どうも、カンザワです。
【天栄村殺人事件(未遂)】(1)
【天栄村殺人事件(未遂)】(2)
の続き。
なんとか山荘にたどり着いた我々、部屋に荷物を運び終えると、
「カンちゃん、ちょっと」
まっさきにおこぜ氏が案内してくれたのは、
おまるが置いてある場所と、使い方の説明であった★
どんな代物かというと、
椅子のようなものに吸水シートが敷いてあり、
使用後は袋ごと外して、口を縛って汚物入れへポイと捨てるだけ。
ふうむ、最近はこういうものがあるのか~
それはさておき、さっっさと夕飯の準備にかからねば★
まずは〆鯖の仕込みにとりかかり、
ひと段落したとき、ふと気づくと家のなかに人の気配がない。
おこぜ氏もイタバシも、外の工事の様子を見に行ったらしい。
…………
チャーンス★
尾篭な話で恐縮だが、
そそそっと、おまる室に行き、用を足してみた。
まぁ、思ったよりも不便ではない。
ないのだが、問題は消音できないことである。
すっかり水洗トイレに慣れきった身としては、
消音できないのはどうもねぇ…。
身内はともかく、他人の耳が気になってしまう。
まぁ、あちらも聞きたくないだろうが。
また、使用済みシートはたしかに簡単に始末できるのだが、
やっぱりナマあたたかいわけでして…
それがどうもねぇ…。
今はいいが、お酒を呑めばトイレの回数も増えるわけで…
うーみゅ、どうしたものかのう
ま、ここまで来てしまったからには、なるようになるしかない。
問題は先送りにして、とりあえずは夕飯作りだ。
気を取り直して、次は豚しゃぶの出汁を作りますか~~と、
鍋を見渡して愕然。
手ごろな大きさの鍋がないじゃん
たしか、鍋だけはいろいろ揃っていると言ってたはず。
「おこぜ氏、鍋ってここにあるのだけ?」
台所の窓のまえに井戸があるので、
そこにいるであろうおこぜ氏に話しかける。
「うん、そうだよ」
「豚しゃぶするのに、手ごろな大きさの鍋がないんだけど…」
「え? どれどれ」
窓から覗き込んだどぶ総帥に、
町内会の祭とかで使いそうな直径50~60センチくらいの大きなアルミ鍋、
業務用の寸胴鍋と見せ、
「あとはこれだけ」と、
直径18センチくらいの鍋ふたつを見せると、
「あはは」と苦笑いしたあと、
どぶ総帥が真面目な顔してこう言ったのだった。
「カンちゃん、ここの水、どこから引いてあるのか調べてるけどわからんけ。浄水したあと沸騰させたほうがいいぞ」
え……
水もダメなの~~~~!?
トイレも風呂もない、
固定電話もない、
携帯電話もつながらない、
そして水も飲めない。
ついでにいうと、お湯も出ない
洗い物は、すべて水。
これが結構、冷たいので油モノを洗うのが大変なのだ。
プロパンガスも契約してないので、
ガスは卓上コンロが2台だけなのは、まぁいいとして、
土鍋もなければ、すき焼き鍋もない
「すき焼きとかもいいな~」って、
おこぜ氏のリクエスト通りすき焼きにしてたら、
どうするつもりだったのかしらん?
フライパン!?
