室町幕府迷宮案内

ここは、室町幕府が大好きな管理人のブログです。

教授会のデタラメ就職研修屋との闘争

2010-11-25 18:05:08 | 日記
 昨年度から深刻化した新卒者の就職難の余波が
大学教員の日常業務まで圧迫し始めている。
数年前から大学教員の雑務が多くなってきてはいたが、
その雑務に就職活動指導が加わったのである。

 社会学関係の専任教員であれば、就職研修屋のデタラメ主張についても
詳しく知っている人が多いので、安心であるが、文学部などの先生では
まずは現代の就職活動実態について調べないといけないと思っている方も多いであろう。
その段階で、デタラメ就職研修屋の書いた新書などを読んでいては
泥沼にはまるので、まずはこのブログを読んで欲しい。

 高校に大学の宣伝や行くことや教育実習のあいさつ回りへ行く程度の雑務なら
ともかく、いきなり大学当局から就職活動の指導をするように言われて、
『普通の就活(就職活動)なんてやったことがないし、どうしよう?』と
困っている大学教員も多いだろう。
「論文を書いて科研費を取ってこい」と言われるわ、
「就職活動の指導をしろ」と言われるわで、
大学教育崩壊の前兆だと思っている人もいるであろう。

 特に強い危機感を持っている社会学関係の学者の中には
就職研修屋のデタラメ主張への注意を呼び掛けている方も相当数いる。
たとえ、デタラメ就職研修屋が100人いても、
社会学関係の専任教員が5人もいれば
簡単にデタラメ就職研修屋を論破できるだろう。

 ところで、以前は大学4年の10月までは採用活動はしないと
企業同士が協定を結んでいたが、もはや、その協定はほとんど機能せず、
就職活動はどんどん前倒しになり、今年などは大学3年生の6月には就職活動が
本格始動している状況である。

 これでは、大学教育に専念できる期間がわずか2年ほどしかなくなり、
とても、まともな専門教育を施せる環境ではない。
このことに危機感を感じている大学教員の方も多く
企業側への批判を口にする先生方も増えたように思える。
また、就職活動の早期化に伴って、勢いを増してきたのが就職研修屋であり、
その存在を認識している大学教員の方も多いであろう。

 このブログの読者はご存じの通り、就職研修屋の主張するような
コミュニケーション能力やメラビアンの法則はどこにも存在しない。
彼らは根拠としている論文からは到底導き出せない結論を科学的にも立証されたと
言い張り、独自の主張を展開しているのである。
(このブログを見るのが初めてという人は最終段落の補足を読んで欲しい。)

 就職研修屋は就職研修で飯を食っているというのに
自らが根拠としている論文の和訳すら、読んでいないのであろうか、
それとも知っていながら、わざとやっているのであろうか。

 就職研修業界のみならず、美容整形業界・結婚活動研修業界(婚活研修業界)でも
「顔面偏差値」・「恋愛偏差値」というデタラメ造語を使用しているところが多い。
一見して、この用語は、美容整形業界・結婚活動研修業界などが
自分たちが儲かるために使っている用語だとわかるであろう。
「コミュニケーション能力」などはまさに「恋愛偏差値」と狭義でも同じ分類の用語である。
このような研修屋がつくった造語に、未だに惹かれる者までいる。

 なぜ、就職研修屋が「コミュニケーション能力」などという造語を使うのであろうか。
もしも、コミュニケーション能力を職場の人とうまくやっていく能力と定義するならば、
それは「人当たりの良さ」とほとんど同じ意味である。

 それにも関わらず、就職研修屋がコミュニケーション能力という表現にこだわるのは、
顧客の就職活動がうまくいかなかった場合、「コミュニケーション能力の養成が
不十分だったから」と言い、責任を顧客に転嫁できるからである。
もしも、「人当たりの良さ」という表現を使ってしまうと、
抽象的ながら、古くから存在する日本語であるため、
広いながらもある程度、範囲が限られてしまう。
そこで、コミュニケーション能力という日本語とカタカナ英語を併用した造語を使うことによって
より概念を抽象的にして、就職研修屋の責任を無に等しくしているのである。

 こんな就職研修屋に高額の顧問料などを払い、就職活動支援と称している学校は
大いに反省するべきである。
就職研修屋に仕事を頼む前に、就職課は彼らが根拠としている論文の和訳だけでも
読んでもらいたい。
そうすれば、いかに彼らの主張が破綻しているかが、よくわかる。

 しかし、現状では就職課が就職研修屋へのチェック機能を果たさず
ただ漫然と就職研修屋に追従していることが非常に多い。
就職課も被害者であるが、1番の被害者はそのような就職活動指導を受けて
面接に落ち、内定をもらえない学生たちである。

