ウチごはん&ソトごはん

今日なに食べた?

小布施へ(2) 「蔵部」 “寄り付き”料理&「枡一市村酒造場」の酒

2005-10-08 05:59:21 | 旅行記


小布施に到着すると、もう昼時。真っ先に向かったのが、小布施の酒蔵「枡一市村酒造場」が経営しているレストランのひとつ、「蔵部(くらぶ)」。蔵の一部を改装して作られた和食レストランだ。週末ともなると、1時間待ちは当たり前という人気ぶり。この日は平日の月曜日ということもあり、予約せずにすんなり入れたが、週末や祝日に訪れるのなら絶対に予約しておいたほうがいい。

まず、目を奪われるのは、中央の土間風オープンキッチンだ。そこにはあるのは、なんと竈。料理人たちは、竈の薪と炭で、煮る、焼く、蒸すという、昔ながらの田舎料理を作っていくのだ。ごはんは毎日、籾から精米、竈で炊き上げるとのこと。





大きな蒸篭からはやわらかい湯気がこぼれ、竈の炭がパチパチと爆ぜ、薪で炊くごはんの釜はしゅーしゅーと音を立てている。網のうえで焼いた魚が、つけタレに浸した途端、じゅうう! 牛肉を焼く大きな中華鍋の底を、竈の赤い炎が包み込む。昔の台所は賑やかで、愉快な音が溢れていたんだなぁ…。

蔵部は昔ながらの“寄り付き料理”――寄り付きとは、蔵人が食事をしたり休息したりする場所のこと――をテーマにしているので、料理は基本的にシンプル、種類は大きく3つだ。

「信州牛ロース重ね焼き」と、「おまかせ海鮮」と、「焼き魚」。

それぞれに猪口一杯の「白金」のお酒、小鉢、漬物、かまどめし、汁、果物がつき、ごはんと味噌汁は料金を追加することで「栗ごはん」と「豚汁」に差し替えることもできる。

おやきとみたらし団子を食べてから、まだ30分くらいしか経っていないので、とりあえず、日本酒を飲みつつ軽くつまむことに。純米酒山廃桶仕込み「白金」を一合(1,110円)、ひたしまめ、刺身を注文した。トップの写真が、白金とひたしまめ。白金のボトルが、なんとも美しい。白金は購入すると一升瓶で10,500円と高額の商品で一合1,050円の計算だから、レストランでもほとんど同じ値段で飲める。蔵元とはいえ、これはお得といっていいと思う。

「白金」は丁寧に醸された酒だけあって、育ちのよさが伺える酒だ。育ちがいいとは弱っちいということではない。芯がしっかりしていて、まっすぐ前を見ている酒だ。素直においしいと思える酒で、するすると飲めてしまう。初心者も、飲みなれた人も、だれもが楽しく味わえる酒…。ほとんど私ひとりで飲んでいるのに、もう1合「白金」を追加し、さらに純米酒「スクウェア・ワン」を1合と、食事を注文。

カンザワは「信州牛ロース重ね焼きと栗ごはん」のセット、イタバシは「信州牛ロース重ね焼きと豚汁」のセットにすることに。どちらも、2,420円。ちょっと高いなぁと思わなくもないが、観光地だし、雰囲気がいい店は都会も田舎も若干値段が高くなる。雰囲気も値段のうちと思えば、妥当な値段だと思う。

信州牛重ね焼きもおいしかったし、意外に魚料理もおいしそうだったが(海なし県の長野県なので、どうかなぁと不安だったのです)、なんといってもおいしかったのが栗おこわ。ゴルフボール大くらいの、大きな栗がごろんごろんと3つ入っていたのが嬉しかった。

ところで、食事に「白金」が盃1杯セットになっていることに気付いていなかったので、思ったよりも飲んでしまった。とてもラッキー。すっかりいい気分♪

実はこのとき、デジカメがバッテリー切れ。充電器を東京に置いてきてしまったまま、蓼科にいるうちに切れてしまったため、どうしようもなく久しぶりにフィルムカメラで撮影。しかも、このカメラはズームがなくレンズを替えるタイプ…という本格派。まったくの宝の持ち腐れで、ぜんぜん使いこなせていないため、料理写真がいまひとつ…で、仕方なくイタバシの食事風景を参考に載せときました。ご不満を感じる方もいるでしょうが、アシカラズ。



蔵部
026-247-5300
営業時間 11:30~14:30、18:00~21:00
定休日 年中無休



―― 小布施へ③に続く ――