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「八朔の雪 みをつくし料理帖」 高田郁

2009年11月28日 | 読書
こういう小説は好きだなー。
人情モノっていうんでしょうか。
そこに美味しいものがたくさん出てくるとなれば・・・

「八朔の雪 みをつくし料理帖」
(高田郁/角川春樹事務所)

時代小説、というほど堅苦しくもなく
このまま現代の設定にすると
ありえない大映ドラマみたいなので(笑)
江戸時代にしてみました、みたいな・・・。

天涯孤独の少女・澪が天性の舌で
料理人として奮闘する物語。
世話になっていた大坂の老舗料理屋が
焼失、頼っていった東京支店(?)は
息子が店を潰して行方不明、
ご寮さんと長屋で貧しい暮らしをするうちに
娘を亡くした蕎麦屋の主人と出会い、
大坂と江戸の食文化の違いに
戸惑い試行錯誤しつつ腕をふるう。
人々との人情物語あり、
ライバルの嫌がらせあり、と波乱万丈。

出てくるお料理は(巻末にレシピあり)
・ぴりから鰹田麩
・ひんやり心太
・とろとろ茶碗蒸し
・ほっこり酒粕汁

”傑作”っていうのはちょっと言いすぎじゃぁ??と
思いますが、すごく面白かったです。
ちょっとあざといまでの
お涙頂戴なところもあるのですが
単純な私はつい涙してしまいましたよ(笑)

決して裕福ではなかった澪の家庭で、
幼い頃から父親(漆塗り職人)の塗った箸で
母の心づくしの、旬を生かした料理を
食べて育った、というのがいいなぁと思いました。
”食育”じゃないけど、食べることの楽しみや
大切さ、本当に美味しいものを子供に教えるのは
親の責任だと思うので・・・。

大阪と東京の食文化の違いも
大阪人の私には興味深い。
(先日も、”ケンミンショー”で
東京では海苔といえば焼き海苔、
おにぎりに味付け海苔を巻かない
と知って本当に驚きました!!!
大阪じゃ焼き海苔なんか巻き寿司にしか使わん!)

澪を取り巻く人々も人情に厚く
エエ人ばかりです。
もしやこの先、澪はアノ人とどうにかなるのか?
などと思ったりもして。
まだまだ序章、続きが楽しみなのです。
続編の「花散らしの雨」が既刊です。
早速、次に読みます。

この小説に、江戸の料理店の番付表、
というのが店の人気を左右するものとして
出てくるのですが
そんなミシュランみたいなもの、
ホントにあったんだろうか???
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2 コメント

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面白そう (iruka)
2009-12-04 05:15:32
人情話においしいもの。

これは読んでみたいですね。
レシピまであるんですね。
>味付けのり
大阪の方ではおにぎりに巻くんですか。
知りませんでした。
味がして美味しそうです。
今度やってみようかな。
でもこっちで売られている味付けのりは
小さく切ったものばかりだから難しそうです。

え~、江戸時代に番付表?
当時も評論家みたいな人がいたのかなぁ。

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海苔 (kino)
2009-12-04 23:42:25
>irukaさん
すぐに読める小説です!面白かったので機会があれば是非。
海苔ですが、近所の人に聞いたら、こちらでも
おにぎりに焼き海苔をまく人、けっこういました・・・。
流行の”キャラ弁”の細工も味付け海苔じゃできないらしいし。
(ベタつくのにどうやるんだろ?って思ってたんです)
ただ、スーパーの売り場はホントに味付け海苔メインです。
おにぎりに味付け海苔を巻くには、巻かずに別に持って行って
食べる前に巻くのが良いです。

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