今日は良く晴れた。

そごう横浜店へ。

そごう美術館「111年目の中原淳一展」。
会期は2023年11月18日~2024年1月10日。

中原淳一氏(1913~1983)との出会いは古本屋だった。氏が編集長を務めた「それいゆ」という手に取った瞬間にばらけそうなボロボロの雑誌だった。
なんかとってもモダンで、でもどこか懐かしくて、これなんだろ?
その後、氏の手掛けた「それいゆ」「ひまわり」という雑誌が、その当時のティーンエージャー少女たちにものすごい人気のあった雑誌だったと知った。
そして、「それいゆ」の創刊は1946年8月15日と知った時は驚いた。第二次世界大戦敗戦後の翌年だ。
希望を失い明日が見えず惨めに打ちひしがれその日を暮らすのに精一杯な、NHKの映像の世紀のテーマソングが背景に流れるようなイメージしかなかった時代に、こんなにも夢にあふれる雑誌があったんだ。
そして、一見手の届かない夢物語かと思いきや、ありあわせの様々を様々に工夫することを提案しているのであった。端切れ一枚しかなくても、その端切れをアップリケにして縫い付けるだけで豊かな気持ちになれると提案しているのだった。
今でも使えるような意匠のスカート。

よくよく見てみれば、ごくごく普通の布で作ったごくごく普通のアップリケを組み合わせているんだ。


これは絣?祖母ちゃん世代が履いていたもんぺの生地だと思うのだけど、一工夫でモダンになる。


着物もだ。
アップリケをしたり端切れをはぎ合わせたり。






浴衣はびっくりした。
私は中途半端な季節はウサギ小屋リビングにこの柄の手ぬぐいを飾っているのだ。






中原淳一氏の文が好きというわけではない。
鬱陶しいとも思う。


だけどその提案にハッとする。











どんなに厳しい状況におかれても、心まで貧しくなってはいけないわな。
