たつのこ半畳記 350

坐禅会情報・四季折々の様子を伝えるときどき日記。
令和3年に開創360年を迎えている起雲山大龍寺のブログです。

★南隣のマンションのその後

2010年04月29日 | マンション問題
大龍寺の本堂正面(南隣)に10階建てマンションが建ちました。

昨年の冬から日影の影響をまともに受けるようになって、
冬にこそ有り難いお昼の日射しが無くなってしまいました。










こちらにとっては日照に悪影響を及ぼすことになるので、
マンションの計画段階(土地購入前)から
事業主に対して計画の見直しを求めていましたが、
そもそもからして、他人様の土地で行われる計画です。

最低限の基準を定めた建築基準法など関係法規に適えば、
周囲がどんな影響を被ろうとも、建ってしまうものです。








そうはいっても、こちらは350年近く前からある寺院です。

山内で行われてきた宗教行事や敬虔な心情が阻害されないよう、
様々なケースを想定して、申し入れをしていました。


・日照を奪わないよう高さを抑える

・墓参や法要の人を覗かないよう視線を遮る

・入居者が宗教行為を理解するよう十分な理解を促す


設計上、聞き入れてもらえなかった部分も、
聞き入れてもらえた部分もどちらもありました。


まず、高さについては全く変更無し。
30メートルの高さ規制ギリギリの29メートル98センチ!

視線については、スッタモンダして4階までは型ガラス。

そして最終的に入居者がお寺について理解した上で
このマンションで住み始めてもらえるか?という点は、
事業主の姿勢に疑問が残りました。





―― ここより、第12回建設部会・総務部会で報告 ――





2月26日、事業主の担当者に立ち会ってもらった上で
購入者が決まっていない一室(6階)に案内をしてもらいました。





外部階段から。

階段のルーバーは、こちらが要望した部分です。

横方向のルーバーのため、水平方向は隙間から見通せますが、
垂直方向に視線をずらすと、見えにくくなっていきます。







部屋に入りました。

当方に面する北側の窓は2カ所ありました。

窓と床の間に梁があって「逆梁」と言うそうです。
乗り出さないと窓際までは行かれなくなっています。

 





窓からお寺を覗いてみます。

おお!

「雲ジィじゃ」と言いたくなる気分です

本堂前の松と月桂樹が幾分は目隠しになっていますが、
堂内の窓際は、そのまま覗けてしまいます。





墓地については、本堂で隠れている部分以外は
全く隠れるところがなく見えてしまいますが、
直前にお供えした線香の香煙は全く届きませんでした。





夏目坂通り反対側の墓地に目を移すと、
大龍寺の管理する若松墓地は、手前の家屋に隠れています。

見えているのは向かいの宝祥寺さんの管理している墓地です。








ついでに、音の確認もしました。

本堂内の鐘・木魚・太鼓を打ち鳴らしてみましたが、
注意して耳を傾けないと聞こえない程度。

夏目坂通りを通過する自動車の走行音の方がよっぽど耳に入ります。


一緒に確認している事業主の担当の方も、
お寺の鐘も木魚もこの程度では苦情にならないとの判断でした。





―― ここまで、第12回建設部会・総務部会で報告 ――







ちょうど建設途中の東京スカイツリーが見えました。

霞んで見えていたのでかなり遠いようですが、
さすがに高さがあるためか、よく目立っていました。


クリックすると部分的に大きくなります。














そういえば…



これまでお寺でやってきた行事やお参りなどに対して
新規入居者がいきなり苦情の声をあげられても困ります。

住み始める前から、周辺には寺院が多くて、
特に隣のお寺で毎日何をしているかということは、
事前に承知して居を構えて当然だと思います。

事業者には、事前に文書で年間行持の様子などを伝えました。









この文書を受け取った担当の方はよく理解をしていましたが、
最終的に販売する段階で購入検討者に積極的な説明は無し。

重要事項説明書に「周辺環境をよく確認してから購入しましょう」
という主旨で一文を記載するにとどまっていて、
購入検討者からお寺について質問があった場合に
その質問事項についてのみ返答していたとのことです。





とにかく売ってしまえばそれでOKで
入居者がその住居でどんな人生を送るかは二の次という姿勢…。

一抹の不安を抱きつつ、3月には引越ラッシュが続いていました。



案の定、「あー、隣はお寺なんだぁー。」と言いながら
散歩に出掛ける若い二人連れに出くわしたり、
ベランダから外を眺めたのか「おてらぁー!?」という声が聞こえたり。




