狭き門より入れ

スペイン在住クリスチャン。聖書にある救いとは?罪の赦しとは? 礼拝などから、福音メッセージを載せています。

イエスキリストの系図 1

2021年02月10日 | 聖書
今回は、イエスキリストの系図についての質問について調べてみました。

1) マタイによる福音書とルカによる福音書でイエスの系図が違っていますが、どちらが、正しいのですか?

これは、どちらも正しいのです。

まず、マタイによる福音書に書かれているのは、イエスの父ヨセフの系図です。
ユダヤ人にとって、キリスト(ユダヤ人にとってのメシヤ)がアブラハムの子孫であり、しかも、ダビデ王の子孫であることは、欠くことができない条件でした。 なぜなら、神様は、旧約聖書において、この二つを条件を満たして、キリストが生まれることを約束されたからです。 けれどもここに、ひとつ問題がありました。
この系図の中には、エコニヤという人がいます。 このエコニヤの父がエホヤキムという王でしたが、彼があまりにも神の前に邪悪だったので、神は預言者エレミヤを通して、エホヤキムの子孫からキリストは出ないと宣言されました。 けれども王位継承権は彼の家系に与えられているのです。
このマタイによる福音書の系図は、ダビデ王の子孫の中でも王位継承者の系図であり、イエスの父、ヨセフはれっきとした王位継承者なのです。ですから、エホヤキムの血を引いてしまっています。
けれども、イエスは、聖霊によって懐妊した処女マリアから生まれたのですから、エホヤキムの血を受け継いだヨセフの血を引いていません。けれども、戸籍では、ヨセフの息子なので王位継承者なのです。

では、ルカによる福音書の系図は、誰のものでしょうか? これはイエスの母、マリアのものです。
“ このヨセフは、ヘリの子であり…“ と、始まっているため、この系図はヨセフの系図だと思ってしまうのですが、ユダヤ人の系図は、男性系図です。 系図の上では跡取りは男の子です。 仮にヘリに息子がいなかったとすれば、ヘリの跡取りはヨセフとなります。 “ ヘリの子“ は実際はマリアでも、系図には男性である、マリアの夫のヨセフが記されるわけです。
さて、この系図によると、マリアもダビデ王の子孫ですが、マリアは、呪われたエホヤキムの血を引いていません。 要するに、イエスは、父方も母方もダビデの子孫ですが、実際にはエホヤキムの血を引かず、戸籍上では、王位継承者ということになったのです。
これで、神様がユダヤ民族に約束された、キリスト(メシヤ)の条件が満たされたことになります。

ヨセフもマリアも、このような神様の緻密なご計画によって婚約に導かれたとは、思ってもみなかったことでしょう。
しかし神様は、現在も、同じような緻密なご計画を持って働いておられます。


(エマオ出版“ルカによる福音書“ 参照)
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