九所神社
西京区の洛西ニュータウン。西側が緩やかな丘陵地帯となる。そこを京都縦貫道が走っており、九社神社は縦貫道のすぐ西側にある。
周辺は丘陵地形を利用した畑が広がり、近代的なニュータウンと再開発された阪急桂駅周辺の様子とは好対照だ。
細い農道をゆっくり走り、だいぶ高いところまで登ると小さな広場があって車を駐める。そこから歩いてさらに登っていくと神社の鳥居が見えてくる。神社の場所だけが森になっているので非常にわかりやすい。但し下の方から歩いて上がってくるのには少々決意が必要だ。
九所神社については資料も何もなく、ネット上にも一件だけ紹介があった。それ以上のものは何もないのでわからない。
ネット情報によると、御祭神は火彦魂神(ほひこたまのかみ)(火の神、稲の神)、天手力男神(あめのたちからおのかみ)(強い力の神)ということだ。創建等については境内に説明書き等も何もなく、これもさっぱり分からない。拝殿や本殿の建物はなかなか立派な物で少し新しさを感じる。建てられたから100年から200年といったところだろうか。もちろん再建だろう。
九社というのは文字通り、9箇所の社ということであり、これもネット情報によると、伊勢神宮の2社と松尾退社の7社を集めたものだということのようだ。
周囲は畑に囲まれており軽トラでやってきたおじいさん達が農作業に励んでいた。この神社がなぜこのような場所にあるのか、色々考えを巡らしたが分からない。平安京の前にあった長岡京が、ここから南の方になる。ひょっとして北側の鎮守社であった可能性というのはあるんだろうか、などと勝手な推測をしていた。
丘陵地なので京都市南部の見晴らしがいい。その画像を一枚載せておいた。はるかかなたに京都タワーも写っている。多分ブログの写真は縮小されているので判別できないとは思うが。
千丈天満宮
続いて千丈天満宮。
京都縦貫道の下をくぐり東側にある。相互にかなり近い。丘陵地ではあるが、だいぶ下へ降りてきている。ここもやはり森になっているのですぐにわかる。
この神社についても色々と資料をあたってみたが全くなく、上記の九社神社の情報と同じ出どころの情報に頼ることになる。それ以外は全く見当たらなかった。
神社の近くに車を駐めてすぐに参道を少し上り、石造鳥居にたどり着く。鳥居の横に真新しい石柱が立っていて、そこには「千百年記念」と彫られていた。この神社も説明書きも何もない。故に創建や変遷については全く分からないが、この石柱からするとひょっとして千丈天満宮が創建されたから1100年経ったという意味とも考えられる。ということは単純に考えれば平安時代の創建になるのだが。
天満宮ということなので、もちろん祭神は菅原道真。境内に入ると思いの外よく整備されていて、拝殿・本殿の建物もかなり立派なもの。これも江戸時代頃に建て直されたものだと思われる。
境内には北野天満宮への遥拝所があった。江戸時代の元禄年間にこの土地に開拓者として入ってきた僧によって寺が創建され、その鎮守社として天満宮が祀られていたと言う。その頃がこの神社の創建かどうかは分からない。
上記の「千百年記念」のことだが、菅原道真も北野天満宮もそれぞれ、亡くなった年から、あるいは創建された年から、ほぼ1100年となる。当時の創建ではなく、ずっと後の創建であっても天満宮ということであれば、このことを何らかの形で記念して1100年記念となっているのかもしれない。もっと情報が欲しいところだが、ど素人の身ではこんなところに落ち着かざるを得ない。