お寺の中で法要等をしていれば鐘や木魚の音がします。
これからは、いろいろな文化活動も催していきます。
たまに葬儀があれば、霊柩車だって出入りがあります。

中には、長くお付き合いをして下さる方も現れるでしょうし、
お寺の雰囲気にも馴染んでいってもらえればと思います。
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★南隣のマンションの影

2009年12月30日 | マンション問題
南向きに建てられているたつのこ寺の本堂は
昨年までお日さまの温かさを目一杯に享受してきましたが、
南隣の10階建てマンションが立ち上がったこの冬からは
環境がガラッと変わってしましました。




冬至の本堂の様子を時間を追って撮影してみました。


10:20 昨年まではこんな日射しが朝から夕方まで続いていました。





11:28 向かって右側から日射しが無くなってきました。





11:34 そろそろ南中時刻です。





11:46 この時間から室温が下がってきました。





11:47 アングルを変えました。





11:56 本堂内の日なたが、風前の灯火です。





12:26 外の日なたはサンサンに明るいのに、
     本堂の中はすっかり影の中になってしまいました。

     このまま午後2時頃まで日影の状態が続きます。






午後2時には再び日が差し始めますが、
1時間ほどでまた別のマンションの日影になってしまいます…。



現在の高さ規制・日影規制などに変更がなければ、
南東方向に6階以上の建築物は建たないはずです。

11時半前後まで日射しがあるのは不幸中の幸いと思うことにしましょう。
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★隣で建設中のマンション現況

2009年08月10日 | マンション問題
隣のマンション建設現場は5階まで進んでいます。

最終的には10階建てとなりますので、
この倍の高さ!になるんですね…(涙)




  






この工事が始まる前から、騒音の発生する作業は、
法要にかかる時間帯には止めてもらっています。

ところが先日、同日に3軒の法要が重なったときには
「1軒分は作業をさせてもらう。どの時間帯ならいいか?」
という主旨の申し出がありました。

どの法要なら騒音を発しても良いなどと区別はできず、
先方の期待するような返答はしませんでした。



その後、同様の連絡が再度ありました。

3軒の法要中に騒音を発する作業を止めることは、
一日の作業時間を確保する上でも難しいとのことでした。



一日に最大で3軒は法要をすることもあると伝えた上で、
法要中は騒音を発する作業はしないとの約束を結んだのですが、
実際には、2軒までは止められても3軒はできないとの事…。




約束と違う申し出に憤慨していましたので、
約束を守れ!の一点張りでも良かったのかもしれませんが、
こちらとして出来る事をしました。

読経以外の説明、案内にかかわる部分を割愛・短縮し、
読経の早さを多少早めにして法要全体の時間を
通常の約1時間から45分間に短縮。

3軒分の法要時間を静かにしてもらうようにしました。

法要の時間が短くなったことは残念ですが、
こちらが僅かでも時間を作ったことによって、
法要の時間が騒音でうるさくなることは避けられました。





マンションのウェブサイトもできたようです。

事前に説明されていたことと違う点があって、
「ファミリー層向け」と言っていた物件が
「シングル・DINKS向け中心」と書かれているんですが(@_@)




作業時間の件にしても、販売対象の件にしても、
都合が良いように言いくるめられてきた気がします…。

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★お隣の建設現場(6月)

2009年06月27日 | マンション問題
写真は、本堂屋根から。
(現場の更に向こう側のマンションは7階建て)



南隣のマンション建設は、
3階までの構造が終わったようです。

この写真の後、コンクリート流し込みも終了し、
今週から4階部分へと作業が伸びています。

建築業に携わる方から、
2階を作るのも、3階を作るのも、4階を作るのも、
階層が1つ上がっても同じ事の繰り返しですよ。って聞きました。

気が遠くなるような話のようにも思えますが、
今年の内に10階までの構造は出来上がってしまうようです。

次の冬は、本堂にお昼の陽光が当たりません…。



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★本当に苦々しいのはこれからか…

2009年05月24日 | マンション問題
今年2月に着工した南隣のマンション建設。

3ヶ月を経て基礎部分が出来上がったようです。

こちらの屋根から工事現場を眺めると、
基礎部分にはコンクリートがしっかりと流し込まれています。








今まで鉄板の向こう側で窺い知れませんでしたが、
仮設の足場が立ち上がって来ました。

現在は地上1階~2階にかけての作業をしているようです。






これから1階ずつ立ち上がっていくと思うと
気分は沈んでいきます…。





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★解体工事に関する補修・補償の協議

2009年01月14日 | マンション問題
先週の9日(金曜日)午後2時過ぎより、たつのこ寺・事業主・総合企画会社・解体業者・調査会社が集まり、解体工事に関する補修・補償の協議がひらかれました。




