ウチごはん&ソトごはん

今日なに食べた?

【天栄村殺人事件(未遂)】(3) ナイナイナイ、故意じゃない♪ 

2009-10-10 07:21:37 | 旅行記
どうも、カンザワです。

【天栄村殺人事件(未遂)】(1)
【天栄村殺人事件(未遂)】(2)
の続き。



なんとか山荘にたどり着いた我々、部屋に荷物を運び終えると、


「カンちゃん、ちょっと」
まっさきにおこぜ氏が案内してくれたのは、

おまるが置いてある場所と、使い方の説明であった★


どんな代物かというと、

椅子のようなものに吸水シートが敷いてあり、
使用後は袋ごと外して、口を縛って汚物入れへポイと捨てるだけ。


ふうむ、最近はこういうものがあるのか~



それはさておき、さっっさと夕飯の準備にかからねば★


まずは〆鯖の仕込みにとりかかり、

ひと段落したとき、ふと気づくと家のなかに人の気配がない。


おこぜ氏もイタバシも、外の工事の様子を見に行ったらしい。



…………


チャーンス★

尾篭な話で恐縮だが、

そそそっと、おまる室に行き、用を足してみた。



まぁ、思ったよりも不便ではない。

ないのだが、問題は消音できないことである。

すっかり水洗トイレに慣れきった身としては、
消音できないのはどうもねぇ…。
身内はともかく、他人の耳が気になってしまう。
まぁ、あちらも聞きたくないだろうが。

また、使用済みシートはたしかに簡単に始末できるのだが、
やっぱりナマあたたかいわけでして…
それがどうもねぇ…。


今はいいが、お酒を呑めばトイレの回数も増えるわけで…

うーみゅ、どうしたものかのう


ま、ここまで来てしまったからには、なるようになるしかない。
問題は先送りにして、とりあえずは夕飯作りだ。


気を取り直して、次は豚しゃぶの出汁を作りますか~~と、
鍋を見渡して愕然。

手ごろな大きさの鍋がないじゃん

たしか、鍋だけはいろいろ揃っていると言ってたはず。

「おこぜ氏、鍋ってここにあるのだけ?」

台所の窓のまえに井戸があるので、
そこにいるであろうおこぜ氏に話しかける。

「うん、そうだよ」
「豚しゃぶするのに、手ごろな大きさの鍋がないんだけど…」

「え? どれどれ」

窓から覗き込んだどぶ総帥に、
町内会の祭とかで使いそうな直径50~60センチくらいの大きなアルミ鍋、
業務用の寸胴鍋と見せ、
「あとはこれだけ」と、
直径18センチくらいの鍋ふたつを見せると、

「あはは」と苦笑いしたあと、

どぶ総帥が真面目な顔してこう言ったのだった。

「カンちゃん、ここの水、どこから引いてあるのか調べてるけどわからんけ。浄水したあと沸騰させたほうがいいぞ」

え……

水もダメなの~~~~!?


トイレも風呂もない、
固定電話もない、
携帯電話もつながらない、
そして水も飲めない。

ついでにいうと、お湯も出ない

洗い物は、すべて水。
これが結構、冷たいので油モノを洗うのが大変なのだ。

プロパンガスも契約してないので、
ガスは卓上コンロが2台だけなのは、まぁいいとして、

土鍋もなければ、すき焼き鍋もない

「すき焼きとかもいいな~」って、

おこぜ氏のリクエスト通りすき焼きにしてたら、
どうするつもりだったのかしらん?

フライパン!?


実は前日、スーパーへ買出しに行った際、

カンザワ「あのさ…すき焼きもいいな~ってメールに書いてあったんだけど、すきやき鍋、あると思う?」

当然、あるはずだよなぁと思うものの、ふと不安に。

イタバシ「うーん…ないかもな~。たぶん、ないんじゃないか?」
カンザワ「土鍋はあるのかな?」
イタバシ「いや~~~、ないかもな。ウチのを持ってくか?」
カンザワ「だったら、安い土鍋を買ってプレゼントしちゃいたいくらいだけど~。でも今日、荻窪のSEIYUまで買いに行く時間がないよ~!!」

と、二人で話していたのだ。

結局、土鍋もすき焼き鍋もない場合を想定して、
とりあえず普通の鍋でもできる豚しゃぶに決定したのだが、
ものの見事、不安的中★


でもまさか、ちょうどいい大きさの鍋までないとは…。

そして、さらには……

皿もぜんぜん足りない


♪ナイナイナイ、故意じゃない。

思わず、口ずさんでしまったカンザワでした。



嗚呼、そうと知っていれば100円ショップで買っておいたのに…。

とにかく、ある器を全部洗って総動員しても足らず、

足りない分は、どぶ総帥が奥様から
「いざとなったらこれで食いつなげ」
と渡されたというセットに入っていた、保存用容器を使わせていただくことに

ちなみに、どぶ総帥はカンザワとイタバシが泊まりに来ることを
ご存知なかったらしい。
いや、泊まりに来るかもとは聞いていたらしいが、
状況がよくわからなかったらしい。