 それでは就職課の代わりに就職研修屋の虚実を明らかにし
就職研修屋から学生たちを守る者はだれであろうか。
それは、大学教員である。
近年、大学教員にも何かしら就職活動指導の仕事が授業形式などで課されることが多い。
日々、思考実験を繰り返し、相手の主張の穴を見抜く能力を鍛えている大学教員であれば
就職研修屋の主張するようなことが本当に正しいか、彼らの根拠としている論文の和訳を
読む作業をするなどして、すぐにわかるであろう。
就職課が就職研修屋へのチェック機能を果たしていない以上、学生たちを守れるか、どうかは
大学教員の方々の双肩に懸かっているのである。

 最終段落の補足にも書いて本であるが、
就職活動指導の仕事を担当している大学教員の方は早急に
『非言語コミュニケーション』(聖文社、A・マレービアン、西田司他訳)を読んでもらいたい。
この本は絶版になっているので、図書館などで読んで欲しい。

 また、上の和訳の本が入手できない場合、
『反社会学講座』(筑摩書房、パオロ・マッツァリーノ、2007年)の
139ページ以降を読んでもらいたい。

 この本は、稲葉振一郎明治学院大学教授が『社会学入門』(日本放送出版協会、2009年)の
巻末付録の読書案内でも紹介している。

  教授会で、就職課が仕事を依頼している就職研修屋の主張は根拠がないと
上記の文献などで説明し、デタラメな主張をする就職研修屋には仕事を頼まないように
就職課側に働きかけることは、学校内にとどまらず、社会的に重要な仕事である。

 繰り返しになるが、就職課が就職研修屋へのチェック機能を果たしていない以上、
就職研修屋から学生を守れるか、どうかは大学教員の方々の双肩に懸かっているのである。
大学教員の方々は学生たちを守る最後の砦なのである。
ぜひとも、学生のため、社会正義のため、奮闘して欲しい。

(補足:就職研修屋の虚実)

(1)「なぜ働くか」という問いは、「ひょうたんでどじょうを捕まえる方法を答えよ」という問いとイコールである。にもかかわらず、第一印象を良くして生活費のためだと答えたり、家族の笑顔のためだと答えたりする者が後を絶たない。就職の面接本を読んでいる時間を臨済宗の入門書の読解に充てるべきである。

 上記の見解に対して、メラビアンの法則によれば、見掛け(外見)の情報のみで全印象の93パーセントが形成されるという反論があるかも知れない。
 しかし、メラビアン博士(この人は就職業界では有名人だというのに、心理学界ではあまり有名ではない)の行った実験は「Maybe(たぶん)」という英単語1つだけを様々な表情・しぐさ(写真のみ)・声質(録音した音声のみ)で相手に伝えた時の相手に与えた印象の結果などについて調べただけにすぎない。
 しかも、心理学について書かれた分厚い辞典を調べてもメラビアンの法則という項目は存在しない。心理学の世界ではその程度の扱いの法則が就職業界を牛耳っているのである。

(2)経営コンサルタント・就職研修屋に仕事を頼む前に読んでおくべき書籍。
『非言語コミュニケーション』(聖文社、A・マレービアン、西田司他訳)を読んでもらいたい。
この本は絶版になっているので、図書館などで読んで欲しい。

 また、上の和訳の本が入手できない場合、
『反社会学講座』(筑摩書房、パオロ・マッツァリーノ、2007年)の
139ページ以降を読んでもらいたい。

 この本は、稲葉振一郎明治学院大学教授が『社会学入門』(日本放送出版協会、2009年)の
巻末付録の読書案内でも紹介している。
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幸せの壺売りとデタラメ就職研修屋の思想体系

2010-11-24 20:46:07 | 日記
 近年、振り込み詐欺の知名度が急激に上がっているが、
従来、有名だったのは、ヒモ売りや幸せの壺売りの方であった。
ヒモ売りは暴力団関係者や刑務所を出たばかりと名乗る人が
普通のヒモを不当に高い値段で押し売りするケースである。

 次に、幸せの壺売りとは、占い師や啓蒙団体の幹部などを名乗る人が自宅にやって来て
「あなたはこのままでは、不幸になる。
それを回避するには、この壺(つぼ)を買うしかない。
この壺を買って幸せになるのですか?
それとも買わずに不幸になるのですか?」と契約を迫るのである。

 気付いた方もいるかも知れないが、この壺売りの言っていることは少しおかしい。

 論理的に考えると
・壺を買って、幸せになる可能性
・壺を買ったけど、不幸になる可能性
・壺を買わなかったけど、幸せになる可能性
・壺を買わなくて、不幸になる可能性
の4つの可能性が存在している。