解体工事の影響を調査した調査会社は、

墓石について
 事前調査と事後調査での違いはあるが、測定機器の誤差の範囲内。

家屋(本堂・庫裏)について
 本体の解体が始まって僅か3日間で影響が生じたために急遽行った現況調査と、工事後調査との比較なので、厳密な結論は出せない。
 ただ、本堂と庫裏の接合部分には明らかな影響が出ている。それ以外の部分については、調査結果からは解体工事の影響であると断言はできない。影響が出たと指摘された部分も、経年変化・湿気の吸収によるものであると考えることもできる。

との調査結果を提示した。

一方で解体業者は、すでに取り交わしている文書(現況調査をした時)において「本堂正面の扉・東側控室のサッシ・西側控室の障子」については補修をし、その他の部分では誠意的に補修をするとの内容(当時、解体工事再開の条件としてこちらが厳に要求したもの)を改めて提示し、調査結果は補修方法を決める際の参考にするとのことでした。




たつのこ寺の見解
 たつのこ寺の檀信徒に建設業の方がおり、調査会社による解体工事後の状況認識・調査データから導き出された所見が、明らかに事業者寄りであるとの指摘が挙がり、一同、「第三者機関の調査」との建前に不信感を覚えた。
 そのため、現在の本堂の躯体が根本的に曲がっていないかの確認が取れなければ、安心して今後の寺院を運営していくことができないとの認識を持った。


 そこで、事業者とたつのこ寺とで話し合いをし、下記の項目を実施してもらうことになりました。

・躯体(本堂を支える10本の柱と、柱を繋ぐ梁)の水平垂直を確認し、
 今後の倒壊などの恐れが無いかどうかの検査をしてもらう。
 現今の調査会社への不信があれば別の調査会社へ依頼する。

・現に影響の出ている部分の補修方法を検討するために、
 該当する内装の水平垂直状況の確認と、補修方法の検討

・上記調査を元にした補修

・粉塵をかぶった墓石の清掃をどのように行うかについての検討


上記の結論を得るまで、4時間を超えて議論が交わされました。





 また協議が終わってから、事業全体の経過報告の1つがありました。既に説明会を開いた施工業者の変更を検討しているとのことでした。
 この件については、この協議の4日後に新しい施工業者が決まったと報告を受けました。



お寺の正面に10階建てマンション。
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★相手として情けない

2008年11月24日 | マンション問題
21日(金曜日)のことです。

本堂正面(南隣)の10階建てマンション計画地で行われている解体工事中に、現場とたつのこ寺との敷地境界に打たれていた「境界杭」を無断で抜かれました。


先方が言うのには、
万年塀を撤去する際に境界杭と一体になっている部分があって
一時的に杭を取らざるを得なかったとのことですが、
それにしても、事前の相談も無いとは!




境界杭に手を出す時は、相談をすべきだということは、
法律を知らず、ノウハウを持ち得ない素人であっても、
世間の常識として持ち合わせている感覚です。

「万年塀を撤去すると杭が抜けますが、工事後に直します」

という相談があれば、これを断る気なんてないのに、
たまたまこちらが気付いたから問題が起きて、
苦情を言ったら、今度、謝罪と事情説明に来るとのことです。




不動産開発を生業にしているはずの業者が、
こんな常識的で初歩的なミスをするとは…

ひねくれた考え方もしたくなります。




もし、万が一、わかっててやったのだとすれば、
事業成功のためには手段を選ばない不誠実極まりない事業者です。




刑法第262条の2

[境界毀損罪]

境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法により、土地の境界を認識することができないようにした者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
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★解体工事の再開

