夏の思い出2

もう何ヶ月も思い続けていたことにギターを買いたいということがありました。高校時代に、教室でギターの弾き語りをするクラスメイトが格好よくて、自分もフォークギターを買ったものの、格好よくはならないまま現在に至りました。ジャ ラーーーンなんて簡単な伴奏くらいならできるものの、ギターが弾けるなんて良心が言わせない私。結局、結婚後そのギターは捨ててしまいました。

そして、息子たちがまたそれなりの年齢になったこともあり、彼らも少しくらいギターだって弾けたほうがいいんじゃないのかなと、いらぬ親心で、タイミングを探していたのでした。

泉佐野市のりんくうプレミアムアウトレットにある楽器屋さんで、恐る恐る「ギターを買いたいのだけれど」と店員さんに言うと、予算を聞いたうえで数本のギターのチューニングをしてくれました。どうせ家の中で弾くんだからちょっと小さいボディのがいいなぁと漠然と思っていたのですが、私のような者でも音の違いは多少わかるようで、フルサイズボディのほうがよく鳴るような気がします。「一応、この価格からは表が単板で…」などと言われて、ま、比べてみると違いがわかるかなくらいです。ちょうど、電気屋さんで隣のテレビと比べて、色がくっきりしているとか、華やかな色合いとか思うようなものでしょうか。それな りに納得して買って帰ったのは、モーリスというブランドのギター。昔、「モーリス持てばスーパースター」とか言っていましたね。昔買ったものと同じブラン ドでした。でも今は楽器だって中国製なのですよ。

毎日、少しずつ触ってはいるのですが、左手の指先にタコができるにはまだ時間がかかりそうです。でも、コードはだいたい押さえられますから、20年ほどのブランクがあっても覚えているものなんですね。驚いたことの二つ目。フォークギターなんて10年20年でそんなに変わるものではありません。この目まぐるしい世の中で恐ろしいほど変化していないものです。ところが変わったのが電子機器。昔、音叉や調弦用のハーモニカで音合わせをしていたものが、今はマッチ箱くらいのチューナーです。ギターのヘッドに挟んでスイッチを入れる。どの弦でも判断して、もっと弦を巻くのか緩めるのかを画面で教えてくれるのです。

ギターを始めた頃、自分の耳の（高低の聞き分けの）悪さに情けなかったものですが、このチューナーがあれば、初心者でもチューニングができてしまいます。

ところで、父親の奮闘ぶりとは裏腹に子供達はまったくこの楽器に興味を示しません。