先日、ブログに竹鶴のにごり酒のことを書きしたが、
広島竹原市「竹鶴 純米にごり酒」「竹鶴 雄町純米にごり酒」
2003年春に、広島竹原市の竹鶴酒造に酒造りの見学に行く機会がありました。
せっかく広島の竹原市へ行ったので、ついでに尾道界隈を旅行したのですが、いまでも思い出す味の数々…。
せっかく思い出したついでに、現在でも記憶に残っていることだけ書いておきます。旅行されるときの参考になれば嬉しいです。といっても、1年半前のことになるので、だいぶ記憶があやふや、現在とは状況が変わっているかも知れませんが。
この旅行でひとつだけあげろといわれれば、
尾道市の「魚信(うおのぶ)」という料亭旅館です。もう、信じられないくらい料理が出てくる! いまでも思い出すと、すごく興奮してしまう…。
「魚信」と尾道の紹介については、魚信のHPの紹介を引用させていただきます。
-------- 「魚信」のHP紹介から ----------
しまなみ海道の玄関口で、坂の町、文学の町、映画の町として知られ
さらには瀬戸内の豊かな魚介類が揚がる尾道。そんな尾道で「魚信」
は代々から受け継いだ味を守り、今に伝えております。
オコゼの薄造り、雲丹飯等、本格派料亭ならではの料理をお出しいた
します。
お部屋は、目の前が尾道水道です。のんびりと行き交う舟を眺め、波
の音を聞きながらごゆっくりとおくつろぎくださいませ。
------------------------------
竹鶴酒造の見学が決まってから、即予約しました。とにかく名物のオコゼ料理が食べたい。予約してみると、1泊二食付きで1人2万円ちょっと。値段も手ごろです。
「魚信」宿泊料金&飲み物料金はコチラ
数奇屋造りの旅館は、いい感じに古びています。窓から連絡線が定期的に行きかうのが見えて、とてものんびりとした気分でお茶と銘菓「淡月」をいただきました。結構、おいしかったような…。
さて、お風呂に入ってさっぱりしたところで、いよいよ夕飯。オコゼです。
いきなり豪勢です。オコゼの薄作り、鯛の刺身が出てきました。お酒がすすんでしまう…。
この後の展開を知らない私たち、「おいしいね~」と上機嫌で余裕をかましてました。
えーっと、念のために言っておきますが写真の料理はすべて一人前です。二人でシェアとか一切ありません。もちろん、お椀や皿が小さいわけではない…。もう、この頃にはおなかぱんぱん! メインはいつ出るんだろう…と不安になってました。
これも一人前。うま~い。でも、気絶しそう…。
酒を飲んで、「おなかがいっぱいではない」と思い込もうと努力する。
ようやく、名物のオコゼの唐揚げが登場!
もうおなかいっぱいでしたが、とてもおいしかったです。
しかし、腹いっぱい。とても座っていられません。
女将さんが料理を運んで来てくれたのですが、女将さんが部屋から出て行った途端にばたんと横に倒れていたくらい、腹ぱんぱん。あ~幸せ。「幸せでおなかがぱんぱんで、つらいよお~」と叫んだことを覚えている。
そして、これまた名物のウニごはん。腹すっぱんぱんでしたが、おいしかったです。根性で食べました。もちろん、フルーツも。
これで一泊二食付き2万円ちょっとだなんて、安すぎます。
しかし、カンザワはこれでおしまいじゃなかったのでした…。
--------------------
「ご満足いただけましたか?」
お皿を下げにいらした、女将さんに聞かれ、
「はい、もちろんです。ぜんぶおいしいし、すごい量ですね。オナカいっぱいになりました」
女将さん、にこにこと私たちの話を聞いた後、
「お客さん、お酒が好きなのね」
と、一言。お客さん、というのはカンザワのことである。
「ええ、すみません。のん兵衛で…」
「そうなの。だったら、後で飲みにいらっしゃい」
へ?
どこへ?
きょとんとしているワタシに、女将さんが言った。
「片付け終わった後、私たち下で食事しているから、よかったら飲みにいらっしゃい」
「はぁ…」
このときは、胃袋に血液集中していたので、いつもより反応がだいぶ鈍かったワタシ。
しかし30分後――。
少し腹がこなれてきた。となると、やっぱ飲みに行っちゃおうかなぁ…なんてのん兵衛の血が騒ぐ。
「下に行って来ていい? せっかく誘ってもらったし…」
「え? 本当にいくのか? …あんまり遅くなるなよ」
「はーい」
こういうときの返事は我ながら、とてもいいなと思いつつ、下へ降りていく。下に下りて行けばわかるだろうと思っていたんだけど、しーんと鎮まりかえっていて人の気配がない。
うーん…。
もっとちゃんと聞いておけばよかったなぁ…。
仕方ない、引き返そう。
くるりと方向転換した途端に、女将さんとバッタリ。
「あら、本当に来たの?」
ふふふ、と女将さんが笑った。
「ちょうどこれから食事になるところよ。さぁ、いらっしゃい、いらっしゃい。いままでいろんな方を誘ったけど、本当に来たのはあなたがはじめてよ」
(え? そうなの?)
