目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「硫黄島からの手紙」 今の平和は・・・

2006年12月18日 | 映画タイトル あ行
クリント・イーストウッド監督の、「父親達の星条旗」に
続く、この作品を観てきました。

「硫黄島からの手紙」(LETTERS FROM IWO JIMA・2006年・アメリカ)

硫黄島での戦いを日本軍から見た映画。
本土防衛の最重要拠点である硫黄島を死守するため
塹壕を掘り続ける兵士達。新しく着任した栗林中将(渡辺謙)。
彼はアメリカ留学の経験があり、軍の内部では彼の
先進的な考えや戦法に異議を唱える者も多かったが・・・。
やがて アメリカ軍の爆撃が始まり、日本軍は追い詰められていく。

2万1千人の日本兵のうち、生還できたのは1千23人だといいます。
軍人としての誇りをもって自決した多くの人の姿も
描かれていました。

はじめ、”硫黄島からの手紙”というタイトルから、
もっと涙涙・・・の内容なのかと思っていたのですが、
残してきた家族を思う気持ちはもちろん描かれてはいたけれど
淡々と描かれていて、そこが かえってよかったと思いました。

ほんとに、こういう映画を見ると、なんて言っていいか
わからなくなります。
こういう人たちの犠牲の上に 今の自分が
生きているんだな・・ということを実感するというか。

同じ人間がなぜああいうふうに殺し合わなくては
ならないのか・・・ もし自分だったら・・・?と
いつも思います。
二宮君や加瀬君が演じた若い兵士が感じたむなしさ、
やるせなさ、やり場のない怒りのようなものすべて、
今私が感じるように 彼らも感じていたのでしょう。
でも、それを口に出すことは許されなかった時代なんですね。

私は身近な人から戦争の話を聞く経験がなかったのだけど
この映画が全てではないにしても、その一端を知り、
関心を持つことができる、というのは
よかったと思います。
もっとも、ダンナに言わせると、もっともっといろんな
背景やエピソードがあって、描き足りなかった部分がある
そうなんですが・・・。

ともかく、これが日本映画だとこうはいかなかっただろうな
と思った映画でした。
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14 コメント

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Unknown (Cartouche)
2006-12-19 12:03:55
予想をはるかに上回る長い日数を攻防できたのは陸軍中将、栗林忠道の地下トンネル作戦と玉製の思想を問い直し、兵士ひとりひとりの命を大切にしたおかげ。彼のことについての本を読んでみたくなりました。ほんと。こういう人たちの犠牲の上に 今の私たちの生活が成り立っているのですよね。
返信する
命の重さ (☆kino)
2006-12-19 22:41:59
>Cartoucheさん
TBありがとうございました!
そうなんですよね・・・自決することを良しとせずに
生き残って戦い続けろ、と言った栗林中将の思い、
すぐには受け入れられないものだったのかもしれませんが
そのおかげで生き延びた人もいたはず・・・。
たくさんの失われた命の上に今の自分が生きている・・・
そう思うと とても重い命です。
返信する
Unknown (choro)
2006-12-20 18:34:53
家族の為にも一日でも長く生きたい!と思うのは、将校の栗林も一兵卒の西郷も同じですね。

捕虜になるというのはものすごい屈辱だったようなので何とも言えませんが、やはり生きていなければ何もなくなってしまいますから・・・

日米両側から描いた作品としてこの2部作は貴重だと思います。
TBさせてくださいね。
返信する
2作品とも (☆kino)
2006-12-20 23:31:29
>choroさん
イーストウッド監督はよくぞこの2本を作ってくれましたね。
ここまで日本をしっかり描いてくれたことがすごいです。

人の命ってなんだろう、と思わされる映画でした。
彼らが命がけで守ろうとした日本という国では今、
命が粗末にされてる・・・。悲しいことです。
たくさんの人に観て欲しいですね。そして、命の重さを考えて欲しいです。
返信する
その信念が・・ (naomi)
2006-12-21 18:10:43
お国のために・・
必死で戦争で戦っていた人たちの
その信念が良いか間違っているかは
今の私たちには意見することはできないよね。
今だから、戦争反対とか!家族が一番だとか
簡単にいえる時代だけど・・
当時はそう思うしかなかったのだろうし・・


加えて、今の日本は戦争に向き合うことに
臆病になりすぎているような気がする。

もっともっといろんなことを
まだ戦争体験者が生きているうちに
聞いて、伝えていかなきゃいけないと思う。
知るべきだと思う!

