目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「JUNO ジュノ」 母は強し

2009年05月30日 | 映画タイトル さ行
ずっと観たかったこれ、DVDで観ました。
2008年にアカデミー賞脚本賞を受賞した映画。

「JUNO ジュノ」(JUNO 2007年・アメリカ)

興味本位で男友達とそういうことになって、
妊娠してしまった16歳のジュノ(エレン・ペイジ)。
はなから自分で育てる、なんて選択肢はなく、
中絶しようとして結局思いとどまり、
養子縁組を望む夫婦に
子供を育ててもらうことにする。

・・・ここまで親に相談もなしに
決めちゃうところがなんともすごい。
あっけらかんとしてるというか なんというか。

はじめは、そんなイマドキな高校生に
呆れてしまったけど、
最後には、ほろりと心が温かくなりました。

ジュノが吟味した理想のカップル、
養子を欲しがっているお金持ち夫婦。
奥さんのヴァネッサ(ジェニファー・ガーナー)は
ちょっと神経質な感じがするけれど、
本当に子供が好きで、今までに
たくさん努力もしてきただろうし、
悲しくつらい経験もたくさんしたんでしょう。
待望の赤ちゃんを待ち望む様子は
ほほえましく、時に痛々しく、
立場的にもジュノより彼女に共感してしまいました。

ジュノ、そんなヴァネッサの気持ちが
少しでもわかってる??
といいたくなるような無邪気さなんだけど、
終盤ジュノの書いたメモを見ると
ジュノも確実に成長していることが
わかるよね・・・。

この、旦那さんの方が問題で、
大人になりきれてない。
子供を持つ責任や、自由を奪われる覚悟ができていない。

そりゃ、だって怖かったよ!
今でも子供を育てる不安や
自由への憧れはあるよ!
でも、女は自分のお腹で赤ちゃんを育てて
痛い思いをして産んだとあれば
イヤでも”母親”になれるんだよね、たぶん。

それは、出産後のジュノの涙が物語ってると思う。
無事に子供を産んだ安堵。
みっともないお腹から開放された喜び。
会わないことに決めた子供への愛情。
子供を手放すことへの悲しみ。
"大人ぶってた"ジュノが 
しっかりと、大人びて見えました。

ジュノもヴァネッサも、そして、
ジュノを見守ってるお母ちゃん(継母だけど)も
やっぱり母は強し!
男は頼りない(ジュノの父親は素敵)!

日本のドラマやなんかでティーンエイジャーが
妊娠すると、親が泣き叫んだり、
周りの視線がすごかったり、いろいろ
悲壮な物語になりがちなんだけど、
(実際、新聞の三面記事にも
赤ちゃんを産み捨てた高校生のニュースが
よく出ている・・・)
それが一切ない、ポジティブで
からっとしたお話なのがよかったです。

高校生くらいの子にも観て欲しいなぁ。
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6 コメント

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ちょうど1年ほど前に (のら)
2009-05-30 14:55:12
この映画を見たのを思い出しますね~。

やっぱり男性のほうが「親になる」って意識を
持ちづらいんでしょうね~。でもホントJUNOの
パパは素敵でした~。ママも血はつながってない
ものの、「いいママだな~」って思ったし。

日本だとちょっと前のドラマで「14歳の母」って
いうのがあったと思うけど(見てませんが)
この映画のようにカラッとはしてないもんね。

TBさせてもらいました♪私の記事はもうコメント
できないようになってますけど、あしからず。
返信する
1年遅れで (kino)
2009-05-31 01:08:50
>のらさん
おっと、お誕生日おめでとうございました!
(過ぎちゃってごめんなさい)

この映画、やっと観られました。
そうですねー 男性はやっぱり赤ちゃんを抱くまで
実感ないのでしょうね。

ジュノのお母さん、病院でタンカきったり、
Gパンをリフォームしてあげたり、いいお母さんですよね。

「14歳の母」ちらっと見たことあります。
日本だと、どうしても悲劇的で苦手。
養子という制度があまり一般的でないせいもあるけど
この映画とはずいぶん違うなーと思いました。
TBありがとうございました。
返信する
TBさせていただきました♪ (sabunori)
2009-06-01 23:40:49
kinoさん、こんばんは。
この作品で一番印象に残ったのはヴァネッサでした。
育児書で知識をつけて子供部屋の内装に頭を悩ませて
実際に子育てをしているお母さんたちからすれば
「そんな頭でっかちの知識だけじゃ子育てはできないわ」と言われそうですが、それでも子供の誕生を待ちわびるヴァネッサの気持ちは痛いほど伝わってきました。
あのショッピングモールでの彼女の笑顔はステキでしたね。
・・・それにしてもヴァネッサのダンナの子供っぽさったら。(怒)
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ヴァネッサ (kino)
2009-06-02 23:35:13
>sabunoriさん
こんばんは!TBありがとうございます。
ヴァネッサ、本当に子供が好きなんですね。
彼女のそれまでの努力と悲しみがしのばれます。
ジュノの子供を、がんばって育てていてくれたらいいな・・・
と神経質でがんばりやさんの彼女が心配なくらい。
それに対して、あの旦那はほんと、無神経ですよね。

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ジュノって (nomad)
2009-06-17 00:13:48
面白い女の子ですよね。
おっしゃるように、ティーン・エイジャーの妊娠のお話なのに、本人も家族もあっけらかんとしていて、ヘンな暗さがなかったのがよかったですね。
そして生まれくる赤ちゃんを皆で、見守るのも、観ていて気持ち良かったです。

これって、アメリカでは、どう受け止められてるのでしょうかね。気になるところです。
堕胎はしないから、それなりに受け入れられてるのかも。
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赤ちゃん (kino)
2009-06-17 23:24:33
>nomadさん
ジュノの赤ちゃん、幸せに育って欲しいなぁ と
思いました。
日本でこういう映画があったら、”無責任な映画”と
怒る大人が出てきそう・・・。
アメリカでもそういう意見はあったのでしょうか。
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