「島へ免許を取りに行く」星野博美

ブロ友さんが紹介していらして知った本。

「島へ免許を取りに行く」星野博美　集英社インターナショナル

人間関係でボロボロになり、愛猫が死に、
なんとか現状を打開したい、と思った著者。
40代にして自動車運転免許取得を思い立つ。
いろいろ調べた末に、合宿免許で
長崎の五島列島、福江島の自動車学校に
行くことに決める。

星野さんの本は初めて。
うーん　なかなかめんどくさい性格の人のようです。
40代だけあって、素直に教官に教えられることを
そのままハイハイと頭に入れるというわけに
いかないようで・・・。

教本に書いてあることにもいちいちツッコミ、
車の運転についても、なぜそのように動くのか
納得しないと体が動かない・・・とかイロイロ。

シーズンオフの合宿免許は
あまり生徒もおらず、学校に併設の馬場で
馬に乗ったり飼われている動物たちと遊んだり。
すんなり卒業とはいかずに、悪戦苦闘の末
免許をとり、東京に戻ってからの
お父さんとの特訓の日々も描かれます。

免許をとった人には懐かしく思えるところも
多々有るでしょうし、島の様子がステキで、
楽しく読めます。

私がこの本に興味を持ったのは
私も合宿免許で取ったから。
学生時代の夏休み。友達と３人で、
生協で斡旋していた中から誰かの評判を聞いて
山形県酒田市の自動車学校に行ったのでした。
まだAT限定じゃなく、MT車だったわ・・・（遠い目）

教官の話す庄内弁がわからない、から始まり、
朝、一般の教習が始まる前の時間から
夜までみっちり１６日間。
宿に帰ってもみんな無言で勉強してたよなぁ・・・。
後半、スケジュールに空きが出てくると
自転車で散策したり海に行ったり。

ほんとに”合宿”で、友達とわいわい楽しかった。
教官の人たちもみんな優しかったし
卒業して帰るのが寂しくて悲しかった。

運転自体は、あまり得意ではなかったなぁ（笑）
仮免試験の時には、脱輪したのに
”友達と来たのに、１人だけ卒業が遅れたら可哀想”と
合格にしてもらい（？！）
無事16日間で卒業。

しかし、路上教習で注意するのは
トラクターやお年寄りの自転車、
夜間のタヌキ飛び出し、
という環境の中でのんびりと練習した私が
この大阪でどうやって運転できようか？！

帰ってきてすぐに、父と練習しようとしたのだけど、
スーパーの駐車場で駐車の練習をした段階で
白線をまたいで止まるという下手さに
呆れた父に禁止されてしまったのでした・・・。
一緒に行った友達は帰ってからも
ちゃんと乗ってたので、
合宿免許がダメなわけではなく
私が悪いんです、はい・・・。
今ではゴールドに輝く身分証明書となってます。

車に乗れなくても、今の生活で
不自由なことはなく（電動アシスト自転車だし！）、
幸い母が運転できるので
何かとお世話になってます。
でも、子供ができると・・・困ることも多々あるのは確か。
第一に病気の時にお医者さんに
連れて行くのに困る。
真夏と真冬の外出も大変。

でもなぁ～
今から乗るのは無理だから、もう一回
ペーパードライバーコースに通わないと。
そしたら、この著者と同じくらいに
頭も体もついていかない、という苦労をしそう。
免許剥奪されそうだ・・・。

それに、やっぱり事故が怖いし、
深く考えるのが嫌いでザツなので、車にしょっちゅう
傷つけそうだし。
よほどの必要に迫られるまでは、と
１年、また１年と先延ばしになって
今日に至っております。