実は前日、スーパーへ買出しに行った際、
カンザワ「あのさ…すき焼きもいいな~ってメールに書いてあったんだけど、すきやき鍋、あると思う?」
当然、あるはずだよなぁと思うものの、ふと不安に。
イタバシ「うーん…ないかもな~。たぶん、ないんじゃないか?」
カンザワ「土鍋はあるのかな?」
イタバシ「いや~~~、ないかもな。ウチのを持ってくか?」
カンザワ「だったら、安い土鍋を買ってプレゼントしちゃいたいくらいだけど~。でも今日、荻窪のSEIYUまで買いに行く時間がないよ~!!」
と、二人で話していたのだ。
結局、土鍋もすき焼き鍋もない場合を想定して、
とりあえず普通の鍋でもできる豚しゃぶに決定したのだが、
ものの見事、不安的中★
でもまさか、ちょうどいい大きさの鍋までないとは…。
そして、さらには……
皿もぜんぜん足りない
♪ナイナイナイ、故意じゃない。
思わず、口ずさんでしまったカンザワでした。
嗚呼、そうと知っていれば100円ショップで買っておいたのに…。
とにかく、ある器を全部洗って総動員しても足らず、
足りない分は、どぶ総帥が奥様から
「いざとなったらこれで食いつなげ」
と渡されたというセットに入っていた、保存用容器を使わせていただくことに
ちなみに、どぶ総帥はカンザワとイタバシが泊まりに来ることを
ご存知なかったらしい。
いや、泊まりに来るかもとは聞いていたらしいが、
状況がよくわからなかったらしい。
我が家もよくわからん状況でこの日を迎えたのは、どぶ総帥同様。
ちょっと仕事が忙しい時期だったので、
直前にキャンセルすべきか迷ったのだが…。
ホストのおこぜ氏、
どぶ総帥のご飯はどうするつもりだろうか…と不安になり、
これは、なにがなんでも行かねばと思ったのだった★
そして、そのとき、ついに私は考え方を大きく変えた。
そうだ、これはキャンプだ。
キャンプに来たのだと思おう
キャンプだと思えば、
トイレや風呂がないのも、
お湯が出ないのも、
水を沸騰させてから料理に使用しなくちゃならないのも、
鍋や食器が足りないのも当たり前。
これは田舎暮らしというより、サバイバルなのだ。
というわけで、
朝、大急ぎで作った鰯の梅煮や煮物、
わかめのキンピラなどは当然、タッパのまま食卓へ~♪
自家製の漬物と、豆腐の味噌漬けも。
しかし、やっぱ睡眠時間削って作ってきてよかったわ。
ちなみにどぶ総帥の食いつなげセットに入っていた、出汁醤油と、
キッチンペーパー、非常に助かりました。
総帥夫人、ありがとう
そして、宴タイム。
生もとのどぶで乾杯~♪
豚しゃぶは18センチ鍋2つを使用したのだが、
5人だったのでかえって食べやすく、これぞ怪我の功名!?
「この豚、うまい~~~」
たいそう好評で、よかった~とほっと一安心していると、
「いやー、すまん」と総帥。
「カンちゃんのこと見直した。
外食の記事が多いから、旨いもんはよく食べてるけど、
料理は作れないんだろうって思ってたよ」と、総帥。
そういえば、外食のほうも更新が滞ってるくらいなので、
ウチごはんブログ、ちっとも書いてないですものね。
「今回はカンちゃんが来てくれて本当、助かったよ。
食事はどうなるんだろうって心配だったんだよー」
どぶ総帥のお言葉に、
瑠璃色どぶレンジャー隊員の不肖カンザワ、
お役に立ててよかった。
こんな山奥まで来てよかったーとしみじみ思うのだった。
「でも、バシバシはなんもしてないよな」
そう言うおこぜ氏に、
「俺がいなかったら、カンちゃんひとりじゃここに来れなかったの! 俺はずーっと運転してきたの」
とイバるイタバシ。
「わかった、イタバシえらい!」
というや、「イタバシ、肉!!」
一番年上であるはずのおこぜ氏は、
この日、30歳以上若いヨッシイよりも旺盛な食欲を見せ、
イタバシに鍋に肉を投入するよう命令(笑)
おこぜ氏、こんなに食べる方だったけ?
そして、はじまるフォークソング♪
「ヨッシイ、もっと大きな声で歌え~」
どぶ総帥の指導が入り、がんばるヨッシイ。
本当なら、田舎でのんびり骨休みしているはずだったのにね~★
油断大敵、
出たとこ勝負。
人生、いつなにが起こるかわからんね。
そして大いに酔っ払い、みんなでざこ寝★
(おこぜ氏はベッドであるが)
酔っ払ってるうちに、カンザワの誕生日は終了していたのだった。
たった一日でずいぶん逞しくなったような?
それにしても、おこぜ氏とは出会って6年ほどになるが、
この物件には脱帽。
ここって、「ちょっと田舎暮らしがしたくなったから…」と、
軽い気持ちで借りるようなレベルじゃないですぞ。
普通の人は借りないというか、
借りてもすぐに挫折しちゃうだろうなっていう、
超ハイレベルな田舎暮らし
私なぞは、東京から天栄村までたどり着くだけで精一杯という感じ。
もし、怪我や病気しても、クルマで3分下らないと救急車も呼べないし(汗)
一番近所の家までも、歩いていったらかなりの距離。
いままで、ひとりで滞在中に不安に思うことはなかったんだろうか?
