目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「僕の大事なコレクション」 過去と未来への旅

2006年05月14日 | 映画タイトル は行
このビジュアルとタイトル、あんまり観たい気がしないでしょう??
「僕の大事なコレクション」 (EVERYTHING IS ILLUMINATED 2005年 アメリカ)

私も、この映画のこと、全然知らなかったんです。
それもそのはず、現在、全国で5館でしか上映されていない・・・。
でも、sabunoriさんのブログで知って面白そうだったのと、
たまたまその映画館で、これまた大阪で1館しか上映していない
「ロンゲスト・ヤード」をやっていることもあって、観に行くことに。

「僕の大事なコレクション」、監督・脚本はリーブ・シュライバー
俳優として活躍している人です。
(私、けっこうスキ。最近ナオミ・ワッツと付き合ってるらしい。)
「ニューヨークの恋人」でメグの元カレや、
「オーバー・ザ・ムーン」でダイアン・レインのダンナをやってた人。
最近はブロードウェイのストレート・プレイに出ていたこともあり
トニー賞も受賞してます。

さて、本題。
この映画、ケント・デリカット状の眼鏡をかけた
イライジャ・ウッド演じる ジョナサンが主人公です。
彼は、家族にまつわるものを収集することが趣味の
無口で無表情な変な青年。
収集といっても、お祖母ちゃんの入れ歯、チケットの半券、
もらった1ドル札など、一体なんの意味があるのか、と
思えるようなものをジップロックに入れて壁一面に貼り付けています。
こんなふうに。



お祖母ちゃんが死ぬ間際にくれた 一枚の古い写真。
そこには、お祖父ちゃんと見知らぬ女性が写っていて、
お祖母ちゃんは、”ウクライナの、命の恩人だ”と言うだけで
多くを語ろうとしません。
ジョナサンは、ユダヤ人であるお祖父ちゃんのふるさと、
ウクライナを訪れることに。

一方、ウクライナのオデッサ。
アメリカかぶれの青年、アヤシイ英語を喋るアレックス。
ヒップホップとブラック・カルチャー大好き。
家族は”史跡めぐり案内”の仕事をしている。
そのアレックスとお祖父ちゃんがジョナサンの旅を案内することに・・・。
このお祖父ちゃん、"自分は盲目だ”と言い張り、
凶暴な盲導犬のサミー・デイビス・Jr・Jr(Jrが2つ!)を飼っている。
なのに、車の運転手なんだから(笑)
かくして、3人と1匹の 奇妙な旅は始まる。
写真に写った女性の消息は掴めるのだろうか。

これ・・・よかったです。
前半、カルチャー・ギャップを描いたコメディタッチの
ロード・ムービー風。
お喋りで軽いけど、心の優しい人なんだろうな、
ということが伺えるアレックスのキャラクターが
いい味を醸し出していて、ちょっと不気味だった
ジョナサンも笑顔を見せ始めます。
それと対照的に、なにやら考え事をしているような
お祖父ちゃん。
その謎は 後半、一面のひまわり畑の中の一軒家に
辿り着いて すべて明らかに・・・。

詳しいことは書きません・・・。
ロシア民謡(?)っぽい音楽もすごくよかったし、
風景(実際はプラハ近くらしいけど)も美しく素晴らしかったです。

この旅は、過去への旅であり、ジョナサンとアレックスという
若者にとっては自分のルーツを知り、
物事はすべて連綿と過去から繋がっているのだということを
身をもって知った旅ですね。
そして、元の生活に戻った自分はきっと 
この旅の前とは違うはず。

原題の「EVERYTHING IS ILLUMINATED」というのは、
英語の使い方があやしいアレックスが言う言葉なんだけど、
すごく素敵だと思います。
照らす、という意味のほかに、
彼は意図していなかっただろうけど”啓蒙する”
っていう意味もあるんですね。

「ロード・オブ・ザ・リング」のイメージを越えられるのか?
と ちょっと心配だったイライジャも、
「エターナル・サンシャイン」「シンシティ」と
オモシロイ作品を選んでいるようで、今後が楽しみです。
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20 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私も大好きです。 (sabunori)
2006-05-14 22:59:00
TBありがとうございました。

kinoさん、ご覧になったんですね!

