目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「宵山万華鏡」 森見登美彦

2009年07月09日 | 読書
この時期に読むのにぴったりの小説です。
「宵山万華鏡」(森見登美彦 集英社)

装丁もとっても素敵!!
華やかでカワイイものがにぎやかに
並んだキラキラ加工のカバーをはずすと
(この加工、なんていうの?
たまにあるんだけど、すごく好き)
本体(?)の表紙・裏表紙にも違う絵が。
こちらはちょっと不穏な空気です。
こういう凝った装丁はトクした気分になれる。

京都・祇園祭の宵山。
大勢の人で賑わうきらびやかな祭りの夜に
広がる摩訶不思議で恐ろしい世界・・・
宵山のずーっと奥には何がある?

バレエ教室の帰りに寄り道した
幼い姉妹が見た宵山。
”頭の天窓が開いた”ヘンな友人が
案内してくれるはずの宵山。
壮大な”偽宵山”を創り上げる若人たち(笑)
忘れようにも忘れられない、少女の思い出、宵山。
何度も何度も繰り返す宵山。

短編小説の登場人物がリンクしながら
(そして、過去の森見作品とも)
繰り広げられる、悲しく美しく不思議な世界。

いつもの独特な文体&言い回しは影を潜め、
普通に(?)楽しめるファンタジーワールドです。
言い換えれば それが物足りない気もするかな。

だから、私は「宵山劇場」の章が一番好きで
楽しめたのだけど。
山田川さんの妄想ワールド、ブラヴォー!!

他のお話は、ちょっと哀しくて怖くて
あまり良い後味じゃないんだなぁ。

確かに、お祭りの夜って特別な空気があって
あの喧騒の裏側には なにかが潜んでいそう。
それが京都の伝統的お祭りともなれば
なおさらのこと・・・。

私、関西人だけど京都三大祭に行ったことありません。
祇園祭の夜を知っていたら、もっと楽しめただろうなぁ。
でも、この小説を読んだ後、
小さい子供を連れて行くのが怖くなるくらいです。

森見さんの新聞連載小説「聖なる怠け者の冒険」、
もう今から単行本になるのが待ち遠しい私。
一週間に一度 実家に行く時に
古新聞をあさってまとめ読みしてます。
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2 コメント

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Unknown (maqui)
2009-07-11 00:32:04
kinoさまこんばんわ~ お邪魔致します☆
と、いうのも、あれま、今まさにわたしも森見ワールドにハマり中なのです! wさんに勧められて読み出したら、ぐいぐい引き込まれてしまいました。で、この本、本屋で思いきり悩みつつ、持ち歩くのがなぁ…などとしょーもない理由で未だ買えず。うちは幸いA新聞なので毎晩楽しんでるのでそれでしばらく我慢します~(挿絵がF氏なんてこれまた最高なのです☆)
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嬉しいですー (kino)
2009-07-11 00:40:06
>maquiさま
コメントありがとうございますー!
森見ワールド、ハマりますよね。
”読み終えたくない”と思う作家さんです。
図書館で借りれば場所もとらないし経済的・・・
と思うのに、早く読みたくてつい買ってしまう私です。
装丁が素敵だとなお嬉し♪

新聞の連載、単行本になると挿絵が見られないのが
非常に残念!!!せっかくのフジモトさんの
カワイイ絵なのに。
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