まずいことしちゃったかしら。
「どうぞ、どうぞ」と背中を女将さんに押され、応接室みたいな部屋へ。そこには従業員女性が二名か三名いただろうか、大きな鍋がカセットコンロの火で暖められ、おかずがテーブルに載せられていた。
「お鍋、食べる?」
「いえ、もう~おなかいっぱいで」
「ちょっとぐらいなら食べられるでしょ」
他の従業員の方がお椀によそってくれたので、またまた食べるカンザワ。うー、さすがに入らん。でも気合いで一口、ふた口食べます。
「お酒は私と一緒でいい?」
銘柄は忘れましたが、女将さんのお気に入りだというお酒をいただきました。
おなかいっぱいだけど、お酒は入っちゃうんだよなぁ…不思議。
そうこうしているうちに、従業員の方たちは食べ終わった順に「お先に失礼します」と帰っていく。で、最後は女将さんと二人で飲みました。どのくらい飲んだんだろう? 遠慮せずに、いただいちゃった。最初は尾道観光について話してたのに、だんだん人生話。いろいろ話せて、すごく楽しかった。
「あまり遅くなると、ご主人が心配してるだろうから。でも、こうやって飲みに行かせてくれるなんて、いいご主人ね。大事にしなくちゃだめよ」
と、誉められて、いい気分のまま部屋に戻ったのでした。
旅館に泊まって、こんな濃い思い出ができたのは、私もはじめて。
翌日、
「あら、昨日撮影してくれたら、着物だったのに~。朝は洋服なのよ」
という女将さんと、記念撮影。
ばっちり着物姿の女将さんとも撮影させてもらえばよかったな。
ちなみに、写真とともに送った令状がHPの「ご宿泊の感想」に載ってます。旅館に令状を書いたのは、これがはじめてでした。
ワタシ、この日のことは一生覚えているだろうな…。
【魚信】
広島県尾道市久保2丁目27番6号
0848-37-4175
広島竹原市「竹鶴 純米にごり酒」「竹鶴 雄町純米にごり酒」
2003年春に、広島竹原市の竹鶴酒造に酒造りの見学に行く機会がありました。
せっかく広島の竹原市へ行ったので、ついでに尾道界隈を旅行したのですが、いまでも思い出す味の数々…。
せっかく思い出したついでに、現在でも記憶に残っていることだけ書いておきます。旅行されるときの参考になれば嬉しいです。といっても、1年半前のことになるので、だいぶ記憶があやふや、現在とは状況が変わっているかも知れませんが。
この旅行でひとつだけあげろといわれれば、
尾道市の「魚信(うおのぶ)」という料亭旅館です。もう、信じられないくらい料理が出てくる! いまでも思い出すと、すごく興奮してしまう…。
「魚信」と尾道の紹介については、魚信のHPの紹介を引用させていただきます。
-------- 「魚信」のHP紹介から ----------
しまなみ海道の玄関口で、坂の町、文学の町、映画の町として知られ
さらには瀬戸内の豊かな魚介類が揚がる尾道。そんな尾道で「魚信」
は代々から受け継いだ味を守り、今に伝えております。
オコゼの薄造り、雲丹飯等、本格派料亭ならではの料理をお出しいた
します。
お部屋は、目の前が尾道水道です。のんびりと行き交う舟を眺め、波
の音を聞きながらごゆっくりとおくつろぎくださいませ。
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竹鶴酒造の見学が決まってから、即予約しました。とにかく名物のオコゼ料理が食べたい。予約してみると、1泊二食付きで1人2万円ちょっと。値段も手ごろです。
「魚信」宿泊料金&飲み物料金はコチラ
数奇屋造りの旅館は、いい感じに古びています。窓から連絡線が定期的に行きかうのが見えて、とてものんびりとした気分でお茶と銘菓「淡月」をいただきました。結構、おいしかったような…。
さて、お風呂に入ってさっぱりしたところで、いよいよ夕飯。オコゼです。
いきなり豪勢です。オコゼの薄作り、鯛の刺身が出てきました。お酒がすすんでしまう…。
この後の展開を知らない私たち、「おいしいね~」と上機嫌で余裕をかましてました。
えーっと、念のために言っておきますが写真の料理はすべて一人前です。二人でシェアとか一切ありません。もちろん、お椀や皿が小さいわけではない…。もう、この頃にはおなかぱんぱん! メインはいつ出るんだろう…と不安になってました。
これも一人前。うま~い。でも、気絶しそう…。
酒を飲んで、「おなかがいっぱいではない」と思い込もうと努力する。
ようやく、名物のオコゼの唐揚げが登場!
