室町幕府将軍就任の先例

　足利義政が、応仁の乱の途中で将軍職を足利義尚に譲ったのは
足利義持の先例に基づいたものであって、無責任ではない。
室町幕府は少年のうちに将軍となるのが普通であった。
ここで、先例が大切になるが、嘉例は足利義満の１５歳か、足利義持の９歳しかない。
足利義量は１９歳で病死であるし、
足利義教が将軍となったのは周知の通り、足利義持の跡継ぎがいなかったためで
３０歳代になってからの将軍就任なので、参考にはならない。

　足利義政自身は足利義満の先例により、１５歳で将軍に就任していた。
結果、応仁の乱が起きるなど、あまり良いことがなかった。
すると、足利義持の９歳という先例を使う他ない。
このように、足利義政が９歳の足利義尚に将軍職を譲ったことには
きちんとした理由があったのである。