Ali'i Drive Breeze

The Big Island
ハワイ島で体験した思い出を写真とともに綴る旅日記

ハワイ島初ドライブは、キング・カメハメハズ コナ・ビーチ・ホテルへ。

2012年10月22日 | カイルア・コナ地区

以下は、2001年のエピソードです。


「ハワイ島で、クルマ運転するつもりある?」

仕事から帰ってくるなり、妻が息せき切って話し始めた。
「は?なに?いきなり・・・。」
「だから、キンカメに4泊したら、レンタカーが無料なんだって!」

大概の場合、妻の話は途中から始まる。
その前段は、口にする前に頭の中で話し終わっているらしい。

だからぼくは、きまって妻の話を整理しなければならない。

つまりは、こういうことだ。
かねてより予定していた4泊6日のハワイ島旅行。
ツアーではなく自分たちで手配しようと、
航空券は、JALの早割悟空で購入(当時)。
宿泊先は、キング・カメハメハズ・コナ・ビーチ・ホテル(略してキンカメ)に決め、
妻がホテルの日本窓口に電話したところ、
4泊以上なら、
レンタカー代が無料(保険・ガソリン代は別)になるサービスがあると言われた。

だから、ハワイ島でドライブするつもりがあるなら、
レンタカーが無料で借りられるよと、言いたかったわけだ。

「ハワイ島でクルマを運転するの?ぼくが?」
「そう。」
満面に笑みを浮かべる妻。
すでに頭の中では、助手席に座ってハワイ島ドライブを楽しんでいる画が、浮かんでいるようだ。

だが、ぼくは海外どころか、国内でさえほとんど運転をしたことがない。
国内でレンタカーを借りてドライブしたことはあるが、それも片手で数えられるほど。
ほぼペーパー・ドライバーだ。
「大丈夫かな?」つい不安が口をついて出たが、
「あ、平気平気。ハワイ島は運転し易いんだって。」と、
正真正銘100%ペーパードライバーの妻が、気楽に言う。

「でも、運転はいいにしても、たしか給油はセルフじゃなかった?
 自分で給油なんてしたことがないよ。」
「それも、大丈夫だって。ガイドブックに書いてある通りにやれば問題ないって、
 窓口の女性が言ってた。」どうやら、妻の中では、
ハワイ島でドライブすることが、既成事実となっているようだ・・・。

というわけで、ぼくたちがハワイ島をドライブするようになったのは、
キング・カメハメハズ・コナ・ビーチ・ホテルのレンタカー無料サービスがキッカケでした。

 

2001年6月30日午前9時30ごろ

ハワイ島、コナ国際空港に到着。
(まだ、9・11前だったので)空港前にレンタカー会社がズラリ。
予想外に閑散とした中、ナショナル・レンタカーのカウンターへと向かい、
ホテルの予約時に送られてきたConfirmationを見せ、
保険を申し込んだだけで、すぐにクルマまで案内され乗り込むことが出来た。

ところが、初めて左ハンドルの座席に座った途端、パニックに。
キーを差し込んだまではいいのだが、
(あれ?サイド・ブレーキがない。いや、シフト・レバーもない。
 あれ、どういうことだ?あれれ?)
一瞬にして大量の汗が噴き出す。
「どうしたの?クルマ出せないの?」
「いや、ちょっと待って。おかしいなぁ。」
焦りながらも、落ち着けと自分に言い聞かせる。
これまで運転したクルマにはどれも、
助手席との間にシフト・レバーとサイド・ブレーキがあった。
それが見当たらない。
そんなことはありえないのに、見つからない。
(もしかして、アメリカの車には無いものなのか?
 そんなバカな・・・。
 いや、だめだ、だめだ。
 このままじゃ、とても運転なんてできない。ここは、一息入れよう。)
いったんクルマを降り、落ち着くために胸ポケットからタバコを取り出した。
「ねぇ、大丈夫?」
ぼくの焦りの何分の1も理解していない妻の一言にも、
「ちょっと待ってて。とりあえず、一服させて。」と気持ちを静めながら答える。
クルマまで案内してくれた受付の女性も、今更ながら一服し始めた様子を訝りつつ、
カウンターへと引き返して行った。
(まさか、シフト・レバーが見つからないんですけど?なんて英語で訊けないし、
 そんなことを訊こうものなら、そもそも運転ができるのか?と、疑われてしまいそうだ。)
などと考えてしまい、かえって何も言えなくなってしまった。