 本来、今後の可能性として、論理的には4通りあるにも関わらず
壺売りの人は、2通りしか、示していないのである。

 同じことは就職研修屋にも言える。
「このガイダンス・指導を受けて、内定をもらうか
受けずに独学でやって、落ちるか
どちらが良いですか?」と契約を迫るのである。

 こんな就職研修屋に耳を貸してはいけない。
ガイダンス・指導を受けずに内定をもらう方を選べば良いのである。

 このブログの読者は周知の通り、
就職研修屋の主張するようなメラビアンの法則やコミュニケーション能力はどこにも存在しない。
それにも関わらず、彼らはそれを科学的に立証されたと言い張り、
論文の和訳すら読んでいないような主張をしている。
(このブログを読むのが初めてという人は、最終段落の補足を読んで欲しい)

 学校側も就職研修屋に仕事を頼む前に、彼らの主張することが本当に正しいのか、
彼らが根拠としている論文の和訳だけでも読んで調査すれば良いものをその手間すら惜しんで
就職研修屋に仕事を頼むから、ますます就職研修屋の思うつぼになっているのである。

 さらには、その学校内での講演の際に、就職研修屋の案内のビラを配るところまで存在する。
学生を守るべき立場にある学校側(就職課)が、学生を守るどころか、
就職研修屋に、場所・時間まで与えて、その活動に加担しているのである。

 毎回高額な講演料を就職研修屋に払うのに比べれば
和訳された論文の本代など数千円で済むにも関わらず、
それすら読まずに就職研修屋から人間を派遣してもらい、
本棚には就職研修屋の本ばかり並べている学校が多い。
就職研修屋に仕事を頼んだ方が就職課の仕事量も減って助かるなどとでも
思っているのであろうか。
この点に関して、学校側(就職課)は猛反省するべきである。

 また、最近は大規模な会社説明会があると、帰り道、駅までの間に就職研修屋の職員が立っていて
勧誘を行っているところまで多々見掛けられるようになった。
このようなキャッチセールスを行う就職研修屋の話は、特に要注意だ。
これこそ、まさに耳を傾けてはいけない典型事例である。
「就職活動中ですか?」などと訊かれても、「違います」などと言って
早々にその場を立ち去るべきである。
冒頭で紹介した幸せの壺売りのような勧誘を行うのは
このように路上で声を掛けてきている人たちに多いのである。

 美容整形業界・結婚活動研修業界(婚活研修業界)では
「顔面偏差値」・「恋愛偏差値」という言葉を使用しているところが多い。
一見して、この用語は、美容整形業界・結婚活動研修業界などが
自分たちが儲かるために使っている用語だとわかるであろう。
「コミュニケーション能力」などはまさに「恋愛偏差値」と狭義でも同じ分類の用語である。
このような研修屋がつくった造語に、未だに惹かれる者までいる。

 なぜ、就職研修屋が「コミュニケーション能力」などという造語を使うのであろうか。
もしも、コミュニケーション能力を職場の人とうまくやっていく能力と定義するならば、
それは「人当たりの良さ」とほとんど同じ意味である。

 それにも関わらず、就職研修屋がコミュニケーション能力という表現にこだわるのは、
顧客の就職活動がうまくいかなかった場合、「コミュニケーション能力の養成が
不十分だったから」と言い、責任を顧客に転嫁できるからである。
もしも、「人当たりの良さ」という表現を使ってしまうと、
抽象的ながら、古くから存在する日本語であるため、
広いながらもある程度、範囲が限られてしまう。
そこで、コミュニケーション能力という日本語とカタカナ英語を併用した造語を使うことによって
より概念を抽象的にして、就職研修屋の責任を無に等しくしているのである。 



(補足:就職研修屋の虚実)

(1)「なぜ働くか」という問いは、「ひょうたんでどじょうを捕まえる方法を答えよ」という問いとイコールである。にもかかわらず、第一印象を良くして生活費のためだと答えたり、家族の笑顔のためだと答えたりする者が後を絶たない。就職の面接本を読んでいる時間を臨済宗の入門書の読解に充てるべきである。

 上記の見解に対して、メラビアンの法則によれば、見掛け(外見)の情報のみで全印象の93パーセントが形成されるという反論があるかも知れない。
 しかし、メラビアン博士(この人は就職業界では有名人だというのに、心理学界ではあまり有名ではない)の行った実験は「Maybe(たぶん)」という英単語1つだけを様々な表情・しぐさ(写真のみ)・声質(録音した音声のみ)で相手に伝えた時の相手に与えた印象の結果などについて調べただけにすぎない。
 しかも、心理学について書かれた分厚い辞典を調べてもメラビアンの法則という項目は存在しない。心理学の世界ではその程度の扱いの法則が就職業界を牛耳っているのである。

