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2024・3・15 上野の森美術館 VOCA展2024「現代美術の展望-新しい平面の作家たち」。大東忍。上原沙也加。片山真理。佐々瞬。笹岡由梨子。

お花見を待つ上野恩賜公園。



上野の森美術館では、VOCA展2024「現代美術の展望-新しい平面作家たち」を開催中。
会期は3月14日~30日。
VOCA展は、1994年に始まった平面美術の領域で有望な若手作家を奨励する展覧会。
今回で31回を迎えた。
全国の美術館学芸員、研究者などから推薦された40才以下の31名から5名の選考委員によって、VOCA賞1名、奨励賞2名、佳作賞2名、大原美術館賞1名が選ばれた。

VOCA賞は大東忍。
大東忍(1993~)は愛知県生まれ。
愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業。同美術研究科博士前期課程修了。
作品名:風景の拍子
素材:木炭、麻布、パネル

秋田の新屋地域の風景を題材にしているという木炭画。
ありふれた風景に潜む未知のリズム。


VOCA奨励賞 / 大原美術館賞は上原沙也加。
上原沙也加(1993~)は沖縄県生まれ。
東京造形大学造形学部デザイン科写真専攻領域卒業。
作品名:幽霊たちの庭
素材:アーカイバルピグメントプリント、額。
上原は沖縄島を題材にしてきたが、この作品は台湾に目を向けてるという。
島内の立場でみてきた事物の到来を、斜めに、あるいは平行的に見ていく。



VOCA奨励賞は片山真理。
片山真理(1987~)は埼玉県生まれ。
東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程修了。
作品名:red shoes#003 red shoes#001 red shoes#002
素材:C-print



針と糸で立体作品をつくることが片山の制作の起点という。
自らの手の画像をプリントした布地を縫い合わせたオブジェとともにフィルムにおさまる。
障害の有無に関わらず選択の自由拡大に取り組む片山の「ハイヒール・プロジェクト」。

VOCA佳作賞は佐々瞬。
佐々瞬(1986~)は宮城県生まれ。
東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻卒業。
作品名:そこに暮らす人々は自らの歴史を記した
素材:アクリル、追廻住宅の布団カバー、同住宅の家屋部材、鉛筆、謄写版原紙、額。

佐々は、公的な領域に私的なドキュメントあるいはフィクションを介入させることで現実を攪乱させ、自己も含めた人々を疎外状態から回復させることに関心を持ってきたという。
仙台の追廻地区の公園整備計画によって強制移転となったこの土地の最後の一つとなった住宅。




もうひとりのVOCA佳作賞は笹岡由梨子。
笹岡由梨子(1988~)は大阪府生まれ。
京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程油画専攻修了。同後期博士課程美術専攻メディア・アート領域満期退学。
作品名:Animale / ベルリンのマーケットで働くクマ
素材:レンチキュラー印刷、パラフィン、絵具、ぬいぐるみ、古着、LEDライト、木枠、かざり板、パネル、モニター、メディアプレイヤー、スピーカー、映像

この作品は、地球軌道を周回した最初の動物である犬のライカ、第二次世界大戦時にポーランド軍に属したヒグマのヴォイテクなどの動物の労働の歴史に関する綿密なリサーチが起点となっているという。
絵画と映像というメディアの境界の溶解を試みる作品でもある。








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