まぶし過ぎるハワイの日差しを浴びながらタバコを吸い終え、
風に揺れるヤシの葉を見上げ、ひとつ深呼吸をして、再び運転席に。
とりあえず、一つ一つ指さし確認してみることに。
(これがハンドル。これはワイパー・レバー。ウィンカーは、これ・・・あれ?
 なんだ、このレバーは?何か書いてある。NとDとRと・・・)
「おおっ!!こんなところに?!」
シフト・レバーは、ハンドル脇にあった!
(じゃあ、ブレーキは?)
さすがにサイド・ブレーキはハンドル周りに見当たらない。
(待てよ。)
と、ここで足元へと視線を向けると、
フットペダルが3つあることに気づいた。
(このクルマはオートマ車だから、アクセルとブレーキ2つだけのはず。
 もう1つがクラッチじゃないとしたら、なんだ?)
と思いながら強く踏み込んでみると何かが外れたような感覚が。
そこで、もう一度踏み込んでみて分かった。
「おおっ!これがそうか!」
サイド・ブレーキもフット式だったのだ!
(こういうタイプのクルマもあるんだ。)と、この時初めて知った。


すでに20分が経過。
精神的にかなり疲れた気がしているものの、それでも気力を奮い、
「じゃ、そろそろ行きますか。」とエンジンをかけ、クルマを発進させた。
助手席で、妻が安堵の溜息をもらした。
ようやく空港を後にし、19号線へ。

まだ午前中だが、アーリー・チェック・インが出来ればと期待を込め、
空港から13キロ先のホテルへまっすぐ向かうことにした。

何年振りかの運転。
初めての左ハンドル。
初めての海外ドライブ。
いきなりのハイウェイ。
標識は英語。

緊張感は拭えないが、いざ走り始めるとすんなり運転できていることに、
自分自身が一番驚いていた。
うろ覚えの地図を頼りにカイルア・コナへ直行。
ホテルの正面玄関まで、無事に到着できた。

フロントにはチェック・アウト中の日本人が。

だが、わずか13キロの距離を走っただけにもかかわらず、
ホテルに到着した時点で本当に精根尽き果てたぼくは、ぐったり。
ロビーのソファに腰を下ろした瞬間、すべての気力が失せてしまった。
時刻は午前11時前。
「さすがに、チャック・インはまだ無理だろうから、ここでしばらく休ませて。」



館内に流れているスローなハワイアン・ソングを聞きながら、しばし休憩することに。
と、ここで、妻が珍しく積極的な行動に出た。
チェックイン出来るかどうか聞いてみるというのだ。
「ぼくは、いま頭が働かないから何もできないよ。」
「いいから、そこで休んでて。」
そう言い置いて、妻はホテルのフロントへ。
「エクスキューズ・ミー!」
なんと、英語で声を掛けている。
初めてみる妻の姿に、軽く驚きを感じながら見守っていると、
あっさり、「誰か日本語の話せる人はいませんか?」と片言の英語で聞いている。
それでもフロントの男性スタッフには通じたらしく、
ちょっと待つように言って、スタッフルームに消えた。
さすがキンカメ。
すぐに日本語のできるスタッフが出てきて、
部屋の用意はできているので、チェックインは可能だと言われている。