(2)経営コンサルタント・就職研修屋に仕事を頼む前に読んでおくべき書籍。
『非言語コミュニケーション』(聖文社、A・マレービアン、西田司他訳)を読んでもらいたい。
この本は絶版になっているので、図書館などで読んで欲しい。

 また、上の和訳の本が入手できない場合、
『反社会学講座』(筑摩書房、パオロ・マッツァリーノ、2007年)の
139ページ以降を読んでもらいたい。

 この本は、稲葉振一郎明治学院大学教授が『社会学入門』(日本放送出版協会、2009年)の
巻末付録の読書案内でも紹介している。
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デタラメ就職研修屋と特異事例狂言

2010-11-19 20:38:45 | 日記

 就職研修屋には資格など専門知識を持ち合わせていない組織が多い。
退職した元会社員が細々と経営していたり、大手企業が宣伝を兼ねて片手間でやっていたりするところが
大半だから当然と言えば当然である。
それに資格が就職の決め手になると宣伝するのは資格取得系予備校のお家芸であり、
普通の就職研修屋に勝ち目はない。

 そこで、資格取得系予備校に対抗できない普通の就職研修屋は
「資格など、就職では役に立たない。
内定獲得で最も大切なのはコミュニケーション能力だ」などと言い立てるのである。
しかし、このブログの読者は周知の通り、就職研修屋の主張するようなメラビアンの法則やコミュニケーション能力はどこにも存在しない。
それにも関わらず、彼らはそれを科学的に立証されたと言い張り、
論文の和訳すら読んでいないような主張をしている。
(このブログを読むのが初めてという人は、最終段落の補足を読んで欲しい)

 デタラメ就職研修屋の主張するところの
資格ばかり持っていて仕事の対人関係ができていない人とは、会社にやってきて
会社の人と仕事のことも含めて全く話さないような人を想定している。
一般に言われるところの「人付き合いの悪い会社員」であっても
業務上、必要な会話は交わす。
それにも関わらず、就職研修屋の主張は現実にありもしない特異事例を大前提にしているのだから
それが社会で通用するわけもない。

 以前、転職希望者向けの文章で書いた通り、
従来の日本社会において、「コミュニケーション能力」などという就職研修屋のデタラメ造語は存在しなかった。
現在の転職希望者には、就職研修屋(あるいは転職斡旋業者)が「コミュニケーション能力」・
「ヒューマンスキル」などという自分たちが就職した頃にはなかった言葉を聞いて
「わかりやすく、日本語で説明してくれ」という方も多い。
就職研修屋のデタラメ造語に振り回される者にはたまったものではないであろう。

 もはや、科学などではなく、疑似科学・オカルトの世界である。
20年ほど前に流行していた各種の啓蒙セミナーにかなり近い分類になろう。

 学校側も就職研修屋に仕事を頼む前に、彼らの主張することが本当に正しいのか、
彼らが根拠としている論文の和訳だけでも読んで調査すれば良いものをその手間すら惜しんで
就職研修屋に仕事を頼むから、ますます就職研修屋の思うつぼになっているのである。

 さらには、その学校内での講演の際に、就職研修屋の案内のビラを配るところまで存在する。
学生を守るべき立場にある学校側(就職課)が、学生を守るどころか、
就職研修屋に、場所・時間まで与えて、その活動に加担しているのである。

 毎回高額な講演料を就職研修屋に払うのに比べれば
和訳された論文の本代など数千円で済むにも関わらず、
それすら読まずに就職研修屋から人間を派遣してもらい、
本棚には就職研修屋の本ばかり並べている学校が多い。
就職研修屋に仕事を頼んだ方が就職課の仕事量も減って助かるなどとでも
思っているのであろうか。
この点に関して、学校側(就職課)は猛反省し、
今後、このような悪質な就職研修屋とは一切契約しないべきである。

 また、最近は大規模な会社説明会があると、帰り道、駅までの間に就職研修屋の職員が立っていて
勧誘を行っているところまで多々見掛けられるようになった。
このようなキャッチセールスを行う就職研修屋の話は、特に要注意だ。
これこそ、まさに耳を傾けてはいけない典型事例である。
「就職活動中ですか?」などと訊かれても、「違います」などと言って
早々にその場を立ち去るべきである。
冒頭で紹介した幸せの壺売りのような勧誘を行うのは
このように路上で声を掛けてきている人たちに多いのである。