2008年10月31日 | マンション問題
遅くなりましたが、解体工事再開までの話し合いについて。

■■■月曜日■■■
先週木曜日から3日間は完全に作業が止まり、
先方の担当の方との協議を重ねて来ました。

月曜日の午前中、
交渉担当の方の他に、解体工事会社の責任者と
家屋調査の責任者の方も交えての協議となりました。

工事ストップ以来、2回の協議を経て今回の工事再開を前に最終的に確認しなければならないことは、主なものは次の通りでした。

・現に起きている本堂の被害に対する措置をどうするか

・事前の家屋調査をどう認識していたかについての確認

・今後の解体工事のすすめ方について

などでした。
およそ2時間の協議の中で主に次のようなことが確認できたため、
工事の再開へと進んでいきました。

・現に起きている本堂の被害は、調査資料の結果を待たずして認める。

・事前の家屋調査は、周辺地域の被害状況を把握するためのもので、
 調査をしていない所のフォローをしないということではない。

・散水量と解体スピードを落として、騒音振動を軽減する。




その結果、火曜日までは桁違いな静かさの中で工事が進められました。

水曜日以降は工事の進捗状況が変わったためなのか、
時々振動が大きいこともないわけではありませんが、
近隣の工事ですから「お互いさま」のレベルと思ってやり過ごしています。




先方の業者さんには、住職・副住職・総代さん方などの協議に参加した人がチャンと納得出来るまで同じ事でも何度でも何度でも説明して下さって、非常に感謝しています。

計画の概要が明らかになり、事業者の様子をネットなどで調べて見たところ、全国各地で紛争を抱えている会社だとわかり、内心は身構えながら様子をうかがっていました。ただ、こうやって話をしていると、担当の方自身は、こちらの理解を最優先に仕事を進めてくれているようで、何よりでした。

ただ、たつのこ寺の門前に30メートルのマンションという計画そのものは、今後、その内容についてお寺への悪影響が出ないよう、何度でもお願いをしていかなくてはなりません。
これからも誠を尽くしながら話し合いをしていきたいと思います。
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★解体工事はまだ止まっています

2008年10月25日 | マンション問題
■■金曜日■■
 午前中。
 役所の方にご同席の元、交渉担当の方・解体の現場監督との話し合いが再開されました。前日の話し合いに対する事業者の回答ということで話は始まりましたが、次の点から話し合いは持ち越しとなりました。

・現に起きている本堂の被害に対する措置をどうするか

・事前の家屋調査をどう認識していたかについての確認

 そして次回の話し合いは週末を挟んだ翌週ということになりました。
 また今回の回答書には事業者の印鑑が間に合わなかったので、晩に文書を整え、再度持参していただくということになりました。


■■金曜日 PART2■■
 晩。
 交渉担当の方、現場監督の2人が、書式を整えた回答書を持参されました。また、これと並行して、現に起きている被害に対する措置を明記したものも用意され、「要望通りの文書を作成したので、明朝からの解体工事をスタートしたい」との提案もありました。
 担当の方ががんばってくれたんだろうなという事が察されました…。ただ、総代さん方を含んだ午前中の協議で「次の話し合いを翌週月曜日に行う」ということで散会した経緯から、ここで住職と副住職のみの判断で工事再開を了解することは檀信徒総代さん方へのスジが通りません。
 担当の方のお気持ちを察すると申し訳なく思いながらも、月曜日の協議までは工事の再開は待って欲しいと丁重にお断りしました。






■■感謝 その2■■
 本堂の正面に10階建てのマンションを建てるという計画に驚き、戦々恐々としたなかで第1回の説明会に出席し、要望書に対する回答を受け、その度に担当の方とは話し合いの機会を持って来ました。
 その際に話し合われた内容はまだまだ容易には受け容れられないものですが、担当の方には非常に感謝しています。当初抱いていたイメージとは異なり、私たちが納得できるよう、一貫して分別を弁えた話し合いを続けてきてくれているからです。
 建築紛争では、協議の場を設けるだけでも一苦労という話も聞く中で、今までのところ常に紳士的に話し合いが出来ているという事には、非常に有り難く思っています。

 話し合いに参加している住職・副住職は、自らが納得した後に全ての檀信徒に対して説明をして行かなくてはならないという責任が控えています。だからこそ私たちも感情的になることを抑え、とにかく継続して話し合いを続けていきたいと思います。
 最終的にどういう形になるかはわかりませんが、マンションは建設されるでしょう。少なくとも、たつのこ寺の宗教生活が損なわれることが無いよう努めて行きたいと思います。
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★解体工事を止める

2008年10月23日 | マンション問題
本堂正面に10階建てのマンション建設の話。

今月から解体工事が始まっています。

まず低層家屋(1階RC駐車場+2階木造住宅)の解体が終了し、
今週からRC5階建てマンション部分の解体が始まりました。

想像を遙かに超えた騒音・振動・粉塵が発生して、
通常の生活をしていくことが困難な状態に巻き込まれています。

事業者と寺院とのお互いの人間関係を良好にしつつ
話し合いを進めていこうと配慮してきましたが、
先方の工事のすすめ方を目の当たりにしたことによって
その考えが寺院の保全という観点からすると
非常に甘かったということがわかってきました。



