世界一周の記録

2006年8月から2008年9月まで2年1ヶ月の世界一周放浪の旅をしていました。その旅の記録です。

25日間のインド・ヨガライフ

2008年04月28日 19時38分17秒 | アジア

なんと気づいたら25日間も滞在していたインド・リシュケシュでのヨガ修行生活(ヨガライフ)についてです。(現在はパキスタンにいます。)


インドのリシュケシュという場所はヨガ修行の聖地らしいです。町の中にはサドゥーといわれる修行僧がたくさんいます。ガンジス川の上流にある風光明媚な場所で、その山や川のある風景は日本を思い出させてくれます。そのため、ここにいると心がほっと落ち着きます。

山と川の風景。日本っぽいですよね。

バーベキューとビールが恋しくなります。しかし、修行者の町リシュケシュではどちらも手に入りません。

僕が滞在したヨガ・ニケタンというアシュラムは、料金が高いので外国人向けの施設という感じでした。広大な敷地内は清潔に保たれており、受講者のほとんどは外国人というか日本人で(たまに大金持ちのエリートインド人も来ます)、施設の外に出ない限りはここがインドであることを忘れてしまいます。アシュラム内は、一般的なインドのイメージ(不潔・騒音・インド人だらけ)とは全く逆の場所でした。

緑多いアシュラムの雰囲気



フェスティバル期間中のある土日に集まってきた付近のインド人修行者の皆様。

タダ飯を食うだけ食って帰っていかれました。

山の中腹なので、たくさんの猿がやってきます。

彼らは団体行動なので、いったん彼らがやってくるとアシュラム内は動物園のような状態になります。

部屋を出るとそこには猿



そんな素晴らしい雰囲気の中でヨガのレッスンを受けたのですが、そのレッスン内容は中々ハードでした。ハードだと噂には聞いていたけど、噂どおりでした。一つ一つのポーズのキープ時間が結構長く、ポーズを変えている間もずっと腕を上げっぱなしだったりするし、1時間のレッスン中同じ箇所を延々と責められるし(例えば背中だけとか股だけとか)、ヨガというよりはこれ筋トレでしょうというような腹筋運動を延々とさせられたりとか、上海雑技団のような超人ポーズをさせようとしたり(もちろん受講者は誰もできません)します。3人いる先生の1人は、「どS」とあだ名されるほどハードレッスンに定評がある人で、筋肉も関節も超きついポーズをさせておいて「そのポーズを10秒間キープ」といっては超ゆっくり10秒を数えた挙句、11、12、13とさらに20までカウントアップしたりして、受講者を恐怖と絶望と怒りに打ち震えさせます。

どSなヨガ先生。31歳。


あまりにもハードな内容のため、日本のフィットネスクラブのようなレッスンを期待して来る人からは苦情が出たりするみたいです。また、ある年配の欧米人の女性はよっぽどハードな内容に頭にきたのか、オフィスで文句をさんざん言った挙句違うアシュラムへ移っていきました。日本のフィットネスクラブでヨガの先生をしている日本人がたまに来たりするのですが、「こんなの日本では絶対にありえない。体を壊します。」とか言っていました。でも、僕はここのヨガが大好きでした。(一部でどM旅行者とあだ名されている僕ですし。)くたくたになるまで必死にヨガをした後の心地よい疲労感が好きだし、日々筋力がついてきてきついポーズを長時間耐えられるようになっていくのも楽しかったです。ヨガレッスンの直後に瞑想の時間があるのですが、ヨガで集中力が高まっていたので、深く集中して瞑想できることができたりもしました。たまにヨガが楽な時があると、逆に物足りなく感じることがあるくらいでした。

超人ポーズ。こんなのできません。

しかし、こんなのはまだ序の口です。写真には撮らなかったのですが、もっと凄いのがたくさんありました。

写真ではわかり辛いですが腹を完全に凹まして腹筋をぐりんぐりんと回しています。(ヒクソン・グレイシーのように)

もちろん誰もできまへん


25日間のヨガ修行での成果としては、体幹の筋力がアップして姿勢が良くなったこと、集中力が増してバランスが良くなったこと、の二つは顕著に見られました。前屈などの体の柔軟性は、思ったほど向上しませんでした。ただ、後屈は、背筋がつきバランスも良くなったので、前よりも反り返ることができるようになったと思います。体も引き締まったし、全体としてまあまあの成果です。



話が少し逸れますが、ヨガライフ8日目くらいで疲れがちょうど溜まってきた頃にアーユル・ヴェーダ・マッサージというインド式マッサージを興味本位で受けてみました。どこにでもいる量産タイプ・インド人のおっさん(黒髪・色黒・でかい目・口髭)にホテルの一室に連れて行かれ、完全な全裸にさせられてベッドに寝転ばされ、もう一人来たこれまた量産タイプインド人おっさんと二人がかりで全身をオイルでべとべとにされながら揉みしだかれました。股間にある局部と肛門を除いたあらゆる場所をオイルのついたインド人のおっさんの4つの手で揉まれました。揉まれ続けること約1時間。筋肉の疲れはすっかり取れましたが、なんだか凄い体験でした。



それ以外にも、ウガンダ以来久しぶりのラフティングをここガンジス川の上流でしました。

意外と急流で波が高い場所があって、想像を遥かに超えるスリルでした。リシュケシュに来る人は是非やってみてください!



以上、いいこと尽くめのように思えるヨガライフですが、一点だけつらい部分がありました。食事です。アシュラムでの食事は昼も夜も同じ味のあまり辛くないベジタリアン・カレーなのですが、これがそんなにおいしくないのです。朝食は4種類くらいパターンがあってまだマシなのですが、カレーは毎回同じ味なのです。昼も夜も同じで、それが毎日。多分、インド人にしてみれば具が変わっているので「どこが毎回同じなんだ?全然違うじゃないか!」という感覚なんでしょう。日本人が毎日具が違う味噌汁を飲むのと同じで。それでも最初の頃は、ヨガで腹が減っていたこともあり美味しく食べれていました。少々飽きてきても、おやつにポテトチップスを食べたりしてしのいでいたのですが、ヨガライフ終盤に来て、一度カレーでお腹を壊してからは、カレー味に対して恐怖心が植えつけられてしまい、ほとんどカレーが喉を通らなくなってしまいました。

そんなカレー

カレー拒否反応が出ている時に、日本人旅行者からゆかりをもらって食べました。涙が出るほどおいしかったです。ゆかりだけでご飯を食べてカレーをほとんど残しました。日本にいた頃はゆかりになんて見向きもしなかったのに。むしろ嫌いだったのに。ああ、日本食万歳!



そんなこんなで、25日間もいたヨガ・ニケタンをついに出たわけなのです。


ストレスの無い世界に住んでいるためか、先生もスタッフも受講者も良い人ばっかりでした。個性的な人も多く、面白い話がたくさん聞けました。カヤックでのガンジス川下りを目論んでいる冒険者の人もいました。
この旅において25日間も一箇所に留まったことがなかったので、出るときはやっぱり寂しかったです。そのため心に隙が出来たのか、次の町アムリトサルへ向かう夜行列車で思わぬ大失敗をしてしまいました。その話は次回にて。