目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」 リリー・フランキー

2005年11月07日 | 読書
また本を読んで号泣してしまった。
あっという間に読んでしまった。

イラスト・レーター?コラムニスト?怪しげなエロオヤジ風(失礼)な
リリー・フランキーさんのことは たまに雑誌やテレビでみかけたり
気が向いたとき 本を読んでみたり、といった程度だったし、
この本も、装丁がイマイチ心惹かれるものではなかったのだけど・・・
売れてるから読んでみようかな、と買ってしまったのですが、
やられました。

福岡(小倉、筑豊)で育った子供時代から始まって、
文字通り ”オカンとボクと、時々、オトン”な生活の様子を
事細かに綴った私小説。
ご両親は別居して、”ボク”はお母さんと暮らしていく。
料理上手でいい味出してて、お金がなくても息子には貧しさを感じさせずに
せいいっぱい育ててくれたお母さん。
そのお母さんが亡くなるまでの話です。

後半、”電車の中で読んではまずい!でも読みたい!”と
必死で涙を堪えながら読んだけど、やっぱり我慢できず、
パタンと閉じて急いで家に帰って読みました。

泣けるのはわかってて、あざとい話なんだろなー という先入観で
ずっと読まなかったけど、いや、泣けました。
だって、誰にでも自分を生んでくれたお母さんはいるのだから。
その姿を重ねずにはいられません。

何気ない日常をスケッチするような、他愛ない話、ささいな出来事。
オカンの作ってくれる美味しい料理が目に浮かぶようです。
(また、オトンが超マイペースで独特な人なんよねー)
リリーさんのお母さんだけじゃなく 誰のお母さんもきっと、
自分のことより子供のことを考えてしまうのでしょうね。
直接口に出したり、話したりしないけど、溢れんばかりの
母親の愛情を見せてもらいました。

”お母さん”から生まれたすべての人に、大事な人のことを想いながら
読んで欲しいです。
せいいっぱい親孝行しないとね。

・・・なんていうと、どんなシリアスな本かと思うでしょうが、
博多弁のオカンとリリーさんたちの会話には笑ってしまうし、
リリーさんのツッコミ文体も面白い。
あっという間に読めてしまいます。

このつるつるの真っ白な紙にクッキリ赤い文字、金で縁取りされた装丁は、
”オカンが大事にとっておく、洋菓子屋さんなんかの包み紙の
イメージ”だと 言っていたような。
そう思って見ると ほんと そんな感じで 愛しく見えてきます。

コメント (10)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« まだ映画館でやってます 「... | トップ | 異常に興奮 駄菓子屋 »
最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
読んでみたくなりました (かるたす)
2005-11-07 23:54:09
kinoさんの感想を読んでいると興味が湧いちゃうんですよね~。

あの変わったおじ様、リリーさんがそんなにステキな本を書かれるってことも初めて知りました。
返信する
後半がね! (kino)
2005-11-08 01:14:01
>かるたすさん

私も想像つかなかったです。

もっとふざけたハチャメチャな感じなのかな、と

思っていたんですが、意外や意外、しみじみと良い話。

いや、ほんとに号泣しました。

(自分の親のこととか いろいろ考えずにいられないからね・・・)
返信する
面白そうですね (iruka)
2005-11-09 03:02:39
今日、本屋さんで手にとったら、面白そう~。

今度、読んでみますね。

私もこういうの好きです。

読んだら、感想書きますね!
返信する
しまった! (ちぇりー)
2005-11-09 03:59:47
あ~これ、やっぱり買えばよかったぁ。

迷ったんですけれど、私も装丁にあんまり心惹かれず。



でもブック・オフで見つけたら読んでみます。



お母さんって、本当に、すごいですよね。



私きっと母の死にはまだ向かい合えないです。

思い出がありすぎて耐えられない。(あ、まだ存命ですw)
返信する
読んでみてください! (kino)
2005-11-10 01:32:42
>irukaさん

親のいる人すべて、きっと泣けてしまうと思います。

感想きかせてくださいね!!



>ちぇりーさん

そうですよね、私も、本屋で何度も手にとってみたんだけど

そのたびに買う気がしなくて。

でも・・・もっと早く読んでたらよかったなーと思いました。

ホント、親孝行したいときには親はなし、だよ!

父には孝行できなかったけど、母はそのぶんも大事にしよう!

とこれを読んで改めて思うのです・・・。
返信する
なんかいいですね・・・。 (なな。)
2005-11-12 01:29:28
なんだか、読みたくなってしまいました。

最近、映画とか読書とか、舞台もいいのだけど、そっちも熱いです。

泣けるのに笑えちゃうっていう感じなのが、私は、凄く好き。

まさに「新選組!」とか、そうだったよね

・・・って、お話がズレてしまいましたね、ゴメンf(^_^;)。
返信する
こちらも読んで下さい (大西 講二)
2005-11-12 21:01:30
筑豊田川であった本当の小説です。
返信する
ええ 是非! (kino)
2005-11-13 01:15:06
>ななちゃん

そう、面白いけど笑える!

オカンとボクの会話が生き生きしてていいんですよー!

ほんと、読みたい本、見たい映画・舞台 ありすぎて大変!



>大西様

コメントありがとうございます。

サイト、のちほどうかがいます。
返信する
私もやられました! (iruka)
2005-12-23 03:10:24
1ページ、1ページがとても大事に思えてくるような本でした。どの文章にも魅力があり、読んだ後は、また繰り返し読みたくなるような魅力あふれた本でした。TBさせて下さいね!
返信する
読み終えたくない (kino)
2005-12-23 08:07:30
>irukaさん

気に入ってもらえて嬉しいです。

人にすすめたくなる本ですよね!!

親孝行しなくちゃ・・・。TBありがとうございました。
返信する

コメントを投稿