これは「就職祝いの夜。」 「就職祝いの朝。」を読んだ後に読んでね。(それでもリンクは貼ってない)←貼れ!
これは記憶をなくした僕に代わって三郎太に書いていただいたものです。
まさか、真相がこんなことだったとは・・・
内容は「しゃこたん☆ブログ」らしい間に編集してありますがほとんど手をつけていません。
大変でしたね。
お世話掛けました。
では↓
4・7「ゲロ戦記」
本テキストには一部グロテスクな内容や性的な描写、見るに耐えない下品な表現が含まれています。18歳未満の方や、心臓など体の弱い方、う○ことか嫌いな方は閲覧をご遠慮願います。
本テキストはノンフィクションです。
また、本テキストは「皆の記憶のない部分」に重点をおいて書いていますので、メンバーが覚えているであろう部分については大きく割愛しているところがあります。ご了承ください。
「今が最悪の事態だ」といえる間は最悪ではない。
――――――William Shakespeare
私は自転車に乗って焼肉屋へ向かっていた。
就職の決まった友人を祝う会が市内の焼肉屋で行われることになっていたのだ。
私は生憎と数日前から風邪を引いていたのだが、友人の「就職祝い」という人生の節目を共に祝えることの方が遥かに大事であった。
店に到着すると、私が数分遅刻したせいもあってほとんどのメンバーが揃っていた。
主賓である哲也さんが上座に、隣になぎぃ。向かいになべと画伯が座っていた。
昼に参加可能との連絡をくれたラブひなの姿はない。私と同様に遅刻だろうか?
彼に電話をしてみるもなかなか要領を得ない。ひと悶着あったものの、遅刻してくるとのことだった。
時間にしてかなりかかるとの事だったので先に宴会を始めることにした。
まずはビールで乾杯、風邪のため薬を飲んでいた私はウーロン茶で乾杯。
就職祝いのプレゼントを渡し、その間に注文した品々が届く。祝いの宴は実につつがなく淀みなく、そして今までにないほどの盛り上がりのうちに進行した。
電話から一時間半程してラブひなが到着した。
早速駆けつけ一杯。増員に伴い皆もピッチが上がり、酒がまるで水かジュースのように飲まれていく。
そしてその刻はやって来た。
宴も終盤にかかり、締めの冷麺を注文した頃のことだ。
事件は、起こった。
最後にやってきて最初に自身の限界酒量を越え、横たわっていたラブひなが突然上体を起こす。
「うげぇ~・・・・お・・おおえ・・・・・」
びちゃびちゃびちゃ
吐きやがった、こいつ。
しかも吐いた勢い(エネルギー)を利用して元の位置に再び横たわる。
食品をエネルギーとした運動装置の完成である。
エコ時代の到来を無意識なりに意識しているのだろうか。
彼の周囲は一瞬にしてゲロの海。
本人の着ていた服がゲロまみれなのは言うまでもなく。
店の壁、床、座布団に至るまで徹底的にゲロまみれとなった。
・・・・・対処せねばなるまい。
シラフだった私と、画伯ですぐに対処にあたる。ちなみに残りの三名はグロッキーめいており戦力外であった。
おしぼりで汚染箇所を清掃。
↓
洗面所でおしぼりを洗う。
これを繰り返してなんとか一心地つける程度には復旧。
冷麺を待つ間、グロッキー組もだんだん行動が怪しくなってくる。
まずトイレに行く回数が増え、しかも移動は千鳥足。
なべはとりわけふらふらしていたので、私がトイレまで付き添う。
本人は大丈夫との事だったが、酔っ払いの言う「大丈夫」をまともに受け取らない程度には自身として人生経験は積んだつもりだ。
そんな中冷麺が届く。
こんな状態で食えるのだろうか。
優秀だったのは画伯、自身で酒量を調整していた彼はほとんどシラフであったと言ってもいいだろう。
そんな彼は即座に冷麺を平らげる。いろんな意味で凄まじい胆力だったと思う。
私はとっくに食欲なんかふっ飛んでしまっていた。
なべは30%程食べ、その後突然冷麺に顔を突っ込む。
私の「エースか!!」という突っ込みもむなしく、顔を上げない。
仕方がないので冷麺をどけ、テーブルに突っ伏させておく。
(補足:まさかエースをしらないDQNがここにきているとは考えたくもないが、わからない人は尾田栄一郎先生のONE PIECE巻十八第157話“エース登場”を読もう!)
