目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

日本映画のよさ 「ジョゼと虎と魚たち」

2005年10月13日 | 映画タイトル さ行
「メゾン・ド・ヒミコ」を長々と引きずっていますが、
それより、映画としては好きだった、同じ犬童一心監督の映画。
映画館で観た時の感想を引越しさせました。

人通りの少ない早朝、得体のしれないお婆さんの押す
ボロボロの乳母車に乗った、足の不自由な女の子ジョゼ(池脇千鶴)と
大学生のツネオ(妻夫木聡)が惹かれあい 過ごす日々を描いたラブストーリー。

日本映画をあまり観なかった私ですが、”日本語のセリフのニュアンス”
の意味がよくわかった映画でした。
それは私が関西人で、ジョゼの大阪弁や口調、会話のノリといったものを 
まるで友達と話すように 自然に受け止めることができたせいかもしれません。
もしこれが英語字幕に訳されたら、この映画の雰囲気やジョゼという人物が
伝わらないのではないかと思うくらい。

逆に考えると、いつも見ている日本語以外の映画、
字幕を読んで理解した気になってるけど
ニュアンスまで感じることはできていないんだろうなぁと
思い知らされました。

そして、ジョゼの作る朝ご飯(焼き魚や玉子焼き)の美味しそうなこと。
あの味が容易に想像できるのは日本映画ゆえ、なのだなぁ・・・と。


以下、ネタバレを含みます・・・


映画のストーリーの方は、キスシーンも含め、リアル、でした。
予備知識はほとんどなかったので、いろんなラブリーな展開を
想像してました。
でも、ツネオの選択は、現実では きっとそうなるだろう、と
思わせるものでした。

ツネオってイマドキの男の子。
食欲も性欲も旺盛で、不誠実というのではないけど、
女の子には誰にでも優しくしちゃうし、楽な方に流れてしまう。
お婆ちゃんに怒られても”こえぇ~”とケロっと言っちゃうし、
”帰れ”って言われたらほんとに帰ろうとしちゃう。

ジョゼを放っておけないと思ったけれど、
その重さに耐えることはできない。
カナエちゃんの言うように”ご立派な人じゃない”のです。
弱くてヘタレなんです。
ジョゼとのことも、あんなに愛おしくて永遠に続くように思えても、
胸がどんなに痛んだとしても、
目の前の女の子のぬくもりや微笑みに触れたら 
すぐに忘れてしまうのでしょう。

対するジョゼ(なんでこの名前なのか不思議でしたが映画観て納得。)は
強い人。
初めて虎を一緒に見た男の人のことは きっと忘れない。
だからジョゼは二度とツネオに会わないだろう。
お婆さんの言う”こわれもん”が、はじめ、
”壊れやすいもの”なのかな、と自分の中で思ったのですが、
実はとんでもなく丈夫で したたかで前向きなのです。

終わりを予感させる恋愛の中で”それもまたよし” なんて
私には言えません・・・。

自分の恋愛を思い出して 気恥ずかしくなったり、
切なくなったりするかもしれないけど良い映画でした。
見てよかった。
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8 コメント

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いい映画でした・・・ (oi-ska)
2005-10-13 07:58:40
先日は、温かいコメント、ありがとうございました。

また一段と元気になれました
返信する
あれれ (oi-ska)
2005-10-13 08:04:42
間違って送信しちゃった・・・

この映画は、ゆったりとした流れの中にも

いろんな意味で訴えるものがありました。

主演の2人の演技がとてもよかったです。

妻夫木くんってあんまり好きじゃなかったけど、

そんな彼を見直した映画となりました。



旦那さんが邦画派なんで、けっこう観ます。

旦那さんと出会う前はあまり観なかったんですけど、

今ではけっこう邦画ファンでもあります。

TBさせてくださいね!
返信する
あのねえ (hiyoko)
2005-10-13 16:01:59
私、田辺聖子さんも結構好きなんですよね。

(イメージ合わない?)

割といろいろ読んでいるよ。

言葉が頭に入ってきやすいのかな?

このジョゼもなんだけど、出てくる女の人が

弱かったりもろかったりするように見えて

実はすごく強いんだ、というパターンが

結構多い気がするのです。

そういうの、読んでいてすかっとするんですよね。
返信する
邦画も (kino)
2005-10-14 01:30:05
>oi-skaさん

日本映画も、面白いものもたくさんあるなぁと 

最近やっと観る気になってきた私です。

ジョゼの大阪弁が自然だったから よけいによかったのかも。



>ひよこさん

田辺聖子さんは 私も好きよー!

やはり女の人を魅力いっぱいに、リアルに描いてるのがいいよね!

大阪弁っていいなぁ と思えるし。

返信する
Unknown (Cartouche)
2005-12-26 23:56:58
これには参りました~~

そうですね。あの大阪弁があったからこそ

この映画が成り立ったといってもいいかもしれません。でも。。私の母がクルマ椅子生活なので、その大変さがよくわかります。

未来あるハンサムちゃんにはちょっと酷かも。でもジョゼは。。ああ。。。。
返信する
そうですか・・・ (kino)
2005-12-31 00:14:30
>cartoucheさん

お母様が・・・。では、また違った視点で

この映画もご覧になったのでしょうね。

ジョゼのように強く生きられるだろうか・・・。

ツネオなんて 甘い甘い!!

胸が痛いけど、ステキな映画です。
返信する
よかったですね~ (kuu)
2006-09-17 09:24:48
やっぱり、日本人には、日本映画が、しっくりくるのかも。本当に、言葉のニュアンスって、大切ですよね。

でも、リアルなベッドシーンは、ちょっと見ていて、一人で照れました(^^;。池脇千鶴も、体当たり演技でしたが、なんだか、痛々しい気がしてしまうのです。

西洋ものは、うっとりするんだけどね~~
返信する
テレテレ (☆kino)
2006-09-17 14:47:05
>kuuさん

この映画のジョゼ(池脇千鶴ちゃん)の大阪弁が

さすがに上手でとってもよかったです!

そうそう!日本映画のラブシーンは気恥ずかしいですよね。

生々しいんだー(笑)
返信する

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