 美容整形業界・結婚活動研修業界(婚活研修業界)では
「顔面偏差値」・「恋愛偏差値」という言葉を使用しているところが多い。
一見して、この用語は、美容整形業界・結婚活動研修業界などが
自分たちが儲かるために使っている用語だとわかるであろう。
「コミュニケーション能力」などはまさに「恋愛偏差値」と狭義でも同じ分類の用語である。
このような研修屋がつくった造語に、未だに惹かれる者までいる。

 なぜ、就職研修屋が「コミュニケーション能力」などという造語を使うのであろうか。
もしも、コミュニケーション能力を職場の人とうまくやっていく能力と定義するならば、
それは「人当たりの良さ」とほとんど同じ意味である。

 それにも関わらず、就職研修屋がコミュニケーション能力という表現にこだわるのは、
顧客の就職活動がうまくいかなかった場合、「コミュニケーション能力の養成が
不十分だったから」と言い、責任を顧客に転嫁できるからである。
もしも、「人当たりの良さ」という表現を使ってしまうと、
抽象的ながら、古くから存在する日本語であるため、
広いながらもある程度、範囲が限られてしまう。
そこで、コミュニケーション能力という日本語とカタカナ英語を併用した造語を使うことによって
より概念を抽象的にして、就職研修屋の責任を無に等しくしているのである。 

 

(補足:就職研修屋の虚実)

(1)「なぜ働くか」という問いは、「ひょうたんでどじょうを捕まえる方法を答えよ」という問いとイコールである。にもかかわらず、第一印象を良くして生活費のためだと答えたり、家族の笑顔のためだと答えたりする者が後を絶たない。就職の面接本を読んでいる時間を臨済宗の入門書の読解に充てるべきである。

 上記の見解に対して、メラビアンの法則によれば、見掛け(外見)の情報のみで全印象の93パーセントが形成されるという反論があるかも知れない。
 しかし、メラビアン博士(この人は就職業界では有名人だというのに、心理学界ではあまり有名ではない)の行った実験は「Maybe(たぶん)」という英単語1つだけを様々な表情・しぐさ(写真のみ)・声質(録音した音声のみ)で相手に伝えた時の相手に与えた印象の結果などについて調べただけにすぎない。
 しかも、心理学について書かれた分厚い辞典を調べてもメラビアンの法則という項目は存在しない。心理学の世界ではその程度の扱いの法則が就職業界を牛耳っているのである。

(2)経営コンサルタント・就職研修屋に仕事を頼む前に読んでおくべき書籍。
『非言語コミュニケーション』(聖文社、A・マレービアン、西田司他訳)を読んでもらいたい。
この本は絶版になっているので、図書館などで読んで欲しい。

 また、上の和訳の本が入手できない場合、
『反社会学講座』(筑摩書房、パオロ・マッツァリーノ、2007年)の
139ページ以降を読んでもらいたい。

 この本は、稲葉振一郎明治学院大学教授が『社会学入門』(日本放送出版協会、2009年)の
巻末付録の読書案内でも紹介している。

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本能寺の変とデタラメ就職研修屋の理論

2010-11-16 17:59:42 | 日記

 他人の心の中など、神様か、仏様でもない限り、わかるわけがない。
もしも、他人の心が全て読めるなら、会社勤めなどしないで、
新興宗教を立ち上げているであろう。
まだ、神主さんやお坊さんの方が他人の心を読む能力が高い。

 それにも関わらず、就職研修屋や企業の採用担当者の中には
「面接で嘘をついてもすぐわかる」
「面接官には学生が思っていることなど全てわかる」などという趣旨の発言を繰り返している者が相当数いる。

 現代のサラリーマンなどとは比べ物にならないほどの
修羅場を生き抜いてきた織田信長でさえ、明智光秀の心は読めなかった。
その結果、わずかな供だけで本能寺に泊まり、明智光秀の軍勢に襲われて、自害に追い込まれた。
織田信長よりも優秀な人が就職の面接官など、普通はやらない。

 戦国時代に来日したキリスト教の宣教師として著名なフロイスが書き残した「フロイス日本史」によれば、
本能寺の変が起きた1582年6月2日早朝、織田信長は顔を洗っている時に明智光秀の軍勢の襲撃を
受けたことになっている。
この時、織田信長の護衛はわずか100人前後しかいなかった。
明智光秀軍1万3000人の攻撃を防ぐことなどできるはずもなく、
織田信長は自害に追い込まれた。
数日前、織田信長は明智光秀と直接対面していたが、
謀反は全く予想していなかったのである。
他人に雇われて、日々の雑務に追われているなどしていたら、その時点で織田信長より劣っている。

