皆様、新年あけましておめでとうございます。
本年も弊サイト及び『京都妖怪探訪』シリーズをよろしくお願いいたします。
新年最初のシリーズ記事は、六波羅蜜寺にて行われた新年の行事にまつわる話をします。
この古刹は、本シリーズでも第54回、第158回、第204回ととりあげてきました。
空也上人や平清盛ゆかりの古刹であったり、お盆の「六道まいり」や迎え鐘があったり、清盛と遊女・阿古屋の塚があったり、年末に「かくれ念仏」をやっていたり、さらには平清盛像や空也上人像など教科書にも出てくるような有名な宝物があったりなど、いろいろとりあげるネタの多いスポットですが、新年行事にも本シリーズで注目すべきものがありました。
それが、「皇服茶」です。
「皇服茶」とは、冒頭の写真のとおり、梅干しと結び昆布を入れたお茶です。
天暦5年(951年)、都に疫病が流行した時のこと。
この寺を開創した高僧・空也上人が、自らが刻んだという十一面観音像を車に乗せて市中を回り、青竹を八葉の蓮片に割って茶をたて、中に梅干しと結昆布を入れて、仏前に供えました。
その茶を病で苦しむ天皇や市井の人々に分け与えたところ、たちまち病魔が静まったと伝えられます。
この時の茶は、無病息災の「皇服茶」として伝承され、現在でも正月3ヶ日に参拝者に授与されています。
今年の正月は、この伝説の「皇服茶」を飲みに訪れました。
六波羅蜜寺の付近。
普段は、このように静かな場所です。
しかし正月3ヶ日や特別な行事のある日などは、このように多くの参拝者や観光客でごった返します。
六波羅蜜寺の境内も、普段はこんな感じですが。
正月になると、このとおりの賑わいです。
特に人手が多いのが、弁財天堂前です。
ここでは、初稲穂の授与が行われます。
これに、鈴や俵など各人お好みの飾りをつけて(これらも境内で売っています)、家に持ち帰って一年の福を祈るそうです。
境内の一角に、皇服茶が飲める場所がありました。
一杯300円、券をもらいます。
そして、皇服茶とお守りとをいただきます。
このお茶で天皇や民衆の病気が治ったというのです。
ファンタジーRPGオタクでもある私からすれば、優れた効果を持つ回復アイテム、重度のステータス異常をも回復してしまうスーパーヒーリングポーション、とか言ったところでしょうか。
これ、RPGのネタとかに仕えないでしょうか?(笑)
などという話はさておき。
梅干しと昆布とが入って居ますが、わりとあっさりとしていて飲みやすい感じのお茶でした。
これを飲んだ後に残った梅干しの種も捨てずに財布に入れて持って帰るといいそうです。
しかしながらその時私はこのことを知らずに、飲み終わった後、お守りだけを持って帰りました。
くー。残念!
あまり事前調査せずに、ほとんど思いついたまま、行き当たりばったりで出かけていくというのが私のスタイルなのですが、この時ばかりは「もう少し事前調査ぐらいはしておけばよかったな」と思いました……。
ただ、病魔を退散させる梅昆布茶の残り種で金運も上がるとは、何とも不思議な話だと思うのですが。
というか、元は来世宗教(現世利益を求めない宗教)であった仏教からすれば、「無病息災」とか「金運向上」とか、随分と現世利益を追求しているな、という印象を受けるのですが(笑)。
とまあ、密教系の宗派はこういうものであり、神仏習合の日本らしいと言えば、日本らしいのですが(笑)。
それでは、今回はここまで。
次回もついでにもう1回、六波羅蜜寺に関する話題を。
それではまた。
*六波羅蜜寺のHP
http://rokuhara.or.jp/
*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
コメント一覧
小路@管理人
わ~い、お茶
小路@管理人
わ~い、お茶
小路@管理人
わ~い、お茶
最新の画像もっと見る
最近の「妖怪スポット」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2008年
人気記事