よかったですよねぇ~。

エピソードの1つ1つが本当にタイトルのように輝いていてセリフもどれもこれも味わい深い。

あのスクリーン一面のひまわりのシーン、心に焼きついています。

この原作の小説も読んでみたい!
返信する
ありがとう!! (kino)
2006-05-15 00:56:40
>sabunoriさん

そうなんですよ!「僕恋」に続いて、お勧め映画が

ドンピシャでした!

ひまわり畑・・・美しかったです。

アレックスのアヤシイ英語も深いんですよね!!



原作の本、興味ありますよね。

パンフ見る限り、映画用に変えた部分もあるみたいだし。
返信する
サミー・デイビス・Jr・Jrって(笑) (kim)
2006-05-15 18:21:38
呼びにくいよ~~~。普段は”サミー”?、”Jr”?

それで、FLIXで宣伝してたので、興味はあったのですが、上映館数、少なすぎ(><)

DVD待ちなのかなぁ…。

イライジャ、ほんと、作品選びが上手いですね!
返信する
イライジャって (チェブ)
2006-05-15 22:06:13
首太いですよね。



って、そんなことはどうでもいいのですが

ロード~ファンな私には、他の作品を見るたびに

イライジャのヘタレ度がUPしてしまいます。

面白い役だな~とは思うんですけどね。



返信する
イライジャ! (kino)
2006-05-16 22:58:18
>kimさん

ワンコの呼び名は”ジュニア・ジュニア”です(笑)

ほんと、上映館が少なくて あやうく見逃すとこでした。

アダムの”ロンゲスト・ヤード”のおかげ!

DVDになったら観てみてください。



>チェブさん

あははは そうですねー イライジャ、ヘタレでオタクな

役が多いんだよねぇ・・・「シンシティ」(涙)

子供のときはホントーに可愛かったのになぁ。

あ、今でも可愛いっていうか、キレイ。

返信する
画像に連れられてフラフラ~ (ミミヅク)
2006-05-17 13:07:52
あーいい感触です。観たい×100マックス!

kinoさんの選ぶこーいう作品は

絶対ハマルはず。





この画像、ルネ・マグリットを模してるのかな。

いいですね~。



リーブ・シュライバーは『スクリーム』の

アヤシイ役を一番覚えてるけど、

監督もやるんですね。

返信する
観てね! (kino)
2006-05-20 02:39:15
>ミミヅクさん

うんうん、きっと気に入ってもらえると思う!

ジップロックは必需品。

あー なんか観た事あるような、と思ったら

ルネ・マルグリット?さすがミミヅクさん。



リーブ・シュライバーは「スクリーム」に出ていたのね。

脇でけっこう出てますね。監督次回作、楽しみです。
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オススメですよね (natari)
2006-06-16 16:14:25
kinoさんごぶさたです、最近あまり映画見れてないんですが、これは先月福岡で公開したときに予告が気になり見に行って大満足した1本でした。

原作面白そうなので、先日買いました。

もちろん、翻訳済み。TBさせていただきますね。
返信する
いい映画です! (☆kino)
2006-06-17 13:56:15
>natariさん

おおー ご覧になってましたか。

上映館は少ないけど、とてもいい映画でした。

一粒で二度オイシイ、みたいな。

原作、どうだったか教えてくださいね。

原書は読めそうにないので・・・(笑)
返信する
ケント・デリカット! (のら)
2006-06-17 23:41:17
kinoさんも同じことかいてますね~(笑)

アレックス役の彼は、俳優初仕事だった

みたいですね。本当はシンガーだとか。

納得でした。



最後の空港のシーンで、アメリカは移民も

多いのだし、どこで誰がつながってるのか

分からないよな~などと思ってしまいました。
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