ぶろぐのおけいこ

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村櫛 へぇー!そうだったのか!? 浜松市(3)

2022-11-28 20:07:17 | PiTaPaより遠くへ

 大草山の展望台からも見える、グランドエクシブ浜名湖。この周辺を地図で見ると、興味がわいてきます。どう見ても干拓地、埋め立て地にしか見えません。浜名湖の中で一番大きな半島、北から弁天島に近づくようにある半島を庄内半島といいます。かんざんじ温泉から、まっすぐ南にある半島です。その半島の中ほどを走ってみましたがいくらか標高のある景色です。ところが、村櫛と呼ばれる地域にやってくると、ほぼ平面で埋め立て地?と思われる起伏のない土地になります。半島の一番南は明らかに埋め立てた形が地図からもわかります。四角形で陣地取りをしたような埋め立て地は、ゴルフ場と浜名湖ガーデンパークという公園になっています。また疑問。ゴルフ場や公園を作るために干拓したのか?ということ。

 浜名湖はもともと淡水湖であったのが、1498年の明和地震により海と隔てていた弁天島辺りが決壊して、海とつながってしまった。それで汽水湖となり、豊富な海産物を生む浜名湖になった。ところが、淡水湖だった期間はそんなに長い時間ではなく、入江だった浜名湖部分の湾口が塞がれてしまったのが3500年くらい前。それから1700年くらいかかって淡水化。1300年の淡水湖の歴史を経て、明和地震にいたるのだそうです。その地震で海とつながったところが、今切。よく出来ています。「今、(堤が)切れた」というわけです。それで納得できました。近江は近つ淡海が二文字化したもの、遠江は遠つ淡海と、昔教わったことがあります。近つ淡海が淡水の琵琶湖であるのはいいとして、遠つ淡海の浜名湖が汽水湖であるなら、淡海ではないじゃないか。いやいや、1300年間淡海であったわけですから、間違いではないのですな。

 伝説があるそうです。村櫛は、もともと今切近くに村越という集落があったのが明和地震で沈んでしまったものだから、引っ越してきた出来上がった集落だといいます。これを村櫛伝説というそうです。ではその半島の一番南の干拓はいつ、何のために?「浜松の生い立ち」というサイトによれば、大正5年の地図には、すでに2か所の干拓ができているように見えます。養鰻場と書かれています。昭和14年の地図では4か所の干拓、東から3つは養鰻場、一番西は荒地のように見えます。昭和32年の地図では、干拓地が南へ延びて、ほぼ今の形になっています。延びた分は畑。養鰻場はそのまま。平成2年では、養鰻場は一番東のエリアのみ。平成19年の地図では、グランディ浜名湖と、浜名湖ガーデンパークの文字が見えます。

 つまり、うなぎの養殖池として土地を囲い、やがて畑として開発しようとしたものの、最終はホテルや公園になってしまったということなのでしょう。

 すると次の疑問。養鰻場の面積が減少したら、うなぎの生産量も減少するのではないか。日本養鰻儀業協同組合連合会サイトにはつぎのように書かれています。

  • 浜名湖周辺のうなぎの養殖の始まりは、1897年、服部倉治郎による。
  • 最盛期には静岡県産うなぎは、全国生産量の4分の3を占めた。
  • 1982年に都府県別生産量で、愛知県がトップになった。
  • 国内生産のピークは1989年、39704トン。現在は20000トンを割り込むくらい。
  • 輸入うなぎに押され、養殖池、業者、生産量とも減少していく。
  • 令和2年の都道府県別生産量は、1位鹿児島県7057トン、2位愛知県4315トン、3位宮崎県2856トン。そして4位にやっとこさ静岡県で1536トン。

   全国のうなぎ生産量が16887トンですから、今や、浜名湖周辺を含む静岡県は、全国の10分の1にも満たない生産量しかないということになります。それでもうなぎといえば浜名湖と、私たちは連想します。生産量とブランド力や味はイコールではありませんからね。

 というわけで、養鰻場になったはずの土地が、今やゴルフ場になっているというお話しでした。

 ところで、この日の晩御飯は17時30分の予約でした。昼のうなぎがまだお腹に残っている。折角のおいしい料理なのにもったいないことをしました。晩御飯のメニューのなかに、うなぎが入っていないことを願いました。入っていなかった。ふぅ。道路を走っていてもこれだけうなぎ屋さんがならぶ土地柄です。このホテルに泊まるみなさんも昼ごはんでうなぎを食べているんでしょうね。

 もと養鰻場の上に建つグランドエクシブ浜名湖でのお話しでした。

(つづく)

 


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