切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

稲植神社~宝住寺 京都府相楽郡精華町・・・ここにも恵心僧都

2019-07-21 22:40:29 | 撮影


『稲植神社

祭神 建速須佐男命(たてはやすさのおのみこと)
神紋 瓜破の紋
   胡瓜を切った切口に似た様様
当神社は、南稲八妻、植田両区を氏子として建立された神社てあります。
五世紀頃、建立されたといわれ、また、口甬伝承によると、元祇園 (京都入坂神社の元)ともいわいわれる程、古い歴史をもっ ています。最初は、牛頭天王社(ごうづてんのうやしろ)
として、祀られ、核に、祇園社として、祀られたという記録も残っており、記紀神話の中
では、特別に豊かな性格づけがなされております。源平の戦い、応仁の乱等で焼失し 、一
時期衰微しておりましたが、再建され、両区の氏神様として祀られております。
尚、末社として、八幡宮、天満宮, 熊野宮、八王子社 、四ノ宮があります。
主な祭事として、毎年七月十四日に悪病退治を祈願する神事があります。当地では、「ぎ
おんさん」と呼ばれ、屋台も出て多くの人々で賑わいます。
御神徳
日本で最初に植林を教えられた神である
造船技術の神
日本短歌の祖神である
緑結びの神 農耕の神でもある
 (石板の説明より)

  
 精華町など京都府南部の市町村には、奈良の隣ということもあって、かなり多くのお寺や神社が散在している。今回は稲植神社に行ってきた。
 近鉄京都線の木津川台駅から徒歩で行くと少し時間がかかるが、京阪奈丘陵一帯に広がる「けいはんな学研都市」の隣にある広大な住宅街の少し離れた所に神社はある。元々はこの一帯は普通の丘陵地で、樹木が生い茂り、畑作地帯であり、いかにもその中に古来から神社がそこにあったという雰囲気であったが、今ではすっかり近代的な街に変貌し、逆に神社が浮いて見えるような雰囲気になってしまっている。それでも神社の周囲には高い樹木が取り囲んでおり、境内はちゃんと神社らしい雰囲気を残している。
 由緒は上記の通り。創建の詳しいことは分かっていないが、上記によると5世紀頃となっている。古墳時代の話だ。後にこの地域に、上田村が出来、この村の氏神様として信仰されていたようだ。
 後年になってとなりの南稲村が出来上がり、上田村が植田村となりその文字を取って稲植神社となったと言う。室町期にはこの名前の神社として存在したが、祇園社を名乗っていたということは京都の八坂神社から勧請されたものと思われる。
 祭神のスサノオノミコトは神話の神ではあるが、農耕に関わる神徳があり、そういった意味ではこの地元の農耕民たちにとって、大事な存在であっただろう。応仁の乱の弊害はこの地にも及び、一度衰退しているものの、後に再興され今現在に至っている。
 境内もよく整備されており、拝殿・本殿ともになかなか立派な構えで、今現在でも地域住民の厚き信仰を得ているものではないかと考えられる。古代の変遷については詳細は不明ではあるが、長い歴史に裏打ちされた由緒がある神社なんだろう。
           



宝住寺



 稲上神社から近鉄とJRの線路を東へ越えて、宝住寺へ行く。最寄りの駅はやはり近鉄京都線の木津川台駅だ。
 精華町の学校に勤務していたこともあり、家庭訪問その他で精華町内の地理についてはある程度分かっていたつもりだが、宝住寺の辺りは多分、担任した子がいなかったようで、この辺りは初めてだ。
 精華町に限らず、未だに田畑が中心で、農村住居が点在するような場所の区割りというのは、江戸以前の昔から複雑な利権が入り込んでいて、そのまま今現在でも細い道が住宅街の中をややこしく走っている。この宝住寺もやっとこさ見つけた感じだ。小さな山門前に車が駐まっていたので見過ごしてしまっていた。スマホで調べても確かにここというところだったが、よく見てようやくお寺だということが分かった有様だった。
 創建などの由緒については駒札等何もなく、全くわからない。精華町のホームページにごく簡単な説明があった。
 それによると平安時代中期の創建と言われているようだ。恵心僧都によると言う。ここにも登場した恵心僧都源信。やはり平安中期の大きな役割を果たした僧であったといえる。この名前を聞くたびに「往生要集」の地獄を連想してしまう。
 小さな山門を入るとこれも比較的狭い境内が広がる。あちこちに樹木と花が植えてあり、なかなか雰囲気がいい。本堂よりもひときわ目立つのが、かなり新しいと思われる石造十三重塔だ。小さいながらもお寺としての施設をしっかりと持っている。本尊は阿弥陀如来立像。鎌倉時代のものではないかと考えられている。
 上に書いたように、精華町には多くのお寺や神社があり、中には文化財指定のものも結構ある。こういったところを回る機会があれば、ここのお寺に寄ってもいいのではないかと思う。

           
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