女なの？男なの？「コニー＆カーラ」

地味だけど観たら面白かった、という映画が好きなので、
立て続けに　またマイナー映画の紹介。

「ビッグ・ファット・ウェディング」のニア・バルダロスが
再び脚本を書いたコメディ。
（面白かったのに、ミニシアター系で短期間だった！）

売れないシンガーのコニー（ニア・バルダロス）と
カーラ（トニ・コレット）は幼なじみで、
ずっとスターになることを夢見て、閑古鳥鳴くレストランで歌い踊ります。
しかし、マフィアのヤク取引と、それに絡む殺人を目撃してしまったから大変！
逃走した二人が行き着いたのはハリウッドのショーパブ。
ゲイの”お姉さん”たちがド派手な衣裳とメイクで（口パクで）踊っています。
シンガー魂のうずいた二人は、身を隠す逃亡中なことも忘れて思わず舞台に。
ホンモノの歌と踊り、それに、痛快なトークがウケて二人は人気者に！
しかし、彼女たちは”女のふりした男”を演じ続けなければなりません。
はたして、マフィアの追っ手はどうなるのか？
二人の人生はどうなるのか？？？

と、「お熱いのがお好き」を彷彿とさせるコメディなのですが、
ハラハラして、笑えてほろっときて、歌と踊りも楽しめる
盛りだくさんな楽しい映画でした。
ミュージカルナンバーの数々は、知ってる人にはより楽しく、
そうでない人も単純に楽しめます。

コニーたちが、けばけばしくメイクして、
絵に描いたようなドラッグ・クイーンを演じるのも笑えます。
二人とも、正統派美人じゃないことを逆手にとってて素晴らしい。（失礼）
それが、だんだんと内面の輝きが表情に出てきて、
ラストには初めよりずっと美しくなってるところもよかった！

ゲイ仲間の悲哀や世間の偏見、家族との確執。
このへんは「トーチソング・トリロジー」や「プリシラ」などなど、
多くの映画でも描かれてきましたが、実は女である身で、
”女装のゲイ”の立場を体験する、という設定が面白い。

人とは違っても、自分に誇りをもって、希望を捨てずに前向きにがんばろう！って
元気になれます。コニーとカーラの友情も羨ましいです。
（でも、ニアが脚本だけあって、コニーの方がいい役回りよね（笑））

某往年のミュージカル女優が出演するのも嬉しい！
マフィアの追っ手もマヌケで最後までいい味出してます。
彼をそうさせてしまうのが、ミュージカルの魅力！！
楽しませていただきました。

「プリシラ」と併せて是非ご覧くださいませ。