Ali'i Drive Breeze

The Big Island
ハワイ島で体験した思い出を写真とともに綴る旅日記

ビーチ69<Beach 69> 2

2007年02月19日 | コハラコースト地区




[ 砂浜にて 2003年3月10日 ]


シュノーケリングを楽しんだ後、海から上がり木陰で休んでいると、
私たち夫婦から少し離れた砂浜に、褐色に日焼けしたロコらしい女性が、
ゴールデン・レトリヴァーを連れてやってきました。
犬は喜び勇んで砂浜を駆け出して行き、
彼女は波打ち際に近い砂浜にバスタオルを広げると、着ていたパーカーと短パンを脱ぎ、
白のビキニ姿に!
砂浜に、レジャー・シートやABCストアで売っているようなゴザではなく、
バスタオルを直接敷くなんて、
やはり日本人とは感覚が違うのかなと思いながら見ていると・・・
「あれっ・・・!?」と、さらに気になることが・・・。
よく見ると、彼女のお腹は丸々と膨らんでいます。
そう! 彼女は妊婦さんだったのです

私たちを気にするでもなく、当然のようにお腹を出して寝転ぶ彼女。
最初は、大胆だなぁと少し驚いたけれど、だんだんと良いことのように思えてきました。
お腹の中の子供と一緒に、波の音を聞きながら太陽の光を全身に浴びて過ごす
『なんと健康的で、素敵なひと時なのだろう・・・。』

ハワイの自然に囲まれて暮らすということは、こういうことなんだろうなぁ・・・
などと感慨にふけっていると、
さっきまで離れたところを駆け回っていたゴールデン・レトリヴァーが
突如私たちのほうへ
猛然と駆け寄ってくるので、「おいおい、なにするつもりだ?」と思っていると、
彼女に呼ばれて急にUターン。
後ろ足が跳ね上げた砂が私たちに!!
その後も、何度か私たちのそばまで駆け寄っては呼び戻され、
そのたびに砂を跳ね上げながら去って行くのには参りました。



夕暮れ前、そろそろ引き上げようかと私たちが荷物をまとめていると、
彼女の背後に、がっしりとした身体の男性が近付いてきました。
彼は声をかけ、彼女の手をとり立ち上がらせると、後ろからそっとハグ。
どうやら、仕事を終えた夫が妻を迎えに来たという事のようでした。
ゴールデン・レトリヴァーは、「ボクも構ってよ!」というように尻尾を振りながら、彼らの周りを飛び跳ねていました。
幸せそうな家族の傍らを通り過ぎ、私たち夫婦はビーチ69を後にしました。



[ 砂浜にて 2004年1月8日 ]

再び訪れたビーチ69.
珊瑚礁のまわりで熱帯魚を見ながらのシュノーケリング、ウミガメとのランデブーを楽しんだ後、
お腹が空いたので、昼食にとアイランド・ラバ・ジャバでテイクアウトしたサンドウィッチを食べることに。
木陰で潮騒を聞きながら、食事をしていると
小学生くらいの男の子二人、女の子一人の兄弟妹がやって来ました。
そして、彼らの足元には体長40センチくらいの一匹の黒い子犬が・・・!

「まさかあの子犬、私たちのところに駆け寄って来たりはしないだろうなぁ?」と、
前回このビーチを訪れた時、犬に砂をかけられたことを思い出し警戒の目で見ていると、
こちらにはお構いなく、子供たちと子犬は楽しそうに砂浜を駆け回りはじめました。
子犬は盛んに尻尾を振りながら、子供たちの間を行ったり来たり。

結局、近寄ってくることも砂をかけられることも無くランチを食べ終えることができ、
安心して彼らを見守ることに。
すると、一番上のお兄ちゃんが、駆け回っている子犬を呼び寄せました。
嬉しそうに近寄ってきた子犬を、両腕で抱え上げるとクルリと向きを変え、お兄ちゃんは海に入って行こうとします。
その途端、子犬の態度が豹変!
彼の腕から逃れようと懸命にもがきだします。
それでも、お兄ちゃんはしっかりと抱えたまま、一歩一歩海の中へ。
子犬は悲鳴のような鳴き声を上げています。



何事だろうと見ていると、お兄ちゃんは腰を屈め子犬を海の中へ。
手を離すと同時に、海水に浸かった子犬は脱兎のごとく砂浜にかけ戻り、
キャンキャンと鳴きながら一目散に逃げ去ります。
そのうしろを弟と妹が、「待てー!」と、追いかけていきます。

子犬は、彼らから離れて立っていた女性の足元に駆け寄りました。
どうやら、子供たちの母親のようです。
彼女は笑いながら、子犬の頭を撫で抱きかかえると、子供たちと一緒に波打ち際へと近付いて来ました。
漏れ聞こえてくる彼らの会話から、海を怖がる子犬を慣れさせるために連れて来たようだとわかりました。
確かに、私たちが見ている間、子犬は砂浜を駆けているだけで、波打ち際にさえ近付こうとはしませんでした。

「なるほど。」と納得しながら見ていると、母親から子犬を受け取ったお兄ちゃんが、
再び海に入って行こうとします。
子犬は「誰も助けてくれないのか!?」と言わんばかりに刹那げな鳴き声を上げ、
後ろ足をバタバタさせます。
それでもお兄ちゃんは構わずに、さっきよりも深いところまで連れて行こうとします。
子犬にしてみれば、たまったものではありません。
懸命に頭を振りながら鳴き声を上げ、身体をよじり、手足をバタつかせ逃れようとしますが、
後ろ足はすでに海水に・・・。
さらに一歩、二歩とお兄ちゃんが進み、波が腰の辺りに当たるところで立ち止まりました。
砂浜に立って見ている母親のほうを向き、このあたりでいいかと訊ねます。
母親が、「いいわよ!」とサインを送ります。
お兄ちゃんは子犬を抱えたまま、少しずつ体を海に沈めていきます。
ついに、子犬にとって試練の時が!!
その傍らに弟と妹が寄って来て、三人で何か話し合っています。
首から下が海に浸かった子犬の鳴き声がひときわ高まった時、子供たち三人が声を合わせて、
「Three! Two!」と、カウントダウン。
「One!!」の掛け声と同時に、お兄ちゃんが手を放しました。



一度沈みかけた子犬は、なんとか頭だけを海面に出し、
誰に教えられたわけでもない犬掻きを懸命にしはじめました。
妹は手を叩いて子犬を応援し、お兄ちゃんと弟は岸のほうへと追い立てます。
子犬にしてみれば生きるか死ぬかの瀬戸際
必死で水を掻いて、少しずつ砂浜に向かって泳ぎます。

ようやく砂地に足が着いたらしく、一気に加速して砂浜に駆け上がり、ブルブルッと身震い。
水気を飛ばしてから母親の元に駆け戻ります。
子供たちも母親のもとに集まり、交互に犬の頭や背中を撫でていました。

しばらくすると、子供たちがまた子犬を連れて海に入りました。
今度は大した抵抗を見せることなく、子犬は子供たちと一緒に泳ぎはじめました。
どうやら、試練を乗り越えたようでした

痛々しいまでに必死で抵抗していた子犬の姿がおかしくて、ついつい見入ってしまいました。



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