別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

スーパーナチュラル シーズン11 気まぐれ感想8

2018-12-28 00:13:27 | シーズン11
第13話 愛が招いた怪物

今回狩りエピでさほど言及することはなし。サッと済ませます。
ポイントは、ディーンを殺しにきたカリーンがアマラの姿をしていたこと。カリーンは魔女に操られ、殺す相手の愛する者の姿をして現れる怪物。拳で身体を貫き、心臓を抉り出す。
拳で板やら机やらをぶち抜くアマラの姿は凄いね(笑) 本物はほぼ全能の力を持っているから、そんな力技を見せることはない。アマラ役のエミリー・スワローさん、ご苦労様。

サムには、好きだったTVドラマの女優が来るぞと言ったけど(またマニアックでわからん)、実際に現れたのはダークネス姐さん。誰の姿で現れた?と気楽に尋ねた弟に、ディーンは隠さずに話す。どう言われるか構えてた兄に、弟の反応は意外とあっさり。
自分を責めてきたことは知ってる。相手は神の姉だ。逆らえないのはわかる、と。サム理解が深いです。
ディーンも、目の前にいない今は殺したい、でも彼女に会うと駄目だと告白。やはり愛だの情だのよりも厄介だな。

あとは久しぶりのジャンケン。兄が勝ちました! でも弟は行くと言ってた2階の調査にさっさと行きました! でもディーンはサムに勝てたことが嬉しいので、咎めもせずスルーです!
なんのためにジャンケンした!

冒頭、バレンタインアバンチュールでフラフラの兄の首筋のキスマークの確認が素早いぜサム。
最近は兄の冗談や放蕩ぶりにも余裕で返すようになったよね。サムもおっさ…大人になった。
ナンパ失敗兄貴は、女性に「お父さん体型」と言われたそうだ(字幕はビール腹) なまってんじゃねえの兄貴(笑)

冷蔵庫に入れてた食べかけのテイクアウトが気になる。ヌードルっぽい。不味そう。前回にならって焼くだけのチキンでも買ってこいや。


第14話 神の手

トゥーレまた出た! うっとおしい!
第二次大戦中、ナチの将校(加えてトゥーレ)が手にいれた重要な遺物を、愛人のデルフィーヌが奪って逃走。彼女はThe Woman of Letters 女性の賢人だった。

バンカーの朝。コーヒーが切れていてご不満な兄貴。調査しながらサムが飲み切った模様。サムのカップの飲みかけもあさる兄。きゃ。
食器棚を探すもストック無し。食品ストック、タッパーとか缶とかある! 生活臭万歳!
悪臭がするらしい牛乳を冷蔵庫に戻すディーン。捨てろや。
その間、サムの調査講釈が延々と続いている(笑) アマラに対抗できる武器を探し、行き当たったのが、神が触りパワーが宿ったと言われる“神の手” 冒頭のデルフィーヌが盗んだものだった。

地獄ではルシキャスがポータブルゲーム中。配下悪魔どもの言うことなど重要視してない。
クラウリーは犬扱いされ、合わないボロ服を着せられ鎖に繋がれている。

奪った神の手はアメリカへ渡り兄弟のいるバンカーに到着する予定だったが、デルフィーヌが乗り込んだ潜水艦はドイツの攻撃に沈められていた。兄弟はキャスを呼び出し、藻屑になる前の潜水艦にタイムトラベルをさせ、神の手を取ってくることを計画。J・キャメロンに無くて兄弟にあるもの、それはカスティエル。

サム「ここで待つのか!? 兄貴とキャスがジュール・ベルヌしてる間?」
ディーン「そうだ! …ジュールって誰?」
「海底二万マイル」の作者ですね。
地獄に対アマラの武器がないことにムカついていたルシキャスは、渡りに船のほくそ笑み。
ディーンを瞬時に1943年の潜水艦内へ。しかしキャス(ルシ)は弾かれてしまう。
狭い船内に隠れたディーンは、まじないが描かれてるのを発見。
海に落ちたのか、水浸しのルシキャス。ザマ!
「あれを逃すとは…」 忌々し気に漏らした言葉を聞きとがめるサム。さすが地獄耳。
兄は兵士を一人閉じ込めて制服を強奪。兄の海兵帽! イケポパイ~!

デルフィーヌをみつけ話しかけたディーンだが、「私の名前は誰一人知らない!」 ぶちのめされたv
兵士たちと艦長に拘束される。スマホを電話だと言って笑われるが、いつもの軽口をたたいている時間はない。
「俺はディーン・ウィンチェスター。任務があって未来からきた。この潜水艦は1時間以内にドイツの駆逐艦の攻撃にあって沈む」

この戦争よりデカい世界の終末が迫ってる。信じられないかもしれないが、神の手を渡してくれと頼むディーンに、「賢人同士よ」と信じてくれるデルフィーヌ。
制服を奪われ見張りについた兵士ピーティーも、はじめは翌年の野球の優勝チームや次期大統領の名を尋ねてからかっていたが、二人の真剣な様子と、実際にドイツの駆逐艦が現れたことにより態度を変える。
「全員死ぬのか? 俺も、この子(デルフィーヌ)も、仲間も」
「…そうだ」
ごまかしようのないディーン。つらい。