映画のなかでいくつか驚いたことがあって
「御霊となって靖国で会おう・・・」
この連呼は・・日本映画ではありえないシーンだけれど、
絶対カットしちゃいけない真実なんだとも思った。

それといままでほとんどの映画では
日本兵は捕虜を残虐にあつかって
外国側は協定にしたがって扱う・・としたものが
多かったけれど
今回は逆に描かれていたでしょう。
ベトナムでの大虐殺などを考えれば
もちろんアジア人なんて人とも思わない
アメリカ人も多かったでしょうから
これも納得できたシーンではあるけれど
日本映画なら・・きっとクレームがついたような
気がする。

全体の内容についてはみなさんがいろんなレビューを
揚げているのでふれませんが
映画としてみれば、とても良い出来なんだと思います
ただ、それだけで終わらず、そこからもう一歩ふみだした何かを皆が感じてくれればな良いなと思いました。

それとやはりいくら一般の若者だったとしても
二宮くんのいまどきの話し方はかなり気になった。
というか・・なんで二宮くんなんだろうか?

絶賛されているので・・言いにくいけど!

あ~こんなに文句いうなら自分とこで記事かけば!!と思うでしょ!

くどくてすいません!しかも殴り書き!!
書き捨てごめん
うざい時は消してくださ~い。
返信する
ありがとう! (☆kino)
2006-12-21 23:16:38
>naomiさん
いえいえ、たくさん書いてくださってありがとう!
なんだかこういうことを上手く言葉にできない私もヘタレですが、
日本映画で戦争のことを描こうとすると、きっと
いろんなところから抗議やら反発やらいろいろあって
正直な思うままのことが描けないのかもしれませんね。

ここで描かれなかったエピソードや、生還した人の話も
もっと知るべきだろうし・・・。
ホント、自分の表現力のなさ、もやもやした気持ちを
言い表すことができなくてもどかしいです。

二宮君、タイムスリップしてきたワカモノみたいだったね。
返信する
もやもや病なの(笑) (naomi)
2006-12-22 12:29:24
男達の大和のときにね、
親類に初めて生戦争話きいたのね。

「もっと早くいろいろ教えてほしかったな?」
「誰もきかなかったし、関心もなかったろ」

てな会話があっていろいろ聞いたの

書ききれないけど

彼がいうのは
靖国問題っていろいろ騒いでいるけれど
やっぱり戦地では「そこでまた会おう」って
泣きながら死んでいった人がたくさんいたらしい。

戦犯問題とかいろいろあるけれど
何もしらない人や見識者のみなさんが
「こんなもの意味がない!」てな
討論をするとつらいそうだよ。

もちろん家族の元に魂はもどるのだろうけど
戦友とあえるのは靖国しかない・・って
毎年お参りしている人が多いのも事実だしね。

中国や韓国が必要以上に騒ぐのも虫がすかない
けれど、日本の優柔不断はもっと我慢できない。

なんてわたくし別に右派でも戦争推進派でも
ありませんが、つい語ってしまいました。

しかも嵐のファンで
埼玉アリーナ・横浜アリーナに
ライブにもいったことのある
とんでもない奴ですの!!
でも・・・

櫻井くんのファンです。
ニュースゼロの月曜日みてね。
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嵐ファン (☆kino)
2006-12-23 08:02:20
>Naomiさん
嵐ファンだったのねー。
(櫻井君ファンっちゅーことは「ハチミツとクローバー」みないとね)

靖国のお話はなんか、じーんときました。
”同期の桜”の連帯感、ともに戦った体験は
それを知らない者には わからないですよね。
バンド・オブ・ブラザースだもんね。
体験者の方は進んで語りたくはないことかもしれないけど
機会と聞く気持ちがあれば 聞いて欲しいと思ってらっしゃるかも・・・。
返信する
嵐の二宮くん (のら)
2006-12-23 11:38:24
前からいいお芝居をするなぁって思ってたんですが
彼がこの映画に出てくれたから、より自分たちだったらどうするかっていう風に感情移入しやすかったかなと思うんですよね~。

しかし私も戦争映画を見ると、毎回どう書いていいのかと困りますよ・・
返信する
二宮くん (☆kino)
2006-12-23 23:52:34
>のらさん
私は、彼が出てたコメディドラマが好きだったなぁ。
中村玉緒が家政婦で、藤原紀香とか鈴木杏ちゃんが
兄弟だったような。
こういう映画は 語るべきものを持っていないと
ちゃんと感想が書けないですね・・・お恥ずかしい。
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