我が家もよくわからん状況でこの日を迎えたのは、どぶ総帥同様。

ちょっと仕事が忙しい時期だったので、
直前にキャンセルすべきか迷ったのだが…。


ホストのおこぜ氏、
どぶ総帥のご飯はどうするつもりだろうか…と不安になり、
これは、なにがなんでも行かねばと思ったのだった★


そして、そのとき、ついに私は考え方を大きく変えた。



そうだ、これはキャンプだ。
キャンプに来たのだと思おう



キャンプだと思えば、
トイレや風呂がないのも、
お湯が出ないのも、
水を沸騰させてから料理に使用しなくちゃならないのも、
鍋や食器が足りないのも当たり前。


これは田舎暮らしというより、サバイバルなのだ。


というわけで、
朝、大急ぎで作った鰯の梅煮や煮物、
わかめのキンピラなどは当然、タッパのまま食卓へ~♪
自家製の漬物と、豆腐の味噌漬けも。

しかし、やっぱ睡眠時間削って作ってきてよかったわ。


ちなみにどぶ総帥の食いつなげセットに入っていた、出汁醤油と、
キッチンペーパー、非常に助かりました。
総帥夫人、ありがとう




そして、宴タイム。
生もとのどぶで乾杯~♪

豚しゃぶは18センチ鍋2つを使用したのだが、

5人だったのでかえって食べやすく、これぞ怪我の功名!?

「この豚、うまい~~~」

たいそう好評で、よかった~とほっと一安心していると、

「いやー、すまん」と総帥。

「カンちゃんのこと見直した。
 外食の記事が多いから、旨いもんはよく食べてるけど、
 料理は作れないんだろうって思ってたよ」と、総帥。

そういえば、外食のほうも更新が滞ってるくらいなので、
ウチごはんブログ、ちっとも書いてないですものね。

「今回はカンちゃんが来てくれて本当、助かったよ。
 食事はどうなるんだろうって心配だったんだよー」

どぶ総帥のお言葉に、
瑠璃色どぶレンジャー隊員の不肖カンザワ、
お役に立ててよかった。
こんな山奥まで来てよかったーとしみじみ思うのだった。


「でも、バシバシはなんもしてないよな」
そう言うおこぜ氏に、
「俺がいなかったら、カンちゃんひとりじゃここに来れなかったの! 俺はずーっと運転してきたの」
とイバるイタバシ。
「わかった、イタバシえらい!」

というや、「イタバシ、肉!!」

一番年上であるはずのおこぜ氏は、
この日、30歳以上若いヨッシイよりも旺盛な食欲を見せ、
イタバシに鍋に肉を投入するよう命令(笑)

おこぜ氏、こんなに食べる方だったけ?





そして、はじまるフォークソング♪

「ヨッシイ、もっと大きな声で歌え~」
どぶ総帥の指導が入り、がんばるヨッシイ。

本当なら、田舎でのんびり骨休みしているはずだったのにね~★

油断大敵、

出たとこ勝負。


人生、いつなにが起こるかわからんね。


そして大いに酔っ払い、みんなでざこ寝★
(おこぜ氏はベッドであるが)



酔っ払ってるうちに、カンザワの誕生日は終了していたのだった。

たった一日でずいぶん逞しくなったような?



それにしても、おこぜ氏とは出会って6年ほどになるが、

この物件には脱帽。

ここって、「ちょっと田舎暮らしがしたくなったから…」と、

軽い気持ちで借りるようなレベルじゃないですぞ。


普通の人は借りないというか、

借りてもすぐに挫折しちゃうだろうなっていう、

超ハイレベルな田舎暮らし



私なぞは、東京から天栄村までたどり着くだけで精一杯という感じ。

もし、怪我や病気しても、クルマで3分下らないと救急車も呼べないし(汗)

一番近所の家までも、歩いていったらかなりの距離。

いままで、ひとりで滞在中に不安に思うことはなかったんだろうか?


恐るべき、体力。
人間力である。


おこぜ氏と比べたら、
カンザワなんてひ弱もひ弱。
虚弱体質である。


そう思い知らされる、もっと楽しく過酷な二日目が待っているのだった。

(つづく)