バンカーでは外側から天使除けのマークを消す方法を見つけ出すサム。しかしそれには大天使のパワーが必要だった。ガッカリするサムだが、キャスは材料を集めだし…。

デルフィーヌか天使除けを消している間、ピーティーはディーンに尋ねる。「あと何年続く、この戦争は。兄弟や友達が他の部隊で戦っている。彼らが生きて帰る見込みは?」
「終わるのは1945年」 あと2年で生きている者は帰還できる。この艦とは違い…。
うなずくピーティーに、「信じるのか?」「フラッシュゴードン読んでる」 微笑む二人。

最後のまじないはデルフィーヌの心臓の上に刻まれたタトゥー。私を殺さないと消せないようになっていると、ディーンにナイフを渡す。迷うディーン。その時ドイツの駆逐艦からの攻撃が。

一人で呪文の調合をしているキャスに、パワーが足りない、僕の魂を触ってディーンを戻してくれというサム。S6で開拓時代に飛んだ二人を戻すために、キャスがボビーの魂に触れてパワーチャージした。
しかし笑いだすキャス。「もうお前に用はない。アマラと繋がっているのはディーンだ。なんでお前に執着してたんだろう」 正体を現したルシファーは、サムの魂に手をつき入れる。だが本物のカスティエルがかろうじて止める。

死んでなかったトゥーレ野郎は、デルフィーヌと神の手を渡せと言ってくる。神の手を使い火柱となるデルフィーヌ。タトゥーも燃え尽きて、ルシキャスが艦内に現れディーンを連れ帰る。
神の手を使って兄弟を殺そうとするルシファー。しかし一度きりの使用で力は消えていた。長口上をぶちかましている間に天使を飛ばす呪文を書いていたサムにより飛ばされる。学習しない魔王。

海辺で話す兄弟。キャスを救いルシファーを閉じ込めアマラを倒す、そう宣言する兄だが、意気消沈している。「潜水艦の方はどうだった」と聞くサムに、「何もしていない。俺は見てただけ」と。
ドイツの駆逐艦は、船体を貫く何かにより沈没したというサム。命を懸けたデルフィーヌが報われたことを知り、ディーンの口元に微笑が浮かぶ。


とっても雰囲気のある良いエピソード。フランス人のデルフィーヌに合わせ、シャンソンに始まりシャンソンで終わる。スパナチュには珍しい。有名なエディット・ピアフの『Non, je ne regrette rien』 邦題「水に流して」
過去はすべて清算した。何一つ後悔していない。今から人生を始めるの。という内容。デルフィーヌの人生はこれから新しく始まるはずだった。それでも彼女は満足だろう。

密室恐怖症の気がある私は、潜水艦ものが苦手(^^; でもこの話は好きですね。毎度ジェンさんはコスプレが似合う。 
ディーンは常に行動する男。間違っても失敗しても、それで進む。歴史改変のタブー禁止は当然でも、わずかな時間で何一つできようもないことはきつかっただろう。わずか1時間の邂逅。親しくなるまでもいかず、それでも彼らと触れ合った。一人で戦い続けハニートラップという嫌な役目も終えたデルフィーヌは、短い命をナチの戦艦を破壊するために散らした。彼女が未来からきた男をすぐに信じたのは、先のない状況の中で直感にかけたんだろう。

果てしない人外との戦いに生きてきたけれど、ディーンは人間の戦争には従軍していない。人間同士の愚かな戦争であっても、国を思い、未来を思い、家族や友を思って自らの犠牲は考えない人々がいる。
その中で何一つできなかった自分をもどかしく思った兄。けれどデルフィーヌの犠牲はナチスの神の手入手を阻止し、ひいてはルシファーにも使用不可にさせた。美しく聡明で覚悟が決まっていた女性。彼女を思う今はディーンの心にアマラはいないはず。

サムもバンカーで頑張った。ディーンが危険を冒して過去に飛び、もし戻れなかったらサムがアマラを引き受ける。そう約束しても、自分が死んでも兄を戻したいと願う。それはこの兄弟の業でもあるけど、互いを想う気持ちの強さが、問題も起こすが、道も開く。

ルシファーは地獄を治める気もなく、アマラは脅威なので倒したいが、どちらにせよ最終戦争しか興味はないらしい。こんな態度の元大天使に、悪魔どもは何を期待してるのか。
サムを振られっぱなしの元カノみたいに言ってたが、元はサムしかルシファーの器に耐えられないという設定だったはず。ミカエルはディーン。まあルシずっと元の器の姿だし(便宜上)、ミカはアダムに入ったしな。しかしずーっとサムを狙い続けた黄色い目の立場よ…。

キャスが出てきて押さえてくれたのは良かったが、ルシファーがアマラを倒せると信じても、その後のことを考えないのがキャス…(^^;
でもルシキャスに気が付かない兄弟が長引かないで良かったよ。
クラウリーはさすがに気の毒。逆転を待つ。

ピーティーと艦長がディーンにあてこすった『フラッシュ・ゴードン』は1930年代から新聞連載されていたコミックで、80年代にカルトムービーにもなった。主人公の冒険家ゴードンが宇宙を舞台に活躍し、美女を救うスペースオペラというジャンル。当時の人には未来人も宇宙人も同じようなものだし、美女はデルフィーヌということね。
映画化された際に音楽を担当したのが、現在超話題のQUEEN。「ボヘミアン・ラプソディ」3回見ました(笑)

切り株と化した神の手を持って、寂し気に微笑むエンドショットのディーンが、ほんとに絵になる美しさでした。





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