 近年、大学でも霊感商法対策・啓蒙セミナー対策が進んでいる。
霊感商法で最も有名なのは、幸せの壺売りの事例であろう。

 これは占い師や啓蒙団体の幹部などを名乗る人が自宅にやって来て
「あなたはこのままでは、不幸になる。
それを回避するには、この壺(つぼ)を買うしかない。
この壺を買って幸せになるのですか?
それとも買わずに不幸になるのですか?」と契約を迫るのである。

 気付いた方もいるかも知れないが、この壺売りの言っていることは少しおかしい。

 論理的に考えると
・壺を買って、幸せになる可能性
・壺を買ったけど、不幸になる可能性
・壺を買わなかったけど、幸せになる可能性
・壺を買わなくて、不幸になる可能性
の4つの可能性が存在している。

 本来、今後の可能性として、論理的には4通りあるにも関わらず
壺売りの人は、2通りしか、示していないのである。

 同じことは就職研修屋にも言える。
「このガイダンス・指導を受けて、内定をもらうか
受けずに独学でやって、落ちるか
どちらが良いですか?」と契約を迫るのである。

 こんな就職研修屋に耳を貸してはいけない。
ガイダンス・指導を受けずに内定をもらう方を選べば良いのである。

 このブログの読者は周知の通り、
就職研修屋の主張するようなメラビアンの法則やコミュニケーション能力はどこにも存在しない。
それにも関わらず、彼らはそれを科学的に立証されたと言い張り、
論文の和訳すら読んでいないような主張をしている。
(このブログを読むのが初めてという人は、最終段落の補足を読んで欲しい)

 学校側も就職研修屋に仕事を頼む前に、彼らの主張することが本当に正しいのか、
彼らが根拠としている論文の和訳だけでも読んで調査すれば良いものをその手間すら惜しんで
就職研修屋に仕事を頼むから、ますます就職研修屋の思うつぼになっているのである。

 さらには、その学校内での講演の際に、就職研修屋の案内のビラを配るところまで存在する。
学生を守るべき立場にある学校側(就職課)が、学生を守るどころか、
就職研修屋に、場所・時間まで与えて、その活動に加担しているのである。

 毎回高額な講演料を就職研修屋に払うのに比べれば
和訳された論文の本代など数千円で済むにも関わらず、
それすら読まずに就職研修屋から人間を派遣してもらい、
本棚には就職研修屋の本ばかり並べている学校が多い。
就職研修屋に仕事を頼んだ方が就職課の仕事量も減って助かるなどとでも
思っているのであろうか。
この点に関して、学校側(就職課)は猛反省するべきである。

 また、最近は大規模な会社説明会があると、帰り道、駅までの間に就職研修屋の職員が立っていて
勧誘を行っているところまで多々見掛けられるようになった。
このようなキャッチセールスを行う就職研修屋の話は、特に要注意だ。
これこそ、まさに耳を傾けてはいけない典型事例である。
「就職活動中ですか?」などと訊かれても、「違います」などと言って
早々にその場を立ち去るべきである。
冒頭で紹介した幸せの壺売りのような勧誘を行うのは
このように路上で声を掛けてきている人たちに多いのである。

 美容整形業界・結婚活動研修業界(婚活研修業界)では
「顔面偏差値」・「恋愛偏差値」という言葉を使用しているところが多い。
一見して、この用語は、美容整形業界・結婚活動研修業界などが
自分たちが儲かるために使っている用語だとわかるであろう。
「コミュニケーション能力」などはまさに「恋愛偏差値」と狭義でも同じ分類の用語である。
このような研修屋がつくった造語に、未だに惹かれる者までいる。

 なぜ、就職研修屋が「コミュニケーション能力」などという造語を使うのであろうか。
もしも、コミュニケーション能力を職場の人とうまくやっていく能力と定義するならば、
それは「人当たりの良さ」とほとんど同じ意味である。

 それにも関わらず、就職研修屋がコミュニケーション能力という表現にこだわるのは、
顧客の就職活動がうまくいかなかった場合、「コミュニケーション能力の養成が
不十分だったから」と言い、責任を顧客に転嫁できるからである。
もしも、「人当たりの良さ」という表現を使ってしまうと、
抽象的ながら、古くから存在する日本語であるため、
広いながらもある程度、範囲が限られてしまう。
そこで、コミュニケーション能力という日本語とカタカナ英語を併用した造語を使うことによって
より概念を抽象的にして、就職研修屋の責任を無に等しくしているのである。 

 

(補足:就職研修屋の虚実)