恐るべき、体力。
人間力である。
おこぜ氏と比べたら、
カンザワなんてひ弱もひ弱。
虚弱体質である。
そう思い知らされる、もっと楽しく過酷な二日目が待っているのだった。
(つづく)
【天栄村殺人事件(未遂)】(1)
【天栄村殺人事件(未遂)】(2)
の続き。
なんとか山荘にたどり着いた我々、部屋に荷物を運び終えると、
「カンちゃん、ちょっと」
まっさきにおこぜ氏が案内してくれたのは、
おまるが置いてある場所と、使い方の説明であった★
どんな代物かというと、
椅子のようなものに吸水シートが敷いてあり、
使用後は袋ごと外して、口を縛って汚物入れへポイと捨てるだけ。
ふうむ、最近はこういうものがあるのか~
それはさておき、さっっさと夕飯の準備にかからねば★
まずは〆鯖の仕込みにとりかかり、
ひと段落したとき、ふと気づくと家のなかに人の気配がない。
おこぜ氏もイタバシも、外の工事の様子を見に行ったらしい。
…………
チャーンス★
尾篭な話で恐縮だが、
そそそっと、おまる室に行き、用を足してみた。
まぁ、思ったよりも不便ではない。
ないのだが、問題は消音できないことである。
すっかり水洗トイレに慣れきった身としては、
消音できないのはどうもねぇ…。
身内はともかく、他人の耳が気になってしまう。
まぁ、あちらも聞きたくないだろうが。
また、使用済みシートはたしかに簡単に始末できるのだが、
やっぱりナマあたたかいわけでして…
それがどうもねぇ…。
今はいいが、お酒を呑めばトイレの回数も増えるわけで…
うーみゅ、どうしたものかのう
ま、ここまで来てしまったからには、なるようになるしかない。
問題は先送りにして、とりあえずは夕飯作りだ。
気を取り直して、次は豚しゃぶの出汁を作りますか~~と、
鍋を見渡して愕然。
手ごろな大きさの鍋がないじゃん
たしか、鍋だけはいろいろ揃っていると言ってたはず。
「おこぜ氏、鍋ってここにあるのだけ?」
台所の窓のまえに井戸があるので、
そこにいるであろうおこぜ氏に話しかける。
「うん、そうだよ」
「豚しゃぶするのに、手ごろな大きさの鍋がないんだけど…」
「え? どれどれ」
窓から覗き込んだどぶ総帥に、
町内会の祭とかで使いそうな直径50~60センチくらいの大きなアルミ鍋、
業務用の寸胴鍋と見せ、
「あとはこれだけ」と、
直径18センチくらいの鍋ふたつを見せると、
「あはは」と苦笑いしたあと、
どぶ総帥が真面目な顔してこう言ったのだった。
「カンちゃん、ここの水、どこから引いてあるのか調べてるけどわからんけ。浄水したあと沸騰させたほうがいいぞ」
え……
水もダメなの~~~~!?
トイレも風呂もない、
固定電話もない、
携帯電話もつながらない、
そして水も飲めない。
ついでにいうと、お湯も出ない
洗い物は、すべて水。
これが結構、冷たいので油モノを洗うのが大変なのだ。
プロパンガスも契約してないので、
ガスは卓上コンロが2台だけなのは、まぁいいとして、
土鍋もなければ、すき焼き鍋もない
「すき焼きとかもいいな~」って、
おこぜ氏のリクエスト通りすき焼きにしてたら、
どうするつもりだったのかしらん?
フライパン!?
