学」の部分をお読みになってからだと入りやすいでしょう。サイトでお読みになってもいいし、本を買われてもよいと思います。
EMANの物理学:
http://homepage2.nifty.com/eman/
「時空の幾何学」も良書ですが、前半に双曲三角関数がたくさん使われていて、三角関数の計算に慣れていないと手こずるからです。その部分は双曲三角関数を使わなくても学べるのです。
相対性理論の勉強をはじめる前提としては、線形代数(大学教養課程のベクトル、行列計算)、微分、偏微分の意味と計算方法の知識が必要です。(自分ひとりで計算できなくても意味がわかればよいでしょう。)あと物理学では古典力学の知識が必要ですね。
かといって、これらをはじめから勉強すると夏休みまでに相対性理論にたどりつけませんから、EMANの相対性理論を順番に読んでわからないところがでてきたら、その部分に必要な勉強を別の本やサイトで確認すると良いと思います。
あと、相対性理論とは関係ありませんが、物理学入門としてミネルヴァさんに特にお勧めしたいのが「ファインマン物理学1~5」です。これらは大学の教養課程で使う本ですが、とてもユニークで数式も少なく読みやすいですし、読んでいて高揚感に満たされてきます。物理を志してよかったという気分に満たされるはずです。
道のりは長いと思いますが、楽しんで学ぶことが長続きの秘訣です。僕もまだ道半ばですが、なんとか時間をやりくりして「最先端」まで追いつきたいとおもっています。でもたどり着くのが大事なのではなく、その途上で何を経験し、何に感動できるかということのほうが大切なのですよね。
僕の場合、大学を卒業してから20年間全く物理や数学の勉強をしていませんでしたから、今ではこの20年のブランクをもったいなく思っています。(他のことをして充実してはいましたけどね。)ですので、ミネルヴァさんはぜひ継続して勉強を続けてください。
この夏は一緒にがんばりましょう。
学校では「科学って面白いよね!」と語り合える友達がなかなかいないので、こうしてネットを通じてコミュニケーション出来ることは本当に嬉しいです。(そういう意味でも、本当に恵まれているのかもしれません・・。)
『時空の幾何学』・・・スゴイですね、難解ですね(汗)「雲の上」と言う感じ。
ですが、地上から一歩一歩、ネットや「趣味で物理学」や「ファインマン物理学」(是非読みます)といった強い味方の援護を受けながら、階段を上がっていけば「雲の上」にだって辿り着けるんだ、と信じて頑張りたいです!確かに、その階段の途中にも数々の素晴しい発見という「宝物」が落ちているかもしれませんし・・。
何だかやる気が上がってきました!
ミネルヴァさんのお年ですと、まだ数学の知識が足りていないでしょうから、物理学(特に相対性理論)のいかめしそうな数式に最初は戸惑うと思います。
でも、数式表現というものは論理的かつ合理的ですが、感覚的に分かりやすく作られていますので、意味さえしっかりおさえておけば、本来不要な畏怖や幻想を感じる必要はありませんよ。たとえば小学1年生にとって割り算の「÷」と積分記号「∫」は同じ程度に意味不明なはずです。ミネルヴァさんは割り算記号にはもう畏怖や幻想を感じてはいらっしゃいませんよね?そうです。積分記号や偏微分についても同じなのです。割り算記号と同じように「それ以上」の意味はないのです。
相対性理論のいかめしい数式もそれを構成する記号の種類だけとれば、ごくわずかです。それらの意味を理解してしまえば、あとは組み合わせの問題にすぎませんよね。
大学受験するために必要な数学と物理の勉強は、最低限必要な時間だけ苦労してトレーニングする必要がありますが、相対性理論だとか、力学などのように分野を限れば、それに必要な最低限の学習の道筋というのは案外近道があるものです。受験勉強は積み重ねが大切ですが、個人的に趣味で勉強するのでしたら、わからないところはとりあえず放って置いて、わかる部分をどんどん先に進んだほうが、全体として得るものが多いですよ。
決して「雲の上」のことではないと思います。楽しみながら登山を続けられれば、あれっ!というまにある日その雲ははるか下のほうに霞んで見えているかもしれませんよ。
もうひとつ数学のお勧め本を紹介しておきます。「微積分のはなし 上、下」です。
高校生のときに読んだのですが、微積分ってすごいなぁと感動を覚えた数学の読み物です。街の書店でよく見かける微分積分入門の本などよりずーっと奥が深いですよ。偏微分や微分方程式、ラプラス変換など大学の教養課程で習う内容も下巻に含まれています。「とね書店」に入れておきました。
「微積分のはなし 上」大村平著
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22/detail/4817192437/250-0710621-6133068
「微積分のはなし 下」大村平著
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22/detail/4817192445/250-0710621-6133068
この本の準備段階として「関数のはなし 上」、「関数のはなし 下」もありますが、こちらは学校で関数のことが理解できていれば読まなくてもよいと思います。
なるほど、分かりました!微積分も、偏見や思い込みを取り払って、小学生のような「素直な気持ち」で臨もうと思います!
『微積分のはなし』
こういう本を探してました(感涙)教科書読んでも、「ふーん」と言う感じで、いまいち「感覚的」な理解が出来ていなかったので・・是非読みたいです!
それでは、ノートとシャーペンと消しゴムを持って図書館に行ってきます。
> それでは、ノートとシャーペンと消しゴムを持って
> 図書館に行ってきます。
いってらっしゃい!
今日はミネルヴァさんのように科学に関心のある学生を増やそうという意味で、記事をひとつ投稿したので、よろしかったらお読みくださいね。