(1)「なぜ働くか」という問いは、「ひょうたんでどじょうを捕まえる方法を答えよ」という問いとイコールである。にもかかわらず、第一印象を良くして生活費のためだと答えたり、家族の笑顔のためだと答えたりする者が後を絶たない。就職の面接本を読んでいる時間を臨済宗の入門書の読解に充てるべきである。

 上記の見解に対して、メラビアンの法則によれば、見掛け(外見)の情報のみで全印象の93パーセントが形成されるという反論があるかも知れない。
 しかし、メラビアン博士(この人は就職業界では有名人だというのに、心理学界ではあまり有名ではない)の行った実験は「Maybe(たぶん)」という英単語1つだけを様々な表情・しぐさ(写真のみ)・声質(録音した音声のみ)で相手に伝えた時の相手に与えた印象の結果などについて調べただけにすぎない。
 しかも、心理学について書かれた分厚い辞典を調べてもメラビアンの法則という項目は存在しない。心理学の世界ではその程度の扱いの法則が就職業界を牛耳っているのである。

(2)経営コンサルタント・就職研修屋に仕事を頼む前に読んでおくべき書籍。
『非言語コミュニケーション』(聖文社、A・マレービアン、西田司他訳)を読んでもらいたい。
この本は絶版になっているので、図書館などで読んで欲しい。

 また、上の和訳の本が入手できない場合、
『反社会学講座』(筑摩書房、パオロ・マッツァリーノ、2007年)の
139ページ以降を読んでもらいたい。

 この本は、稲葉振一郎明治学院大学教授が『社会学入門』(日本放送出版協会、2009年)の
巻末付録の読書案内でも紹介している。

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就職活動で使える!神道の知識

2010-11-14 21:50:19 | 日記

 「日本書紀」や「古事記」は中学レベルの社会科の教科書にも
載っているので、だれもが1度は耳にしたことのある言葉であろう。
「日本書紀」は、神話の時代から持統天皇の治世までを記録した歴史書で
「古事記」は神話の時代から推古天皇までを描いた歴史書である。

 神道では、正しく生きていても災いが降りかかってくるから
半年に1回はお祓いをしましょうという考えである。
通常、6月末日と12月末日にお祓いをする人が多い。

 一方、仏教や儒教だと、正しく生きていれば
災いなどやって来ないという考えであるから
青信号を渡っていて車にひかれることについての説明ができない。
因果応報が仏教思想の根底にあるため、このような事態が生じてしまうのである。

 就職研修屋の話す戦後経済史の話には要注意である。
彼らは統計の羅列を見せて、自分たちの主張の正当性を装うことが多いが、
その統計の起点によく注目してもらいたい。
「今年はマスコミで言われているほど、就職状況は悪くないことは
過去の統計を見ても明らかだ」という趣旨のことを
1992年以降の就職内定率のデーターを見せて言っても
全く説得力はない。

 1991年以前のデーターはどうしたのであろうか。
紙のスペースがなかったなどという言い訳は通用しない。
故意にバブル期及びそれ以前のデーターを隠匿しているのである。

 1980年代以前は大学が、就職活動の仲介者として大きな役割を果たしていた。
バブル期のデーターは言いがかりをつけるのが難しく、
バブルより前のデーターは就職環境の違いを解説した上で
言いがかりをつける他なく、就職研修屋としては不都合この上ない。
ゆえに、バブル崩壊後のデーターのみを載せているのである。

 さらに言うと、以前、転職希望者向けの文章で書いた通り、
その当時は「コミュニケーション能力」などという就職研修屋のデタラメ造語も存在しなかった。
現在の転職希望者には、就職研修屋(あるいは転職斡旋業者)が「コミュニケーション能力」・
「ヒューマンスキル」などという自分たちが就職した頃にはなかった言葉を聞いて
「わかりやすく、日本語で説明してくれ」という方も多い。
就職研修屋のデタラメ造語に振り回される者にはたまったものではないであろう。

 このブログの読者は周知の通り、
就職研修屋の主張するようなメラビアンの法則やコミュニケーション能力はどこにも存在しない。
それにも関わらず、彼らはそれを科学的に立証されたと言い張り、
論文の和訳すら読んでいないような主張をしている。
(このブログを読むのが初めてという人は、最終段落の補足を読んで欲しい)

 もはや、科学などではなく、疑似科学・オカルトの世界である。
20年ほど前に流行していた各種の啓蒙セミナーにかなり近い分類になろう。

 学校側も就職研修屋に仕事を頼む前に、彼らの主張することが本当に正しいのか、
彼らが根拠としている論文の和訳だけでも読んで調査すれば良いものをその手間すら惜しんで
就職研修屋に仕事を頼むから、ますます就職研修屋の思うつぼになっているのである。

