前々回と前回の続きで、京都屈指(あるいは日本屈指)の心霊スポットとも言われ、古くからいくつもの伝説も遺されている京都市北部の「深泥ヶ池(みどろがいけ)」を訪れた時の記事・第3回目です。
まるで獣道を思わせる細い道をひたすら進んでいきます。
昼下がりにも関わらず薄暗い中、うっそうと生い茂る木々の中から見える池の光景です。
この深泥ヶ池には水に浮いている「浮島」があり、それが池全体のおよそ3分の1を占めているそうです。
ここから見えるのも浮島でしょうか?
時折、「ぶもー、ぶもー」という、まるで牛のような鳴き声が辺りに響き渡ります。
これは、ウシガエルの声? それとも別の生き物の鳴き声でしょうか?
他にはほとんど音の聞こえない、静寂の中にこういう声が響き渡るものですから、結構不気味です。
想像力豊かな昔の人々は、こういう体験からも、「牛鬼」などの妖怪や、異界の存在などを思い浮かべたのかもしれません。
途中、こういう小川と交差する場所も。
これは……小さなブロックや踏み石などが並べられているだけで、橋とは言い難いものですね。
今は飛び越えていけますが、雨の日ともなれば簡単に水没して通れなくなります。
やはり夜間や雨の日は、この道を通らない方がいいでしょう。
そこからさらに、奥へと進みます。
その途中小さな別れ道があり、その先に何かの祠か、お墓のようなものがありました。
お供え物のようなものがいくつもあったので、今でもそこをお参りとか管理とかしている人が居るようです。
これは何の祠か? あるいは、誰のお墓か?
こんな場所に珍しいので、写真に撮ろうかとも思いましたが……やめました。
何というか、私のカンが「やめておけ」と告げたのです。
何故そう感じたのか……具体的な根拠とかはありません。
ただ、何となくというか……「これは、興味本位で触れたり、撮影していいものではない」と、そんな感じがしたのです。
それで結局、撮影するのをやめました。
その祠か、お墓のようなもので、道は行き止まりでしたので、そのまま元来た道を引き返し、分岐点まで戻りました。
そんなわけで、その不思議な祠かお墓のようなものの写真をここでお見せすることはできません。また、その正体が何であるのかも、未だにわからないままでいます。
もし読者の皆様の中で、その祠かお墓みたいなものがどんなものであるかを見たい、あるいはその正体を確かめたいという方がおられましたら、あなた自身でこの地を訪れ、その正体を確かめてみてください。
ただし、いろいろと危ない場所なので、訪れる時は十分にご注意ください。
また、それで何か良くないことが起こったとしても……当方としては責任は負いかねますので、そこはご理解のほどを。
道を歩き続けた先に、門で閉じられた場所があり、そこで行き止まりになっていました。
どうやらこの先は、前々回でも少しとりあげた、池のほとりに建つ病院の敷地のようです。
わざわざ門で閉じられているということは……ここから先の立ち入りは禁止されているということでしょう。つまり、ここから先はもう進めないようなので、仕方が無く元来た道を引き返すことにしました。
なお道を戻る途中で、犬を連れて散歩をしていた近隣住民らしい方のお会いしました。
その方のお話では、この道から山を越えて「宝ヶ池」まで抜ける道がある、とのことでした。
「宝ヶ池」といえば、深泥ヶ池と同じく心霊スポットとしても有名な場所です。
是非とも聞いて、その道も歩きたいとも思いました。
ですがその方は「その道は、地元民でもちょっとややこしいし、歩くのが大変だから、初めてここに来られた方は、やめた方がいいですよ」と仰って、結局教えてくださりませんでした。
こういう地元の方の忠告は素直に聞くものです。
夕方も近くなりましたので、この時は諦めて帰ることにしました。
元来た道を戻り、深泥ヶ池の入り口付近に戻ってきたら。
前回の、深泥ヶ池に入るときに出会ったカルガモの一家に再会しました。
彼らの姿を見ていると、癒されたような気になります。
それにしても、正直この時は「山歩き」の準備も何もせずにいきなり池の奥への道に挑むという……今から思えば無謀な、「良い子はマネしてはいけません」と言えるようなことをしてしまいましたが。
次にここを訪れる時には、もう少しきちんとした準備や下調べ等をした方がよさそうですね。
そうして、この道から山を越えて宝ヶ池までを目指すのも面白いかもしれません。
ただ、ここがいろんな意味でちょっと危険な場所だということだけは、忘れないでおくべきでしょうね。
特に夜間と雨の日は……。
それではとりあえずここで、深泥ヶ池の話を終わります。
また次回!
「深泥ヶ池」とその周辺の地図はこちら。
*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
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