やがて、チェック・インを済ませた妻が、
スタッフと一緒に僕のところへやって来た。
「お車ですが・・・」
スタッフから宿泊者の駐車の仕方について説明された。
「ビジターには有料ですが、
 宿泊者用には専用カードがありますので、これを使えば出入りは自由です。
 一応係員もいますので、分からなければ、カードを見せてください。」
という説明を受けた。

緊張感から解放された反動で、
できることなら、すぐにでもベッドに倒れこみたいくらい疲労を感じていたが、
もちろんホテルの玄関前にクルマを置いたままにしておくわけにはいかず、
駐車カードを受け取ると、すぐ移動することに。



とりあえず、ゲート脇にいたスタッフにカードを見せると、
代わりにカードを使って開けてくれた。
(なるほど、そうやればいいのか)と、カードの使い方を把握し、
駐車スペースへ。
木陰がいいだろうと思い、空いていた木の下にクルマを停めておいた。

(これでようやく部屋で休める。)
かつてないほどの安堵感でクルマを降りた。

こうして、ぼくたちのハワイ島でのドライブ旅が始まったのでした。
この時をきっかけに、ハワイ島での行動範囲が広がり、自ら運転して周る楽しみが増えました。

ところで、木の下にクルマを停めた翌日、鳥のフンがフロントにいっぱい落ちていました。
以後は、木の下は避けてクルマを停めることに。

ALOHA!

なお、ホテルは総額3500万ドルを費やした大規模な改装を経て、
マリオットグループのコートヤードバイマリオット・キングカメハメハズ・コナビーチホテルと、さらに名前が長くなって、
2011年にリニューアル・オープンしています。

 

*お薦めの1枚

アロハ・ヘヴン~ハワイアン・デイズ~
ハワイのトップ・ミュージシャンばかりに よる極上の楽園サウンドを厳選したアルバム。
ケアリイ・レイシェル、ナレオ、マカナ、ライアテア、マウナルア、
ナタリー・アイ・カマウウ、大御所ブラザーズ・カジメロやマノアDNA、
要注目のロパカ、ことカウマカイワ・カナカオレ等、ハワイの人気ミュージシャンばかり。
ビクターエンタテインメント


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2 コメント

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Unknown (おーくま)
2012-10-22 18:02:59
こんにちわ。
ブログランキングで「ハワイ初ドライブ、、」というのを見て来ました。

前の職場でハワイへの海外出張になり、国際免許証を取らされ、レンタカーを運転することになりました。しかもいきなりスタッフ大勢乗せたバンをですよ。責任重大。

恐れていた右側通行は案外大丈夫でしたね。交差点で曲がると一瞬「こっちの車線でいいのかな?」と不安になったりしますが。

ハワイの高速道路は状態が悪いですね。日本ではとても考えられない。

私は時差ぼけがひどくて運転つらかったです。

ハワイ好きの方に悪いんですけれど、私はハワイは二度と行きたくありません。時差ぼけはつらいし、人が冷たいんですよね。駐車場のお姉ちゃんが何か言うので聞き返したら「ちっ」という感じで黙って通したりして。こいつ言葉通じないんだ、という感じで。食べ物も東南アジアのようにおいしくはありません。

まあそれも今はなつかしく思います。

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それは残念! (コナ)
2012-10-23 01:25:30
おーくまさん、コメントありがとうございました。

出張で、いきなり運転させられたのですか?
それは大変でしたね。

>時差ぼけはつらいし、人が冷たいんですよね。

たしかに、時差ボケでの運転はつらいですよね。(笑)
おーくまさんがどの島で運転されたのか分かりませんが、ハワイ島は、ハイウェイも走りやすいし、ぼくは幸いなことに、様々な場面で現地の人に親切にしてもらえましたよ。

>ハワイ好きの方に悪いんですけれど、私はハワイは二度と行きたくありません。

そんなことおっしゃらずに、一度プライベートでハワイ島を訪れてみてください。もしかすると、おーくまさんのハワイのイメージが、ガラリと変わるかもしれませんよ。
ALOHA!
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