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SAYURI

2005-12-12 01:57:43 | 映画2005
 『北の零年』では小百合を裏切った渡辺謙。ここで名誉挽回するのか?!

 日本文化や日本人の心、はなまちのしきたりなど、「ハリウッドが描いた日本なんて虚構の世界だ」と批判する日本人も多いのだろう。多分、監督もスタッフも出演者も皆十分に納得していたのでしょう。しかし、映画を観る日本の一般庶民にとっては、芸者の世界なんて夢のような世界。多少嘘があろうとも、おかまいなしなのです。所詮、ファンタジーの世界なのですから・・・

 とりあえず予習のつもりでロブ・マーシャル監督の『シカゴ』を観直してから臨みました。もしかしたら共通点が見つかるんじゃないかと思ったのですが、同じ年代という時代設定の他には、カメラのフラッシュくらいだったでしょうか、音も映像もかなり似てましたよ(当たり前ですが)。また、主人公役(『シカゴ』ではゼルウィガー)の内面を表現するための陰と陽。コン・リーの存在も絡んできて、重厚さを増していたように思います。

 この映画にはいくつものサプライズがありましたけど、まずは冒頭から日本語でのスタートです。「字幕版を選んだはずなのに・・・」といきなりのサプライズでした。そして相撲シーン。役所広司の言う「叩き込みが得意」だという小兵の登場です。しかし、彼の大相撲での成績を調べてみると、新入幕以降359勝の内、叩き込みが決まり手となっているのは2勝しかありません(参照:舞の道)。それよりも「八双飛び」や「猫だまし」といった独特の小技を紹介してもらいたかったような気もします。また、インタビュー番組にて工藤夕貴が「意地悪な役だから」と言ってたと思うのですが、全く意地悪じゃないんですよね。これもひとつのサプライズに繋がりました。

 アジアは一つ、国際的な見方をしなければいけないと思いながらも、第二次大戦のシーンになってみると、「中国人女優たちはどういう思いで日本人を演じていたか」と考えてしまいました。「なぜ日本人女優を使わないのか?」という理由も、アジアは仲良くしなければならないなどといったところにあるのかもしれませんね(妄想ですが)。なにしろアジアン・ビューティ、アジエンスなのですから・・・(わけわかりません)。

 蛇足:コン・リーはGong Li と表記することを初めて知りました。ゴンちゃんだったのね。

★★★★・

追記
12月12日発表、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞で助演女優賞にコン・リーが選ばれました。おめでとうございます!
12月13日発表、ゴールデングローブ賞にチャン・ツィイーがノミネート。おめでとうございます。

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73 コメント

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今の私達から見たら (bakabros)
2005-12-12 02:42:51
確かに、“芸者”は一種のファンタジーですね。

一緒に観た京都出身者には違和感あったみたいです。

「知らないのだから、それがおかしいかどうかもわからないのだな」と思いました。

舞さんが叩き込みで二勝されているとの事、勉強になりました。

つっこみどころ満載 (MISAKI)
2005-12-12 06:55:54
つっこみどころ満載でしたね。



最初に主人公達が漁港から連れて行かれるシーンからしてもう日本じゃない。外国の森だよねと思いました。

かき氷の下が何でワッフルコーンなの?とか(笑)

踊りもハリウッドのショウダンス?

これは、日本じゃないアメリカ人が見たアジアをイメージした架空の世界だと思うしかないですね。



チャンツィーの「おっ姉さん」の言い方を思わずまねしてしまいました。

役所さんと工藤さんがすばらしい脇をかためていたので、それに救われました。



この題材をハリウッドが撮ったという意義は大きかったのでしょうけれど・・・

もしできたら日本人監督が撮った「SAYURI」を観てみたいです。
ファンタジー (kossy)
2005-12-12 08:22:18
>bakabros様

俺もさっぱりわかりません・・・

テレビや映画でも、この映画のようなコンセプトのものは少なそうだし、その点では画期的なことだと思います。

舞さんの記述は原作に合わせただけなのかもしれませんね。



>MISAKI様

いや~、つっこみといえば、日本人で青い目してたら、何かありますよね。病気なのか、暗い歴史があったのかなど。



日本が撮ったら、考証ばかりが先にきて、上手いこと表現できないかもしれませんよね。むしろ、ハリウッドだからこそ出来た作品かと思うのですが・・・
英語 (しんちゃん)
2005-12-12 13:03:23
 アメリカ製作の映画だから英語は当たり前だよね(笑)この映画は英語で本当によかったと思いました



アメリカ製作の映画ではフランスもドイツもロシアも・・・みんな英語話してるんだもん、至極当たり前のことです



 確かに「北の零年」での懺悔をこの映画で果たしたような気分かも(爆)カキ氷をあげることで?(⌒▽⌒)アハハ!



冒頭文に爆笑 (更紗♪)
2005-12-12 13:49:37
しちまいましたよ~

この映画は「さゆり」に対する懺悔だったのね(笑)



私も芸者さんについて詳しく知っているわけではないけれど

確かに違和感はありました。

でもどこのインタビューでは「これは日本というよりもアジアだ」って感じの発言を皆していたので、その辺りはあまり気にしていませんでしたが

あの「華おどり」の舞はどうかと・・・

確かに綺麗だったけど芸者が踊る舞ではないだろうと思ったり

後「畳みの淵を踏んで歩くな」とかね



でも、映像美その他に満足しました。
英語 (kossy)
2005-12-12 18:06:33
>しんちゃん様

まじで吹替え版を選んでしまったんじゃないかと焦ってしまいましたです。

英語じゃないと、面白さがでないはず。

そう信じて観にいきましたもん。

ところどころで日本語があったので面白かったですね。



>更紗♪様

懺悔されてましたね~きっちりと、それも黙って・・・

違和感がアリアリなのは作戦なんですよね、きっと。

この過剰なまでの違和感攻撃によって、日本人はノックアウトされました。う~む、やるなぁ。



畳の縁はね・・・『あげまん』でもちゃんと教育してましたよね。座り方立ち方はちょっと柔道っぽかった・・・
こんにちは♪ (ミチ)
2005-12-12 19:22:43
この映画、「こんなニッポンありえねーー」って怒りまくっている方と、「ま、いいんじゃないの?」って寛容な方と分かれていますね~。

外国人の手にかかるとヘンなニッポンはいつものことですから、この作品に関しては寛容で通しました(笑)

キリがなくなるもん・・・。
へんなニッポン (kossy)
2005-12-12 19:53:12
>ミチ様

そうですよね。

ツッコミどころってのは少ないときほど見つけるのが楽しい。

だから『ラストサムライ』なんかは結構つっこめた(笑)

俺みたいに記憶力が弱いと、ツッコミ箇所を覚えきれません!!
サプライズ (charlotte)
2005-12-12 21:07:59
こんにちは!

おかぼ…っていうのはなっち(戸田女史)の独自の命名(訳)ですかね?…まず、それにサプライズ!

それとサユリが「延さんを連れてきて」と頼んだのに会長さん連れてきたおかぼにサプライズ。…女はやっぱ意地悪ですね~(恐)

個人的にはラストキスがサプライズだったのですが…

幻想的な世界に現実逃避でき、洋画でよかった…と思いました(笑)
Unknown (えふ)
2005-12-12 21:18:32
工藤夕貴のしうちに、

やっぱ女の世界は怖い!と痛感しました(^^;;

そしてやっぱ謙さんはかっこよかった(o^-^o)

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