たつのこ半畳記 350

坐禅会情報・四季折々の様子を伝えるときどき日記。
令和3年に開創360年を迎えている起雲山大龍寺のブログです。

★山門大施食会Q&A 四題

2015年05月19日 | 行事報告
平成27年の試みとして「参列された方と住職とのQ&A」という時間を設けました。
主に質疑に挙がった事柄についてメモを掲載します。

 ※掲載している文言は、当日の回答に加除訂正しています。

考え方の1つとして参考になれば幸いです。







Q 今日の「山門大施食会」ってどういう法要なんですか?

A ご先祖様、新亡様など、ご縁のある仏様へのご供養は、多くの方がつとめています。でも少しだけ視野を広くして下さい。世の中には、ご供養を受けられない仏様もたくさんいらっしゃいます。施食会では、自分のご先祖様、親しい方の供養をするだけではなく、もっと広い慈悲の気持ちで、普段ご供養を受けられない“無縁さま” や身内以外の多くの仏様に対しても供養をし、その功徳を積むことに眼目があります。そのような気持ちは、誰もが持つべきではありますが、年に一度、お寺が施食会を主催し、近隣のご寺院様にもご荷担を仰ぎつつ、「全ての檀信徒と共に、この世の中のあらゆる仏様へのご供養をする」という法要を設けているのです。



Q 家族葬など、昨今の葬儀が簡素化していることについて、
   非常に寂しく思っています。このままで良いのでしょうか?


A 葬儀は、縁を結んでいた人たちが故人と向き合い、心静かに「亡き人の成仏を願う」場です。更には「亡き人の想いに気付き、想いを受け止める」という大切な働きもあります。その手掛かりとなるのは、他人の思い出話を聞き、自分が知らなかった故人の別の一面を知ることにあります。
   この点は、ご縁の方々にご会葬いただいて勤めるご葬儀でも、昨今見られる家族葬、近親者だけで営む葬儀でも、変わることはありません。ただ家族葬の場合、目安として四十九日くらいまでは、ご縁のある方から弔問を受ける家庭の準備と、故人の想い出話に耳を傾けようとする心掛けは、きちんと持っていてもらいたいものです。



Q 家族だけで葬儀をしたと聞いた場合、お焼香に行ってよいものか。
   「もう生前のような付き合いはしない」という意思表示でしょうか?


A 場合によっては、ご喪家に手間をかけてしまうかもしれませんが、お気持ちがあるのなら、お焼香に行くべきです。そしてお焼香をしたあと、是非、故人の想い出を語ってあげて欲しいのです。「家族葬にしたらその後の弔問が大変で出掛けられなかった」という声も聞きますが、それ以上に得ること、気付くことがたくさんあるはずです。人は関わり合いの中でのみ生きていくことができます。亡き人がどのような縁の中で生きてきたのか、遺族がどのような縁をいただいて生きているのか。弔問は大切な気付きを得るきっかけとなり、それは紛れもなく、亡き人へのご恩返しとなりましょう。



Q 仏教の言葉遣いが難しいです。例えば「施食会」の「会」という字を
   なぜ「え」と読むのか。「かい」と読んだ方が分かり易いのでは?


A 中国から伝来した漢字は、時代によって読み方が変化しています。が、お寺で使われる漢字・言葉は、時代が変わっても読み方を変えて来ませんでした。仏教の言葉遣いが難しいのではなく、昔からの古い読み方をしているということです。ちなみに「会」を「え」と読むケースは、「会釈」という言葉にも残っていて、お寺だけの特殊な読み方ではないようです。




檀信徒さまがたの仏事相談は、通常は個別にお受けしておりますが、
今回は施食会という場でこのような機会を設けました。
さまざまな立場、環境の方がいる中で一つ一つの問いに応えるのは
非常に難しいところがあり、自分自身の学びにもなりました。

今後も折を見てこのような機会を設けたく思っています。



   《 了 》
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