実は前日、スーパーへ買出しに行った際、
カンザワ「あのさ…すき焼きもいいな~ってメールに書いてあったんだけど、すきやき鍋、あると思う?」
当然、あるはずだよなぁと思うものの、ふと不安に。
イタバシ「うーん…ないかもな~。たぶん、ないんじゃないか?」
カンザワ「土鍋はあるのかな?」
イタバシ「いや~~~、ないかもな。ウチのを持ってくか?」
カンザワ「だったら、安い土鍋を買ってプレゼントしちゃいたいくらいだけど~。でも今日、荻窪のSEIYUまで買いに行く時間がないよ~!!」
と、二人で話していたのだ。
結局、土鍋もすき焼き鍋もない場合を想定して、
とりあえず普通の鍋でもできる豚しゃぶに決定したのだが、
ものの見事、不安的中★
でもまさか、ちょうどいい大きさの鍋までないとは…。
そして、さらには……
皿もぜんぜん足りない
♪ナイナイナイ、故意じゃない。
思わず、口ずさんでしまったカンザワでした。
嗚呼、そうと知っていれば100円ショップで買っておいたのに…。
とにかく、ある器を全部洗って総動員しても足らず、
足りない分は、どぶ総帥が奥様から
「いざとなったらこれで食いつなげ」
と渡されたというセットに入っていた、保存用容器を使わせていただくことに
ちなみに、どぶ総帥はカンザワとイタバシが泊まりに来ることを
ご存知なかったらしい。
いや、泊まりに来るかもとは聞いていたらしいが、
状況がよくわからなかったらしい。
我が家もよくわからん状況でこの日を迎えたのは、どぶ総帥同様。
ちょっと仕事が忙しい時期だったので、
直前にキャンセルすべきか迷ったのだが…。
ホストのおこぜ氏、
どぶ総帥のご飯はどうするつもりだろうか…と不安になり、
これは、なにがなんでも行かねばと思ったのだった★
そして、そのとき、ついに私は考え方を大きく変えた。
そうだ、これはキャンプだ。
キャンプに来たのだと思おう
キャンプだと思えば、
トイレや風呂がないのも、
お湯が出ないのも、
水を沸騰させてから料理に使用しなくちゃならないのも、
鍋や食器が足りないのも当たり前。
これは田舎暮らしというより、サバイバルなのだ。
というわけで、
朝、大急ぎで作った鰯の梅煮や煮物、
わかめのキンピラなどは当然、タッパのまま食卓へ~♪
自家製の漬物と、豆腐の味噌漬けも。
しかし、やっぱ睡眠時間削って作ってきてよかったわ。
ちなみにどぶ総帥の食いつなげセットに入っていた、出汁醤油と、
キッチンペーパー、非常に助かりました。
総帥夫人、ありがとう
そして、宴タイム。
生もとのどぶで乾杯~♪
豚しゃぶは18センチ鍋2つを使用したのだが、
5人だったのでかえって食べやすく、これぞ怪我の功名!?
「この豚、うまい~~~」
たいそう好評で、よかった~とほっと一安心していると、
「いやー、すまん」と総帥。
「カンちゃんのこと見直した。
外食の記事が多いから、旨いもんはよく食べてるけど、
料理は作れないんだろうって思ってたよ」と、総帥。
そういえば、外食のほうも更新が滞ってるくらいなので、
ウチごはんブログ、ちっとも書いてないですものね。
「今回はカンちゃんが来てくれて本当、助かったよ。
食事はどうなるんだろうって心配だったんだよー」
どぶ総帥のお言葉に、
瑠璃色どぶレンジャー隊員の不肖カンザワ、
お役に立ててよかった。
こんな山奥まで来てよかったーとしみじみ思うのだった。
「でも、バシバシはなんもしてないよな」
そう言うおこぜ氏に、
「俺がいなかったら、カンちゃんひとりじゃここに来れなかったの! 俺はずーっと運転してきたの」
とイバるイタバシ。
「わかった、イタバシえらい!」
というや、「イタバシ、肉!!」
一番年上であるはずのおこぜ氏は、
この日、30歳以上若いヨッシイよりも旺盛な食欲を見せ、
イタバシに鍋に肉を投入するよう命令(笑)
おこぜ氏、こんなに食べる方だったけ?
そして、はじまるフォークソング♪
「ヨッシイ、もっと大きな声で歌え~」
どぶ総帥の指導が入り、がんばるヨッシイ。
本当なら、田舎でのんびり骨休みしているはずだったのにね~★
油断大敵、
出たとこ勝負。
人生、いつなにが起こるかわからんね。
そして大いに酔っ払い、みんなでざこ寝★
(おこぜ氏はベッドであるが)
酔っ払ってるうちに、カンザワの誕生日は終了していたのだった。
たった一日でずいぶん逞しくなったような?
それにしても、おこぜ氏とは出会って6年ほどになるが、
この物件には脱帽。
ここって、「ちょっと田舎暮らしがしたくなったから…」と、
軽い気持ちで借りるようなレベルじゃないですぞ。
普通の人は借りないというか、
借りてもすぐに挫折しちゃうだろうなっていう、
超ハイレベルな田舎暮らし
私なぞは、東京から天栄村までたどり着くだけで精一杯という感じ。
もし、怪我や病気しても、クルマで3分下らないと救急車も呼べないし(汗)
一番近所の家までも、歩いていったらかなりの距離。
いままで、ひとりで滞在中に不安に思うことはなかったんだろうか?
恐るべき、体力。
人間力である。
おこぜ氏と比べたら、
カンザワなんてひ弱もひ弱。
虚弱体質である。
そう思い知らされる、もっと楽しく過酷な二日目が待っているのだった。
(つづく)