目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「七夜待」 自分探し?

2009年11月29日 | 映画タイトル た・な行
河瀬直美監督の映画でタイが舞台、と聞いていたので
ちょっと興味がありました。WOWOWにて。

「七夜待」(ななよまち 2008年/日)

日本人旅行者の女性(長谷川京子)が
ひとりタイの街に佇む。
タクシーに乗り込み、目的地のホテルを告げるが
通じず、車が止まったのはひとけのない森の中。
身の危険を感じて逃げ出した彼女は
現地に滞在するフランス人男性に助けられる。
その男性が滞在するタイ人母子の家に
彼女も泊めてもらうことになり・・・

河瀬監督の映画は以前に
「萌の朱雀」を観たような、
内容が記憶にないような、という程度。
ドキュメンタリーのような、
いわゆる”わかりやすい映画”ではない映画を
撮る人、というイメージでいますが・・・
今回の映画も正直、私にはよくわからん映画でした。

なんでも、役者さんには
セリフらしいセリフは与えられず
その日に、役柄の行動だけを書かれたメモを渡され
(タクシーに乗る、とか)
即興で(?)演技をしたのだとか。

長谷川京子さんの飾り気のない、
素で戸惑っているような、
くつろいでいるような表情が満載でした。
それがとてもキレイだし
色っぽいし、男の人にはたまらんかも・・・。

でも、内容はというと、
あまりにも説明がなさ過ぎて
わけがわからん。

日本での生活に疲れた女性が
(恋に傷ついたのか?そんな感じ)
タイの自然と素朴な人々との生活、
古式マッサージに癒され笑顔を取り戻す
ってな感じだと思うんですが、
だから何?としか言いようがなく、
説得力も共感も感じられなかったのです。

だいたい、あんな言葉の一切通じない
若い女性が1人でタイの田舎に来るか?
値段交渉もなしにタクシーに乗るか?
露出の多いタンクトップ姿で
無防備にタクシーでうたた寝するか?!
そうでなくても、どこに連れていかれるか
わからんのに・・・。
で、その運転手からは必死に逃げて、
ハンサムなフランス人はひと目で信用するって
どうなんだか?

タイ人の家で暮らすようになってからも、
タイ語、フランス語、日本語が
通じない中で、おそらく言われていることを
全く理解していないのに
曖昧に相槌をうつ姿にもいらだってしまった。
(タイのお母さんもフランス人も
少しくらい英語を喋れるだろうに・・・。)

言葉が通じなくても通じるものがある、
と言いたいのかもしれないし
言葉より マッサージという
スキンシップを通じて深まるものがある、
と言いたいのかもしれない。
それにしても、リアリティも説得力もない。

古式マッサージにしても
ホントはあんなんじゃないはず。
あれでイメージアップになってるのかなぁ?

時折出てくる彼女の夢も意味不明。
タイで出会う僧侶=夢の彼ですよね。
どういうこと??
彼がタイで僧になってて、それを追いかけてきたってこと?
タイの僧を想ってセクシャルな夢を見たってこと?
疑問符だらけです。

タイ人の子供は実は日本人とのハーフだ、
という事情や戦争のことや
宗教のことを織り交ぜてはいるけれど
心に迫ってこないのでした。

わかる人にはわかる映画なのかもしれないし
アホなアメリカ映画ばっかり観てる私の
理解力不足なのかもしれませんけれど。

ハセキョーのPVとしては素晴らしいと思います。
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2 コメント

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わかります! (sabunori)
2009-11-29 09:58:24
kinoさんのおっしゃることものすごくわかります。
私はこの監督の作品は不眠症の時に見たらいい睡眠剤になるかもーと思っているのでこの作品ももちろん観ていないのですが、予告編を見てまったく同じような感想を持ちました。
日本の生活に疲れたからといきなりアジアへ現実逃避ですか?
それも言葉もできずにあんないわゆる都会ではない場所へ?
で、いきなりフランス人と心が通じ合っちゃうのね。
なーんてかなり不信感を抱いてしまって。
本当にあまりにも説得力がありませんよね。
こういう物語を鵜呑みにしそうな若い女性がいそうでそれも怖いです。
それにしても観てもいなくてここまで言う私も私でしょうか。(笑)
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そうでしょう?! (kino)
2009-11-29 22:41:23
>sabunoriさん
よかったー!予告だけで同じこと感じてくださってて。
いやー、ご覧になっていなくても”その通り!”です。
観たい映画はたくさんあるのに、怪しい(?)と思いつつも
名の通った河瀬監督、につられて観てしまったヘタレな私・・・。
でも、この映画に感じ入った!というお嬢さんも
いらっしゃるのでしょうか。
一人旅にはくれぐれも注意してね、と言いたいですが。
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