木のぼり男爵の生涯と意見

いい加減な映画鑑賞術と行き当たりばったりな読書によって導かれる雑多な世界。

『マローン御難』

2013-03-15 00:51:49 | 日記


「マローン御難」クレイグ・ライス

時々会いたくなる人、マローン。
と、ヘレンとジェーク。

間違いなく、アルコールの消費量ベスト10に入るであろうミステリーシリーズ。
作中で流し込まれる酒の量は、ハンパ無い。
そして、ゴチャゴチャ感とユーモアもハンパ無い。

誘拐事件にからんで、攫われた娘の継父と事務所で会う事になったマローン弁護士。
しかし、待っていたのは冷たくなった依頼人だった…
こりゃマズい。
このまま罠にはまってたまりますか、と早速死体を隠すものの。
臨時死体置き場から戻ったら、今度は事務所に警察からお客様。
こりゃ非常にマズい。
そして何故か、知らない連中から、誘拐されたはずの生意気なガキを押し付けられる。
こりゃ異常にマズい。
う~ん。。。自分の立ち位置に大いなる疑問を持つマローン。
マローンの不在中に死体は事務所に戻され、通報を受けた警察が捜査。
こりゃ大変に甚だしく無上にマズい。
クタクタ、ヨレヨレになりながら事件解決に乗り出すマローンだったが。。。

登場人物が自分勝手に行動するカオスを堪能。
もはやスラップスティック・コメディ。
複雑な家族構成の一家。
これだけでも、うんざりさせるに事足りるはず。
さらに、全員が揃いも揃って行動力を無闇に発揮。
ややこしい上にややこしさをトッピングする大サービス。
ま、これがまた楽しいんだけどね。
思い込みで行動して、ちっとも悪びれないのも魅力のひとつ。
相変わらずのヘレンの無鉄砲さに、ジェークの無謀さ。
美人にうっとりしっぱなしのマローン。

「さてと、卵はどんなふうにお料理すればいいかしら」
「ジンで味つけ」

どういう食生活しとんじゃ!

「ジン、朝メシ」「この順番で頼む」

どういう生活しとんじゃ!

やれやれ。
なんでこんな人に時々会いたくなるんだか。。。
突然むしょうに読みたくなるマローン・シリーズ。