以下、今週の4日間の動きです。



■■月曜日■■
 2階から4階までの廊下部分(手前)の解体が行われていたようで、本堂がユラユラと揺れていました。次の日わかったことですが、近隣住民から振動と粉塵の苦情が役所に行っていたそうです。




■■火曜日■■
 5階部分から順次フロアの解体が始まったみたいで、たつのこ寺全体がユッサユッサと揺すられている?感じでした。人によって感じ方は違いますけど、震度3?ほどの横揺れが一日中続いているようなものでした。

 それでも午前中は、お寺の者は我慢をしていましたが、建設業界に携わる檀家さん(世話人をしてくれている方)が午後になって別件でお寺に来た所、解体工事のやり方が近隣住民を無視した非道く乱暴なやり方であることがわかりました。

 すぐさま役所の公害課に連絡をしたところ、既に別の近隣住民から怒りの通報があったようで、公害課の方が現地の確認をしている最中でした。引き続き、たつのこ寺にも来ていただきました。

 併せて現場に赴き、工事の中断を申し入れました。すると現場の人は「監督が文房具屋に買い出しに行っていて止められない」「解体工事は住民への了承が得られている」との旨を主張されたまま。その後しばらく経って解体工事が止まり、現場監督がたつのこ寺に来て交渉が持たれました。


◆指摘1 解体のスピード
 5階建てマンションの解体が始まって1日半にしては、進捗具合が早すぎる。RCを大きなペンチのようなモノで挟んで潰すという話だったが、実際にはスピードを優先するためか引きちぎって解体をしていて、騒音・振動・粉塵を引き起こしている。

◆指摘2 振動対策
 粉砕したガラ(解体した残骸)を寄せ集めて、その上に重機を載せることによって振動を軽減する事ができるが、解体開始時にはガラがない。他の現場から調達したり、砂利などを用意する事なく解体を始めた事が振動の元になっている。

◆指摘3 水かけの量
 粉塵対策として水かけをしなくてはならないが、5階部分へ水を掛けるための水圧が不足していることを理由に、ホースの本数を重機先端と地面からの放水の2本にしていた。通常であれば、3本から4本用意すべきではないか。水圧の低下について対策を取らずに水量(ホースの本数)を減らしたため、粉塵が舞い上がるのではないか。

◆指摘4 家屋調査の再実施
 近隣住宅へは地境でなくともの家屋調査をしていることがわかった。地境だけやればわかるとの説明のもと、地境の墓石のみ家屋調査をしたのは何故だろうか?たつのこ寺の本堂は高床式RCなのだが、振動に弱く、影響が出やすいと判断し敬遠したのだろうか。
 本堂・庫裡の家屋調査を早急に実施することをお願いした。


 上記等の指摘点を持ち帰ってもらい、家屋調査するまで工事ストップとのことでその場は終えました。しかし1時間ほどして「振動が少ない方法にするから工事を再開したい」とのお願いが来ました。世話人さんは帰った後だったため、「お互い様なので…」ということでOKしました。ただ、これが新たなトラブルを生むことになってしまったのです。



■■火曜日・工事再開■■
 工事が再開されました。再開からしばらくは中断前よりも振動は軽減されていましたが、その後、まさかの事態に…。工事を中断する前よりも激しく、まるで「当てつけか!?」と思うほどの振動・騒音が終了時間まで続き、その日の工事は終了しました。




■■水曜日■■
 当たり前のように、朝から工事が再開されました。防音壁を支えている壁面部分を残して上から順番に解体しているようです。結局、騒音・振動・粉塵は改善されず、元に戻ってしまったようでした。

 本堂と庫裡の家屋調査を翌日に行うことになったと、世話人さんに連絡したところ、家屋調査をする前に工事を再開させてしまうと、騒音・振動の酷い作業を敢えてやられてしまう恐れがあって、本堂の保全ができない!とアドバイスが入りました。急遽、たつのこ寺にて近隣の総代さん方にも集まっていただき、対策を協議しました。

 結果、本堂と庫裡の家屋調査と総合企画会社(折衝窓口)からの十分な説明を得られないままの工事が行われた場合は、今後に大きな問題を抱えることになるということで認識を1つにし、翌日を迎えました。




