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九重自然史研究所便り

昆虫採集と観察のすすめ

琵琶湖博物館のクワに発生したアメリカシロヒトリ

2015-10-04 16:09:39 | 日記

琵琶湖博物館のクワに発生したアメリカシロヒトリ
 2015年9月20日ころ、琵琶湖博物館の生活工房の畑に中川さんが植えたクワの木に発生したアメリカシロヒトリHyphantria cunea (Drury, 1773)らしい図版1~2のような体長14mmの毛虫が1匹届いた。それは撮影する間もなく脱皮し、ゴワゴワの毛を持ったヤマアラシのような毛虫になり、とてもアメリカシロヒトリの幼虫だと思えなかったので、正体不明の違う毛虫だと武田さんを通じて返事した。その毛虫はもう一度脱皮したが、病気らしくさらに成長することはなかった。背面の本来細い毛が数本ずつ体液で束状にくっつき硬いトゲ状の毛が生えているように見えた。
9月22日武田さんとカキバトモエの幼虫を見に行った後、生活工房に立ち寄って問題の毛虫を見ると、蜘蛛の巣状の大きな巣がまだ崩れずあり、巣の中には2幼虫残っておりそれらはこの図版3~4に示すように明らかにアメリカシロヒトリの体長30~40mmの終齢幼虫であった。最初の幼虫も確かに見覚えのあるアメリカシロヒトリの幼虫であり、明らかに私の誤認である。草津市に引っ越しし、琵琶湖博物館で標本整理を始めた2013年に生活工房の近くでアメリカシロヒトリの成虫を見たことがある。ここで発生してもおかしくない。
写真1~2は熊本県で発生したときの亜終齢幼虫である。また3~4は草津市産の終齢幼虫である。熊本で発生した時の幼虫は1化の成虫が産んだ卵に由来する幼虫で、ソメイヨシノに発生し、このようなピンク色の大きな終齢幼虫にならず、小さなガが羽化したと記憶している。今回は2化の越冬する蛹になるのだと思う。

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