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どうも、こんにちは。
今年も蓮の季節になりましたので、無性に蓮の花が見たくなりました。
しかも『京都妖怪探訪』シリーズですから、妖怪など不思議な伝説が遺される場所の蓮を見ようと思い立ちました。
そこで、だいぶ以前(※シリーズ第198回を参照)にも訪れたことのある、宇治の三室戸寺の蓮を観に行きました。
この三室戸寺には、以下3つの伝説が遺されています。
①蟹の恩返しと大蛇の霊の伝説
②菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)とウサギの道案内の伝説
③牛玉(ごおう)と宝勝牛の伝説
まずはいつもの通り、アクセスから。
京阪電車「三室戸(みむろど)」駅から。
そこからおよそ15~20分くらい東へ歩くと、三室戸寺の入り口、参道に辿り着きます。
入り口にかかっている小さな橋は「蛇体橋(じゃたいはし)と言われています。
現在でも、「雨の日になると、この橋の裏側に蛇の影が現れる」と言われています。
この橋にも、ここに伝わるひとつ目の伝説、大蛇の伝説が遺されています。
昔、山城の綺田(かばた)村に、三室戸の観音さまを信仰している心のやさしい娘が居ました。
ある時娘は、村人が蟹を殺そうとしているところに出くわし、「持っている魚の干物を差し上げますので」と蟹を助けてもらいます。
またある日のこと、その娘の父親は、蛇が蛙を呑み込もうとしているところに出くわし、「私の娘をやるから蛙を放してあげなさい」と言って、蛙を助けてもらいます
(ここで思うのですが……この父親は、蛙一匹助けてもらう為に自分の娘を差し出す約束をするとは、この父親は何を考えているのだ、と突っ込みたくなりますが)。
その夜、その時の蛇が美男子に姿を変えて父娘のところに現れ、「約束通り娘をもらいに来た」と言いました。父親は「3日後に来て欲しい」と言い逃れをします。
3日後、娘は戸を完全に閉め切って、三室戸の観音さまに必死に祈り続けていました。蛇は待ちきれずに怒り狂い、人の姿から元の姿に戻ると、戸を破って中へ入ろうとします。娘は観音さまに助けを求めると、どこからか無数の蟹が現れ、はさみをたてて蛇を退治してしまいました。
翌日、娘は三室戸寺の観音さまにお礼参りに行きますが、途中で雨が降り出し、三室戸寺に着く頃には土砂降りになっていました。
そして参道の橋の上に、あの蛇が横たわっていました。が、蛇は娘を悲しそうな表情で見つめただけで、橋の裏側へと姿を消しました。
それ以来、雨の日には蛇の影が見えるようになり、この橋は「蛇体橋」と呼ばれるようになったという話です。
幸か不幸か、私は雨の時にこの橋を通ったことがありません。
次に訪れる時は、雨の日を狙って、この言い伝えの真偽を確かめてみたいという気もします。
それにしても私には、なんか蛇の方がかわいそうにも思えてくるのですが……。
さらに参道を奥へと進んでいきます。
奥の石段を上った小高い場所に、本堂とその前に一面に橋が広がっています。
人面蛇身の神様の像が。
あの蟹の恩返し伝説の娘が、蛇の霊を供養するために奉納したという宇賀神の像を元につられたという石像です。
オリジナルの奉納像は非公開で一般には見られないそうですが。
まず蓮を観て回ります。
ちょうどその時、蓮酒の授与も行われていました。
蓮の葉に注いだお酒を、ストローのように蓮の茎を通して飲みます。
蓮の花や実にとんぼが。
記事がそこそこの長さになりましたので、今回はここで一旦切ります。
それではまた次回。
*三室戸寺へのアクセス・周辺地図はこちら。
*三室戸寺のHP
http://www.mimurotoji.com/
*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
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