なぎぃはなべに勧められるまま数口、その後はなべ同様テーブルにつっぷしていた。
哲也さんは最初から戦闘放棄。壁に寄りかかったまま寝込んでしまった。
ひとときの平穏の後。第二の事件は起きる。
ラブひなが「吐く」と言いながら起き上がろうとする。生まれたての仔馬が初めて立つところを想像してもらいたい。
彼の立ち上がる姿はまさしくそんな感じであった。
もちろん彼の主張は「吐く」だけではなかったのだが、残りは人語ではなかったので私には理解できなかった。
あえてこの時の彼の主張を再現するならこんな感じだ。
「ヴ~うがもうど もーいあ 吐く ううぅ だっ」
そして立ち上がろうとしていたので、「吐くので然るべき場所に移動する」ものと解釈。
私と画伯で左右から肩を貸し、立ち上がらせたその時。
「ヴヴ~~~・・・・・・ッェ」
彼の吐瀉物は
まるで空にかかる虹のように
美しい放物線を描いて
放たれた。
その威力は一発目の比ではなかった。
テーブルに並べられた冷麺を筆頭とした飲食物は、その瞬間から限りなくゲロに近い「何か」に成り下がった。
床はどろどろ、テーブルに突っ伏していた二人にちょっとかかり、私のズボンを汚し、哲也さんの頬をかすめ、ゲロは傍若無人なその様を見事我々に見せ付けた。
もし、もし仮に地獄というものが存在するのならば、そこはなんと心地よいところであろうか。
三次、四次災害の危険があるので、画伯と二人がかりでラブひなを店の外に連れ出す。
幸い店の外には縁側めいたものがあり、そこにラブひなを寝かせた。
しきりに寒がっていたが、彼のゲロまみれのセーターとゲロまみれの上着をかけ、その上に私のダウンをかけることで対処した。
体温も脈もまだ良好。
ならばこちらは他にしなければならないことがあった。
現場の復旧だ。
一回目と同様に。
おしぼりで汚染箇所を清掃。
↓
洗面所でおしぼりを洗う。
二人がかりで気の遠くなるような汚物を片付けにかかった。
何回目のことだったかはもう覚えていない。
洗面所でおしぼりをあらっているとなぎぃがやってきた。
位置関係を説明しておくと、洗面所のとなりにトイレがあるのだ。
なぎぃはトイレに入り、少し吐いた後洗面所で小休止をしていた。
ちなみになぎぃはその後、荷物置き場のようなところに迎えがくるまで座り込んでいた。
洗面所にいた私はなぎぃと入れ替わりに席に戻ろうとドアを開けた。
そこには画伯に支えられたラブひなが立っていた。
画伯曰く、ラブひなはトイレ(大)がしたいそうだ。
画伯は人外語への造詣があるのだろうか?
ラブひな運搬で一時的に体力の振り切れている画伯に代わって私が面倒をみることになった。
ズボンを下ろしたまではよかったものの、ここのトイレは和式。
思案した結果、フチに座らせることにした。
座るとすぐに彼はもよおしていたが、時間をかけて数回に分けてしていたので最後まで出し切るのには相当の時間を費やした。
その都度流していたとはいえトイレはもう最悪だった。
う○この臭いと嘔吐物の臭いと酒臭さが混在してるといっても伝わらないのかもしれないが、少なくとも私の21年間の人生で最も不快な臭いだった。
「自分で拭けるか?」という私の質問に
「え゛・・だヴぁろも~う、横い~~」
彼は流暢な人外語で答えてくれる。
ああ、・・・これ私が拭くのだね?
人の尻を拭いたのは人生で初めてだった。
断っておくが私は相撲部屋の見習いではないし、ラブひなは関取ではない。
処置を終えて、パンツを履かせ、また画伯と二人がかりで店外の縁側へ運ぶ。
そこでズボンを履かせつつ、今後の対策について二人で思案した。
結論として
①ラブひなの体温が今後下降傾向にあるなら救急車を呼ぶ。
②その際付き添いが必要なことが予想されるので、救急車を呼ぶ前に全てを片付けておく必要がある。
概ねこのような感じだ。
私がトイレでラブひなの相手をしていた間に、哲也さんは自力で救助を呼び帰宅。(補足:哲也さんは哲也さんで事件が起きていたらしく、早急に蘇我まで行かなければならなかったらしい。)
テーブルも画伯が片付けてくれていたので、あとはなべとなぎぃの帰宅の算段が問題だ。
自力で帰宅することが不可能なのは明白であったので、店から最寄のなべの家に運搬することを考えた。
幸いなべの自宅番号はなべ本人から聞くことに成功したのですぐに電話した。
はじめはなべの妹さんがでた。
妹「はい、○○です」
私「いつもお世話になっています。三郎太です。 実は今○○という焼肉屋にいるのですが、なべが自力ではちょっと帰れそうにない状態なので迎えをお願いできますでしょうか?」
妹「少しお待ち下さい」
母「お電話変わりました。どうしましたか?」
私「なべがちょっと飲みすぎてしまったようで、迎えをお願いしたいのですが」
母「はい、大丈夫ですよ」
私「心苦しいのですが他に2名ほど倒れてしまっているので、彼らも一旦置いていただくわけにはいかないでしょうか?」
母「はい、はい、大丈夫です」
なべ母は急な申し出にも快諾してくれた。
間違いなくスーパーいい人である。
なべ母が到着するまで引き続き清掃作業をし、そちらはなんとか片付いた。
ちょうど終わったあたりでなべ母が到着。
手順としては一人ずつ車の後部座席に運んで、それを三回繰り返すということに落ちついた。
ラブひなの体調もなんとか病院にはいかなくて済みそうな状態だったのでなべ家に運搬することにする。
まずは上からも下からも節操のないラブひなを運搬。症状のひどい順にかたづける目論見だ。
なべ、なぎぃもそれぞれ出発前に一回ずつ吐かせて気分を落ち着かせたところで運搬した。
なべもなぎぃも自力で立ってくれるだけ、ラブひなの10000倍マシだった。
こうしてピストン輸送は終了し、お店の方にお礼を言って解散となった。
以上が「皆の記憶にない部分」の全容である。
我々の行った飲み会史上最悪の黒歴史となったのは言うまでもない。
最悪な我々を罵るでなく手を差し伸べてくれた焼肉屋さん、そしてなべ家に感謝の意を記して本テキストを終わりたい。
「酒は飲んでも飲まれるな」
みなさんもお気をつけて。
文責:T@その後風邪の悪化した三郎太
も、申し訳ねぇ…