イスラエル旅行記

旅行記が完成したので、あとは普通に。、

111.ヒエロニムスとパウラ

2006年11月05日 | Weblog

【写真:聖カテリーナ教会】


 地下室の聖誕の場所から上に戻って、アルメニヤ教会が管理している場所から北側に抜けますと、フランシスコ会の聖カテリーナ教会の礼拝堂に出ました。ずーっと中でつながっているのです。写真でも分かるように、美しくて清楚で、現代的な雰囲気です。
 ここは、毎年12月24日に盛大なミサが行なわれ、世界中に放映されています。日本ではニュース程度の紹介で終りますが、知っている人たちには、ちらっと放映される場面に、宗教と関係なくたまらない懐かしさを覚えるのです。
 右端の通路を前に進むと、真ん中辺りに聖母マリアの像と、その下にイエスを象徴した人形の赤ん坊がおいてあり、20数本のロ-ソクに火がともっていました。
 ちょうど、その真下になるのでしょうか、地下に下りて行きますと、洞窟になっていて、暗い所で説明を受けました。

「ええと、ここは何かと言いますと、聖ヒエロニムス(350~420年)が聖書をラテン語に翻訳した場所です。彼は激しい迫害の中で、この洞窟にこもってですね、生涯を聖書の翻訳に捧げたわけです。
 またその陰には、ローマの貴族未亡人パウラの励ましと援助があり、パウラの死後ヒエロニムスは、彼女の骸骨を見ながら翻訳を続けたと伝えられています」

 中庭に出ますと、翻訳をしているヒエロニムスの銅像が立っていました。その足元には、パウラの頭蓋骨があります。ふと頭をかすめたのは、善であれ悪であれ、やはり「陰に女あり」ということ。
 彼女の骸骨を見ながら翻訳を続けたという、短い説明を通して、ヒエロニムスにとって彼女がどれほど大切な存在であり、励ましであったかと、深く考えさせられました。

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