 さらには、その学校内での講演の際に、就職研修屋の案内のビラを配るところまで存在する。
学生を守るべき立場にある学校側(就職課)が、学生を守るどころか、
就職研修屋に、場所・時間まで与えて、その活動に加担しているのである。

 毎回高額な講演料を就職研修屋に払うのに比べれば
和訳された論文の本代など数千円で済むにも関わらず、
それすら読まずに就職研修屋から人間を派遣してもらい、
本棚には就職研修屋の本ばかり並べている学校が多い。
就職研修屋に仕事を頼んだ方が就職課の仕事量も減って助かるなどとでも
思っているのであろうか。
この点に関して、学校側(就職課)は猛反省し、
今後、このような悪質な就職研修屋とは一切契約しないべきである。

 また、最近は大規模な会社説明会があると、帰り道、駅までの間に就職研修屋の職員が立っていて
勧誘を行っているところまで多々見掛けられるようになった。
このようなキャッチセールスを行う就職研修屋の話は、特に要注意だ。
これこそ、まさに耳を傾けてはいけない典型事例である。
「就職活動中ですか?」などと訊かれても、「違います」などと言って
早々にその場を立ち去るべきである。
冒頭で紹介した幸せの壺売りのような勧誘を行うのは
このように路上で声を掛けてきている人たちに多いのである。

 美容整形業界・結婚活動研修業界(婚活研修業界)では
「顔面偏差値」・「恋愛偏差値」という言葉を使用しているところが多い。
一見して、この用語は、美容整形業界・結婚活動研修業界などが
自分たちが儲かるために使っている用語だとわかるであろう。
「コミュニケーション能力」などはまさに「恋愛偏差値」と狭義でも同じ分類の用語である。
このような研修屋がつくった造語に、未だに惹かれる者までいる。

 なぜ、就職研修屋が「コミュニケーション能力」などという造語を使うのであろうか。
もしも、コミュニケーション能力を職場の人とうまくやっていく能力と定義するならば、
それは「人当たりの良さ」とほとんど同じ意味である。

 それにも関わらず、就職研修屋がコミュニケーション能力という表現にこだわるのは、
顧客の就職活動がうまくいかなかった場合、「コミュニケーション能力の養成が
不十分だったから」と言い、責任を顧客に転嫁できるからである。
もしも、「人当たりの良さ」という表現を使ってしまうと、
抽象的ながら、古くから存在する日本語であるため、
広いながらもある程度、範囲が限られてしまう。
そこで、コミュニケーション能力という日本語とカタカナ英語を併用した造語を使うことによって
より概念を抽象的にして、就職研修屋の責任を無に等しくしているのである。

 青信号を渡っていて落ち度がないのに、デタラメ就職研修屋は
学生に落ち度の理由付けを行うのである。
理由の後付けなので、まともな主張とはなり得ないものばかりになっている。

 

(補足:就職研修屋の虚実)

(1)「なぜ働くか」という問いは、「ひょうたんでどじょうを捕まえる方法を答えよ」という問いとイコールである。にもかかわらず、第一印象を良くして生活費のためだと答えたり、家族の笑顔のためだと答えたりする者が後を絶たない。就職の面接本を読んでいる時間を臨済宗の入門書の読解に充てるべきである。

 上記の見解に対して、メラビアンの法則によれば、見掛け(外見)の情報のみで全印象の93パーセントが形成されるという反論があるかも知れない。
 しかし、メラビアン博士(この人は就職業界では有名人だというのに、心理学界ではあまり有名ではない)の行った実験は「Maybe(たぶん)」という英単語1つだけを様々な表情・しぐさ(写真のみ)・声質(録音した音声のみ)で相手に伝えた時の相手に与えた印象の結果などについて調べただけにすぎない。
 しかも、心理学について書かれた分厚い辞典を調べてもメラビアンの法則という項目は存在しない。心理学の世界ではその程度の扱いの法則が就職業界を牛耳っているのである。

(2)経営コンサルタント・就職研修屋に仕事を頼む前に読んでおくべき書籍。
『非言語コミュニケーション』(聖文社、A・マレービアン、西田司他訳)を読んでもらいたい。
この本は絶版になっているので、図書館などで読んで欲しい。

 また、上の和訳の本が入手できない場合、
『反社会学講座』(筑摩書房、パオロ・マッツァリーノ、2007年)の
139ページ以降を読んでもらいたい。

 この本は、稲葉振一郎明治学院大学教授が『社会学入門』(日本放送出版協会、2009年)の
巻末付録の読書案内でも紹介している。

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