【天栄村殺人事件(未遂)】(2)まさかの高速道路閉鎖と峠攻め

2009-10-10 02:06:22 | 旅行記
どうも、カンザワです。


【天栄村殺人事件(未遂)】(1)
の続き。




9月8日、天栄村を目指して荻窪を出発した我々。

思いのほか都内をスムーズに横切り、

「私、悪いけどちょっと寝るね~」

1時間しか寝てなかったカンザワ、
助手席のシートを倒してまどろんでいたのだが、

「あれ…なんか景色の雰囲気変わった?
 ここって東京なの?」

思わず起き上がり、窓からキョロキョロ見渡すと、
電柱の看板に和光市とある。

荻窪から意外に近いのね、と新たな発見。


東北自動車道に乗ったら、あとはぶーんと白河ICまで行くだけ。

…のはずであったのだが。



助手席で眠ったり起きたりしているうちに、黒磯SA到着。

ここから先は、那須IC、白河ICと、あともう一息だ。


なんか軽く食べようか…と相談していたときだった。


「11時から13時まで黒磯から○○区間、全面通行止めとなります」

館内のアナウンスに、

「はい~?」
「マジかよ~」

時刻は10時45分。

完全に足止め状態となったわけである。


…こんなことなら、あと2時間寝とけばよかった!!

仕方ないのでクルマのなかで爆睡。

イタバシが運転のまま白河ICで東北自動車道を降り、
天栄村を目指したのだった。



ちなみに天栄村があるのは、

天栄村HPのアクセス情報によると、

東北自動車道の

郡山南I.Cからクルマで約30分
須賀川I.Cからクルマで約20分
矢吹I.Cからクルマで約15分
白河I.Cからクルマで約30分

という場所に位置している。

あれ…?

おこぜ氏から送っていただいた地図の指図通りに行ったのだが、
白河のひとつ先、矢吹ICからのほうが近いんじゃん!

と、今これを書きながら気づいた


さて、そうとは知らずに白河ICで降りた我々、

羽鳥湖を目指して37号線をひた走ったのだが…。


長野の山道には慣れている我々ですが、

途中からカーブがすごくて~~~~!!


「イニシャルD」かと思った。

頭文字D 39 (ヤングマガジンコミックス)
しげの 秀一
講談社

このアイテムの詳細を見る


峠を攻めまくり★


「こんなところに本当にリゾートがあるの?」
「みんな、そんなに運転が上手いのかなぁ?」
「私が運転じゃなくてよかった~~!」


などとひとりで助手席で盛り上がっているうちに、
無事に羽鳥湖に到着。
トイレ休憩をして物産コーナーを眺めるが、
特に買いたいものもなく…。

天栄村の山荘に向かったのだが……



さらに険しく見通しの悪いカーブ!

すれ違うことが不可能な真っ暗なトンネル!!


クラクションを鳴らしながらカーブやトンネルに突入していく★


カンザワ人生で一番すごかった山道、

宮崎県から熊本県への山道体験を思い出した。
(この道、イタバシも私より数年前に体験済みで、
この日の夜、どぶ総帥も体験していることが判明。
3人で盛り上がった★)


あのときも無事にたどり着けるのか、ものすごい不安になったが、

それよりはマシなものの、
運転するだけでヘトヘトじゃん!

私ひとりじゃ、絶対に天栄村にたどり着けないよ!!


「ぎゃー、なんではみだしてくるの?」

へたくそな対向車に騒ぐカンザワに、
イタバシが「ちょっと静かにして」とマジギレモード。

こえええ~~!

カーブも対向車も恐いが、イタバシもコワッ。



しかも最後の最後で迷いに迷い、

やっとのことで山荘に到着。



なんで迷いに迷っていたかというと、実はこの山荘、

トイレもねぇ~
電話もねぇ~
おまけに携帯つながらねぇ~、のだ。

クルマで3分ほど下って、ようやく携帯圏内となる。


おら、こんなとこいやだ~♪
おら、こんなとこいやだ~♪
東京へけえるだぁ~~~♪


ついでにいうと、風呂もありません

ただし、天栄村は「森と湖といで湯の里」だそうで、
温泉はいろいろあるらしい。


そして一足早く到着していた、どぶ総帥とその部下ヨッシイは、
すでに井戸の小屋の工事にとりかかっていたのでした。

なにかの補修をするとは聞いてはいましたが、

補修とかのレベルじゃないじゃん。

本格的な工事じゃん!!

「これを修理するなんて、無茶なのでは?」


あまりにボロボロな惨状は、想像不可能。

ここで諦めてしまったほうが、いいのでは…と思ったが、

途中、すでにホームセンターで資材を購入してしまったらしい。


うう、お疲れさま。


ちなみに写真は翌日の午前中に撮影したもの。


9月8日、カンザワが写真撮影したのは食事後半のシーンだけである。

どんだけ余裕がなかったか…

あらためて、写真の少なさにびっくりしている次第。

しかし、さすがマイペースの先生はちがう。
いや、マイペースというよりも、

このあと、そもそも体力が違いすぎる

ということに気づくことになるのだが…。


「もう3時だから、風呂に行くなら行こうか。温泉、16時30分までだから」

「いや~今朝、シャワー浴びたからいいです」


総帥を残して、我々だけ風呂なんて…入れないす。


それに〆鯖に取り掛からねばならないし。

さてさて!!

では私は夕飯の準備をせねば~と台所へ行くと……


(つづく)