もうおなかいっぱいでしたが、とてもおいしかったです。
しかし、腹いっぱい。とても座っていられません。
女将さんが料理を運んで来てくれたのですが、女将さんが部屋から出て行った途端にばたんと横に倒れていたくらい、腹ぱんぱん。あ~幸せ。「幸せでおなかがぱんぱんで、つらいよお~」と叫んだことを覚えている。
そして、これまた名物のウニごはん。腹すっぱんぱんでしたが、おいしかったです。根性で食べました。もちろん、フルーツも。
これで一泊二食付き2万円ちょっとだなんて、安すぎます。
しかし、カンザワはこれでおしまいじゃなかったのでした…。
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「ご満足いただけましたか?」
お皿を下げにいらした、女将さんに聞かれ、
「はい、もちろんです。ぜんぶおいしいし、すごい量ですね。オナカいっぱいになりました」
女将さん、にこにこと私たちの話を聞いた後、
「お客さん、お酒が好きなのね」
と、一言。お客さん、というのはカンザワのことである。
「ええ、すみません。のん兵衛で…」
「そうなの。だったら、後で飲みにいらっしゃい」
へ?
どこへ?
きょとんとしているワタシに、女将さんが言った。
「片付け終わった後、私たち下で食事しているから、よかったら飲みにいらっしゃい」
「はぁ…」
このときは、胃袋に血液集中していたので、いつもより反応がだいぶ鈍かったワタシ。
しかし30分後――。
少し腹がこなれてきた。となると、やっぱ飲みに行っちゃおうかなぁ…なんてのん兵衛の血が騒ぐ。
「下に行って来ていい? せっかく誘ってもらったし…」
「え? 本当にいくのか? …あんまり遅くなるなよ」
「はーい」
こういうときの返事は我ながら、とてもいいなと思いつつ、下へ降りていく。下に下りて行けばわかるだろうと思っていたんだけど、しーんと鎮まりかえっていて人の気配がない。
うーん…。
もっとちゃんと聞いておけばよかったなぁ…。
仕方ない、引き返そう。
くるりと方向転換した途端に、女将さんとバッタリ。
「あら、本当に来たの?」
ふふふ、と女将さんが笑った。
「ちょうどこれから食事になるところよ。さぁ、いらっしゃい、いらっしゃい。いままでいろんな方を誘ったけど、本当に来たのはあなたがはじめてよ」
(え? そうなの?)
まずいことしちゃったかしら。
「どうぞ、どうぞ」と背中を女将さんに押され、応接室みたいな部屋へ。そこには従業員女性が二名か三名いただろうか、大きな鍋がカセットコンロの火で暖められ、おかずがテーブルに載せられていた。
「お鍋、食べる?」
「いえ、もう~おなかいっぱいで」
「ちょっとぐらいなら食べられるでしょ」
他の従業員の方がお椀によそってくれたので、またまた食べるカンザワ。うー、さすがに入らん。でも気合いで一口、ふた口食べます。
「お酒は私と一緒でいい?」
銘柄は忘れましたが、女将さんのお気に入りだというお酒をいただきました。
おなかいっぱいだけど、お酒は入っちゃうんだよなぁ…不思議。
そうこうしているうちに、従業員の方たちは食べ終わった順に「お先に失礼します」と帰っていく。で、最後は女将さんと二人で飲みました。どのくらい飲んだんだろう? 遠慮せずに、いただいちゃった。最初は尾道観光について話してたのに、だんだん人生話。いろいろ話せて、すごく楽しかった。
「あまり遅くなると、ご主人が心配してるだろうから。でも、こうやって飲みに行かせてくれるなんて、いいご主人ね。大事にしなくちゃだめよ」
と、誉められて、いい気分のまま部屋に戻ったのでした。
旅館に泊まって、こんな濃い思い出ができたのは、私もはじめて。
翌日、
「あら、昨日撮影してくれたら、着物だったのに~。朝は洋服なのよ」
という女将さんと、記念撮影。
ばっちり着物姿の女将さんとも撮影させてもらえばよかったな。
ちなみに、写真とともに送った令状がHPの「ご宿泊の感想」に載ってます。旅館に令状を書いたのは、これがはじめてでした。
ワタシ、この日のことは一生覚えているだろうな…。
【魚信】
広島県尾道市久保2丁目27番6号
0848-37-4175