■■木曜日■■
 朝。
 家屋調査があるのに当然のように工事をしようとしていたため、現場監督に直訴しましたが、監督は「自分には工事を止めるだけの権限がない。工事は時間通り開始する」「自分が被害のあるという家屋に行くから了解して下さい」と主張するばかり。監督が現場を離れても良いのかなぁ…と思いつつ押し問答をしていたが埒があかず、一緒にいた世話人さんが「現場に一般人がいたら工事は出来ないだろう!上司に報告しなさい!」と現場のガラの上に居座り。たつのこは、解体業者・総合企画会社・区役所に連絡を取り始めました。

 しばらく経って携帯電話経由で解体現場監督の上司から連絡があり、家屋調査が終了するまで工事は再開しないということになりました。

 また、役所の公害担当の方と総合企画会社の担当さんにも来てもらい、説明と現実が余りにも違う事と、近隣に対する配慮の感じられない作業実態への対処を求めました。


 緊迫した協議を経て、今回の件についての回答を業者からいただく事になりました。明日の午前中。公害課の方の同席も非常に心強いものです。





■■感謝■■
全く別件でたつのこ寺に来られた世話人さんの指摘によって、
今回の解体工事が「お互いさまだから」という我慢の限界を逸脱した
非常に強引なすすめ方であることに気付かされました。

最重要に考えるべきはたつのこ寺の本堂が被害を受けないことで、
本堂の保護のために必要なことをハッキリと要求しなくてはならない。

そのために努力していきましょう!と手を携えてやってくれる人が
最も危機的な状況の中で現れてくれたのが有り難いことです。


たつのこ寺は、たくさんの人に護られています。


そのことを、今、ヒシヒシと感じています。
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★隣地の家屋が

2008年10月02日 | マンション問題
 

現場を北東側から        現場を北西側から

今日から騒音を伴う解体工事が始まりました。

長年見慣れてきた風景が変わりますが、
たつのこ寺にとって大切なものは変わらないよう、
勤めていきたいと思います。

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★お寺の新聞。その反響は…。

2008年09月16日 | マンション問題
お寺は、いろいろな行事の案内のために
お誘いのお手紙を送ることがあります。

ただ、行事の前に案内文を発送するという形だと、
決まり切った「行事の案内」しか書くことができません。

せっかく郵便代をかけてお手紙を送るんですから、
仏教のこと、禅のこと、たつのこ寺のこと、
時節に応じてお話ししたいことをどうやって伝えようか?
と考えました。




そこで、年に4回、季節ごとに新聞を発行することにしました。
対象は、お檀家さん、信者さん、ご縁をいただいている方などです。
はじめのうちは、記事内容についての反応もなく、
投げっぱなしの状態に沈むこともありましたが、
新聞を始めて1年(4回発行)ほど経ったころから、
いろいろな反応をいただけるようになりました。




先週は「秋のお彼岸」にちなむ新聞を発行しました。
紙面構成は、こんなかんじでした。



 1ページ目
  ・秋のお彼岸について
  ・たつのこ寺350周年について

 2ページ目
  ・ほうこく(夏季坐禅会8/1・2・3・永平寺主催文化講演会6/15)
  ・おしらせ(達磨忌坐禅会10/4・成道会12/8・檀信徒奉仕会12/14)

 3ページ目
  ・永平寺東京別院法脈会(お授戒)について
  ・連載「ハルピン3000人の死③」

 4ページ目
  ・緊急「本堂の正面に10階建てのマンションが!?」





先週の水曜日に郵便局に持って行きましたので、
檀信徒さま方のお手元に届いて数日が経過している頃です。
さっそくこの連休中に、新聞の反応が返ってきはじめました。

一番多いのはメインのお彼岸の事ではなく、
たつのこ寺が直面している大問題、4ページ目の
「本堂の正面に10階建てのマンションが!?」のようです。





降って沸いたような厄介な問題ですが、
書院の建設も、350周年のお祝いも
これを解決しないと無事に迎えられそうもありません。

先月には第1回目の説明会があったので、
こちらからの申し入れをしました。

ようやく来週になって、その回答がもらえるようです。
それがこちらの安心できる内容なのかどうかは分かりませんが…。



ただ、これから周年行事を迎える前段階として、
現に営まれている宗教生活と環境条件の大切さについて
檀信徒みなさまと一緒に見つめてみるよい機会になりそうです。

このマンション問題については、
追ってお知らせしようと思います。
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