切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

恵心院・・・様々な花の競演?   京都府宇治市      2022.9.10

2022-09-15 23:08:19 | 撮影
 

『恵心院
 当寺のはじまりは、弘仁12年(821)に真言宗の開祖弘法大師によって開かれた古刹龍泉寺と伝えられていますが、やがて、「往泩要集」の編者として名高い恵心僧都源信によって再興され、恵心院と称するようになったと伝えられています。源信は、宇治川に入水した源氏物語宇治十帖のヒロイン浮舟を助け、新たな道を歩ませることとなった横川の僧都のモデルともいわれています。近世にはいると、春日局との縁故もあり、宇治茶師上林一門の後援を受けました。

本堂には平安時代後期の「木造十一面観音立像」が安置されています。
宇治市指定文化財  平成三年三月三十日指定
木造十一面観音立像  一軀  恵心院蔵
  一木造 古色 彫眼
  像高 九一 ·五センチメートル
  平安時代

 恵心院は寺伝によれば、弘仁十三年(八二二)空海の創建になるという。初め寺名は唐の青龍寺に似ているところから龍泉寺と呼ばれたが、平安時代中期の寛弘年間(一〇〇四~一〇一一)に恵心僧都が再興して、以後寺号を恵心院と称するようになった。その後、豊臣秀吉、徳川家康の庇護を受けて諸伽藍の整備が行われたと伝える。現在は本堂、表門のみを残している。
 木造十一面観音立像は、恵心院の本尊である。ほぼ直立に近い姿で、太い頸、脇を締めた体型などやや重厚な感じをのこしている点や、衣文の数が少なく簡素な表現を示しているあたりに、十世紀頃の典型的な作風を見ることができる。
 宇治にのこる数少ない十世紀の作例として貴重である。
  平成四年三月
    宇治市教育委員会』

   

 恵心院は家から近いこともあって、何度も訪れている。どのシーズンをとっても境内は様々な花に彩られており、桜や紅葉の季節でなくとも、ふと訪れるとこんな花も咲いているのか、ということで何らかの収穫があるお寺だ。しかも山門が非常に小さくて、それなりに小さなお寺だと思われがちだが、いざ中へ入ってみると広大な境内を有しており、その大半が様々な植物で満たされている。
 山門を入ってすぐに京都府の暫定文化財に指定されている本堂があり、お参りを済ませれば後は奥の方まで、通路が何本か走っており、それに沿って様々な植物を楽しむことができる。途中にはベンチなども置かれていて、ゆっくり休憩して景色を楽しんでいる方もよく見る。

     

 今回は芙蓉の花や萩の花がメインで、恵心院ではその辺りどうなのかということで訪れた。結果的には特定の花が随分多いというものではなく、様々な種類の植物が、そして花があちこちに咲いている状態だ。もう散ってしまったが、途中には藤棚もあった。あるいはどこかの南国かと思わせるような、亜熱帯植物のようなものも見られる。これらの数々の種類の植物を、ただ植えればいいというものではなく、それぞれにある程度手入れする必要があるだろうし、結構大変ではないかと思われる。訪れた方としては、特にシーズンに関係なく様々な豊かな光景を見せてくれる境内は、とても新鮮で気持ちが落ち着けるような場所だ。

      

 宇治川を挟んで南側には平等院があり、観光という意味ではどうしてもそちらの方に人が集まりがちだが、川の北側には前回紹介した、橋寺放生院だけでなく、国の重要文化財に指定されている宇治神社、同様に国宝の宇治上神社。そして恵心院を含む様々な見どころが多い。是非とも途中に橋もかかっているので、わざわざ宇治橋まで回らずとも両岸を行き来することができる、ということで北側の方にも目を向けてほしいものだとつくづく思う。


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