王子のきつね on Line

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モノづくりのプロとは~耐震強度偽装問題を考える~

2005年12月02日 14時25分50秒 | 時事ネタ
耐震強度偽装問題で、姉歯秀次建築士の構造計算書偽造を見抜き、検査機関・日本ERIとイーホームズに通報した東京都渋谷区の設計事務所代表(44)が、姉歯建築士の図面は「はりや柱が細く、鉄筋の本数も少なかった。どれも常識では考えられない水準だった」と朝日新聞の取材に答えたという。どうも、この偽造は、わかる人が見れば、一発でわかるようなシロモノだったようだ。

「こんな図面通ったら大変」偽装通報者、1年半前に指摘(asahi.com/2005年12月01日08時39分)
木村建設などにも「おかしい」と通告 神奈川の設計会社(asahi.com/2005年12月02日06時15分)

じつは、オイラが以前教えていた専門学校の卒業生にこの手の才能をもった男がいた。彼は、機械が見逃すような些細なミスを見つけ出す能力を持っていて、ある中小企業の製品管理の仕事をまかされている。彼がこの仕事についてから、不良品の出荷が異常に減ったため、社長から感謝されているのだそうだ。
  オイラはもちろん、工業担当の教師も彼の才能はまったく知らなかったので、ひじょうに驚いている。というか、オイラなんて、彼が印象深い生徒ではなかったので、どんな生徒だったのかほとんど忘れてしまっていた。ここでいう印象深い生徒とは、(1)問題をおこす生徒(態度>成績)、(2)よくできる生徒、(3)ふつうの生徒の順である。w

オイラの父方の祖父も、その手の人で、もともと左利きだったが、直されたので、左右の手が同じように使えたのだ。
  祖父の生まれた家は地元の地主でとても裕福な暮らしをしていたのだが、両親が伝染病であいついで死に、家督は祖父の叔父のものとなった。そのため、叔父から商売を命じられ、米屋をやったのだが、商売がヘタだったので、たちまちつぶしてしまったそうだ。
  徴兵されて、兵隊となったが、器用だったので、兵器の修理を命じられた。ここで、才能を発揮して、祖父が直した兵器はとても性能がよかったので、自分たちの兵器を早く直して欲しい部隊長がワイロを送ってくるようになった。
  兵役が終わると、製紙会社で働くようになり、人の数十倍の給料をもらっていた。ただし、祖母が経済観念の乏しい人で、戦争で物資が不足していたのもあって、その給料はほとんど食糧になってしまった。
  戦後も、その製紙会社で働き、社長の義手をつくったりしている。専門家のつくった義手が使い勝手が悪かったので、祖父がつくったらしいのだが、そんな専門教育を受けていたわけではない。
  祖父は、高等小学校しか出ていなかったため、幹部になることができなかったが、代わりに子会社をわざわざつくって祖父にまかせてくれた。しかし、オイラが生まれると、仕事より孫と遊ぶ方がおもしろかったらしく、会社はすぐにやめてしまった。
  家に祖父がつくった人形箱がある。同じような人形箱を父もつくったが、木が反ってしまって、ちょっと変形している。父によると、祖父は木がどれくらい反るか前もってわかっていたので、反らないようにつくることができたのだそうだ。

そもそもプロというのは、マチガイを見のがさないから、プロとして認められているのであって、今回のような事件をおこす人がこんなにたくさんマンションをつくっていること自体がマチガイなのである。
  製造業では、不良品を出したら、もうつぎの注文は来ないくらいキビシイらしい。だから、不良品を見つける才能をもった社員が必要とされているのである。建設業界には、マンションを何が何でも安くつくるというキビシサはあっても、不良品を売ったらオシマイというようなキビシサはないのかな?と思ってしまう。

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