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どうも、こんにちは。
多忙と風邪による体調不良の為、しばらく間を空けてしまいましたが、頑張って再会したいと思います。
今年の『霊場魔所の紅葉』シリーズ、第6弾。前々回と前回に引き続き、京都でも有名な紅葉名所のひとつ、南禅寺をその紅葉光景と共に紹介します。
今回は、南禅寺創建にまつわる妖怪退治伝説の舞台になったと思われる、現在の南禅寺別院・南禅院(なんぜんいん)を、紅葉を眺めながら巡ります。
前回の続き、山門、本堂から方丈(ほうじょう)の方へと進みます。
方丈の前から横へそれます。
南禅寺境内を通る「水路閣」。
現在も京都に水を供給している
この光景でお気付きの方も居られるかもしれませんが。
京都を舞台にしたドラマでよく撮影に使われる場所です。よくここで殺人事件が起こったり、事件の鍵を握る人物が重大なことを告白したり等、特別なイベントが発生したりします(笑)。
ここはこちらの過去記事でもとりあげましたが、レンガと紅葉って結構良く合うと思うのです。
レンガと紅葉。
明治以後、積極的に近代化(?西欧化)を進め、技術や文化を取り入れてきた。
日本古来のものと、西欧のものとを融合させようとも試みてきた。
京都にはこうした近代都市としての顔もある。
それを象徴する光景のひとつが、この光景です。
水路閣のさらに裏側へと回ります。
そこに南禅寺別院・南禅院があります。
拝観料を支払って中に入ります。
前々回と前回で紹介した妖怪退治伝説。
その舞台となり、現在の南禅寺発祥の地ともなった「禅林寺殿」とは、ここ「南禅院」です。
いろんな意味で非常に貴重な場所なのですが、『京都妖怪探訪』を続けていながら、不覚にも今まですっかり見落としておりました。
今回、始めて訪れることになります。
ここで、第521回の繰り返しにはなりますが、南禅寺創建にも関わる、妖怪退治伝説の概要を。
元々この地には、後嵯峨天皇が文永元年(1264年)に造った離宮がありました。その離宮は、その北にあった禅林寺(※紅葉名所としても有名なあの「永観堂」です)にちなんで「禅林寺殿」と呼ばれていました。
のち正応4年(1291年)、亀山法皇は無関普門を開山として、禅林寺殿を「龍安山禅林禅寺」という寺に改めました。
その時に、こんな伝承が伝わっています。
この禅林禅寺には、毎晩妖怪が出没しました。
何も無いところで物音がしたり、物が無くなったり、ポルターガイストみたいに戸が勝手に開いたりなど、怪現象が起こりました。亀山法皇は困り果てて、護摩や加持祈祷などをしましたが、怪現象は止まず、当時80歳だった、東福寺第3世・無関普門禅師に妖怪退治を依頼します。
最初、禅師は「徳は妖怪に勝るからその必要はない」と言いますが、亀山法皇はそれでも頼みこみます。
そして妖怪退治となるわけですが、その退治方法がこれまたユニークです。
禅師は弟子たちを引き連れて、禅林禅寺に入り、座禅をし、禅宗の教えに従って修行と生活を続けたのです。なんと、それだけで妖怪は居なくなり、怪現象も収まったのです。
亀山法皇は、禅師にここの開山を命じ、こうして南禅寺が創建された、と伝えられています。
この「禅林禅寺」を前身とするのが、ここ「南禅院」。
おそらくはその伝説の舞台となった場所です。
かつてここに亀山法皇が住み、今で言うポルターガイスト現象などの怪現象に悩まされていたのです。
「法皇が住む離宮にしては、思ったよりも小さな建屋だな」というのが、最初に抱いた印象ですが。
しかし、庭園に広がる紅葉の光景を観て「あっ、なるほどやはりここは離宮なのだな」と納得しました。
外見上の大きさ、豪華さを追求するよりも、質素だけど清楚。
人工の創られた美よりも、自然美を巧みに取り入れている。
嗚呼、これぞ古来よりの日本人の美意識の表れではないか。
そんなことを考えながら、道を少し進むと亀山法皇の分骨所がありました。
ここに亀山法皇が眠っています。
分骨所の隣にこんな石塔があります。
これは一山国師の墓所でしょうか。
後で調べたことですが、一山国師とは、元時代の中国の禅僧でしたが、元の使者として来日し、それから南禅寺の第3世になったという人物でした。
元の時代、クビライ・ハーンは、日本に従属国となる様に何度か使者を派遣して居ましたが、当時の鎌倉幕府はその使者を全て処刑していたので、一山国師を使者として派遣しました。当時の日本は、禅宗を尊ぶ気風があったため、大師号を持つ禅宗の高僧・一山国師が選ばれたわけです。結局、日・元の交渉は決裂して戦争になってしまいましたが、禅の高僧だった一山国師は処刑を免れ、幽閉をされたものの、後に南禅寺の第3世となりました。
いやー。
こんなにユニークな経歴を持つ人物が居たとは、初めて知りました。
自分の勉強不足を改めて感じましたが、面白かったですね。
さらに庭園を歩きます。
この庭園は、回遊式庭園という形式の庭で、池を中心に回れる構造になっているようです。
おお、なんと美しい光景でしょう。
妖怪伝承の地を巡ってこんな光景に出くわすとは。
来て良かった。
霊場魔所の紅葉とかやってよかった。
そう喜びながら、南禅院を後にしました。
それでは今回はここまで。
続きまた次回。
*南禅寺へのアクセス・周辺地図はこちら。
*南禅寺のHP
http://www.nanzen.net/
*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
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