京都の闇に魅せられて(新館)

京都妖怪探訪(246):六波羅蜜寺の皇服茶





 皆様、新年あけましておめでとうございます。
 本年も弊サイト及び『京都妖怪探訪』シリーズをよろしくお願いいたします。

 新年最初のシリーズ記事は、六波羅蜜寺にて行われた新年の行事にまつわる話をします。
 この古刹は、本シリーズでも第54回第158回第204回ととりあげてきました。
 空也上人や平清盛ゆかりの古刹であったり、お盆の「六道まいり」や迎え鐘があったり、清盛と遊女・阿古屋の塚があったり、年末に「かくれ念仏」をやっていたり、さらには平清盛像や空也上人像など教科書にも出てくるような有名な宝物があったりなど、いろいろとりあげるネタの多いスポットですが、新年行事にも本シリーズで注目すべきものがありました。

 それが、「皇服茶」です。
 「皇服茶」とは、冒頭の写真のとおり、梅干しと結び昆布を入れたお茶です。
 天暦5年(951年)、都に疫病が流行した時のこと。
 この寺を開創した高僧・空也上人が、自らが刻んだという十一面観音像を車に乗せて市中を回り、青竹を八葉の蓮片に割って茶をたて、中に梅干しと結昆布を入れて、仏前に供えました。
 その茶を病で苦しむ天皇や市井の人々に分け与えたところ、たちまち病魔が静まったと伝えられます。
 この時の茶は、無病息災の「皇服茶」として伝承され、現在でも正月3ヶ日に参拝者に授与されています。
 今年の正月は、この伝説の「皇服茶」を飲みに訪れました。



 六波羅蜜寺の付近。
 普段は、このように静かな場所です。





 しかし正月3ヶ日や特別な行事のある日などは、このように多くの参拝者や観光客でごった返します。






 六波羅蜜寺の境内も、普段はこんな感じですが。









 正月になると、このとおりの賑わいです。









 特に人手が多いのが、弁財天堂前です。
 ここでは、初稲穂の授与が行われます。








 これに、鈴や俵など各人お好みの飾りをつけて(これらも境内で売っています)、家に持ち帰って一年の福を祈るそうです。


 境内の一角に、皇服茶が飲める場所がありました。






 一杯300円、券をもらいます。






 そして、皇服茶とお守りとをいただきます。





 このお茶で天皇や民衆の病気が治ったというのです。
 ファンタジーRPGオタクでもある私からすれば、優れた効果を持つ回復アイテム、重度のステータス異常をも回復してしまうスーパーヒーリングポーション、とか言ったところでしょうか。
 これ、RPGのネタとかに仕えないでしょうか?(笑)
 などという話はさておき。

 梅干しと昆布とが入って居ますが、わりとあっさりとしていて飲みやすい感じのお茶でした。

 これを飲んだ後に残った梅干しの種も捨てずに財布に入れて持って帰るといいそうです。
 しかしながらその時私はこのことを知らずに、飲み終わった後、お守りだけを持って帰りました。
 くー。残念!
 あまり事前調査せずに、ほとんど思いついたまま、行き当たりばったりで出かけていくというのが私のスタイルなのですが、この時ばかりは「もう少し事前調査ぐらいはしておけばよかったな」と思いました……。

 ただ、病魔を退散させる梅昆布茶の残り種で金運も上がるとは、何とも不思議な話だと思うのですが。
 というか、元は来世宗教(現世利益を求めない宗教)であった仏教からすれば、「無病息災」とか「金運向上」とか、随分と現世利益を追求しているな、という印象を受けるのですが(笑)。
 とまあ、密教系の宗派はこういうものであり、神仏習合の日本らしいと言えば、日本らしいのですが(笑)。


 それでは、今回はここまで。
 次回もついでにもう1回、六波羅蜜寺に関する話題を。
 それではまた。





*六波羅蜜寺のHP
http://rokuhara.or.jp/




*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm




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コメント一覧

小路@管理人
http://moon.ap.teacup.com/komichi/
>わ~い、お茶さん


 情報提供ありがとうございました。
わ~い、お茶
こんにちは。垂坂観音寺ですが、「垂坂観音寺」で検索すると「第一番天台宗観音寺東海
近畿地蔵霊場会」と言うリンクがありそこに
地図の詳細が載っています。近鉄四日市駅からバスが出ています。
小路@管理人
http://moon.ap.teacup.com/komichi/
>わ~い、お茶さん

 いつもコメントありがとうございます。
 また情報提供ありがとうございます。

 面白そうな寺ですが、車でなければ行きにくそうですね。
 中古車でもいいから、私もそろそろ車を買った方がいいかも。
 長らくワーキングプアやってましたので、車を持つなどとは考えてなかったもので。
わ~い、お茶
こんばんは。その寺院は「垂坂観音寺」と言い、三重県四日市市にあります。近くに駅やバス停が無いのが不便ですが、車で行く事が出来ます。ただ坂道なので大雪が降ると通行止めになったりしますが、なんでもそこの寺院は結構願い事が叶うそうです。
小路@管理人
http://moon.ap.teacup.com/komichi/
>わ~い、お茶さん

 いつもコメントありがとうございます。
 元旦の朝については、私にもいろいろと思い出がありますね。
 大晦日の夜に近所の神社に参拝したり、八坂神社のおけら参りで火縄をもらって翌朝それで雑煮を炊いたりとか。
 今から思えば懐かしい話ですね。
 現在の仕事はおそろしく不規則で、正月にまともに休めないことがありますから、必ずしもゆっくりと寺社参りできないのが残念ですが。
 不規則な勤務の合間を縫いながら、寺社や妖怪地めぐりをしながら、現在に至っております。

 ところで、その仰る寺院とはどんなところなのか、興味ありますね。
 私の住む場所からはちょっと遠いですかね?
わ~い、お茶
こんばんは。私は子供の頃大晦日の晩になると近所の神社へ母と妹の3人で行って福引きを良くやりました。最近は全く行っていませんが・・・元旦の朝はお寺へ行って読経とお神酒を飲んで家へ帰るのが当時の行事でした。私事ですがもう十年程になるのですが、私の家族で母の知り合いだと思いますが、私が行っている寺院とはまた別の寺院を紹介されてそこへ休みの日は参拝に行きます。正月の3日間のうちの一回行ってきました。なんでもそこは昔廃寺寸前だったそうですがその紹介しに来た人が再び元に戻したというお寺であの空海をも凌ぐ法力の持ち主だった元三大師を祀るお寺で毎年護摩を焚くのですが、
初めて近くまで行って護摩の焚く所を見る事が出来て良かったです。そのお寺は天台宗の
お寺で今年は本山で焚いてもらう護摩木を買いました。寺社への参拝はやはり良いと思った一日でした。
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